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全仏で記者会見を拒否した大坂なおみ それを見た元王者セリーナが口にした言葉に涙が溢れ出た
2021年5月、テニス界に大きな衝撃が走りました。
今や「世界で最も稼ぐ女性アスリート」であるテニス選手の大坂なおみ選手が、出場していたテニスの四大大会である全仏オープンで、大会期間中の記者会見を拒否するという事態が発生したためです。
自身のツイッターには「アスリートの心の健康状態が無視されているように感じています。自分を疑うような人の前には出たくありません」…そんなコメントを書いていました。
この前代未聞の事態に、テニス関係者は大揺れ。会見の拒否は違反行為とされており、大坂選手にはフランステニス連盟から1万5000ドルの罰金が言い渡されました。
I congratulate @naomiosaka for having the courage to speak out about her #mentalhealth – and at a time when the world was watching. Mental health is essential to our overall well-being and we all have a responsibility to protect that in whatever way works for us. pic.twitter.com/rqALBaxfRG
— Tedros Adhanom Ghebreyesus (@DrTedros) June 3, 2021
さらにその直後の5月31日には、全仏オープンを棄権する意向を自身のツイッターで表明した大坂選手。
同時に大坂選手は、2018年からうつ病を抱えてきたことを公表し、会見を拒否した理由として、大会前に大きな不安を感じていたことを明らかにしました。
この一連の顛末に、テニス界のみならず、世界中のスポーツ関係者から賛否両論の嵐が吹き乱れました。
スポンサーを背負って闘っている以上、そのような身勝手な行為は許されない、スポーツ選手として失格だ、と言ったような批判的な声も挙がった一方で、大坂選手を擁護する意見もあがりました。
例えば男子世界No.1だったこともあるラファエル・ナダル選手や日本を背負って闘う錦織圭選手は、記者会見を拒否すること自体は良いことだとは思えないが、大坂選手の置かれている状況も理解しなければならず、大坂選手の選択を尊重したいという見解を示しています。
また、うつ病を公表したことに対しても、「とても勇気がある行動だ」と称賛する声が同じスポーツ界からも相次いでいます。
このような状況の中、ある選手が会見で語った言葉が大きな話題を呼んでいます。
実際にその動画をご覧ください。
女子テニスセリーナ・ウィリアムズ選手は、全仏オープンを棄権した大坂なおみ選手の判断を尊重するとの考えを明かした。 pic.twitter.com/NQnUWm63Sx
— ロイター (@ReutersJapan) June 1, 2021
その選手はセリーナ・ウィリアムズ選手…史上最強の女子テニスプレーヤーと目されていた選手です。
2018年の全米オープンでは大坂選手が元王者のセリーナ選手を下し、四大大会初優勝を飾っています。それだけに、セリーナ選手にとって大坂選手は屈辱の敗退を味わわせられた相手です。
しかしセリーナ選手は、31日の全仏の試合後の記者会見で、「彼女にハグしてあげたい。私も同じような状況にあったから」と大坂選手に対する理解を示すコメントをしたのです。
「私は神経が図太いけれど、繊細な人もいる。人はそれぞれ違うし、物事への対処法も違う。彼女がやりたいように、彼女が考えられるベストの方法で対処させてあげればいい。私がただ一つ言えるのは、彼女はベストを尽くしていると思うということ…」
そんな言葉と共に大坂選手への強いサポートを示したのです。
.@naomiosaka‘s withdrawal from @rolandgarros puts spotlight on media mandate
READ: https://t.co/iefHDlcy9X#NaomiOsaka #RolandGarros #FrenchOpen pic.twitter.com/oyTQhS3uRl
— TOI Sports (@toisports) June 3, 2021
大坂選手がうつに悩まされていたと公表した後は、多くの人が大坂選手の選択に共感するようなコメントを表明し始めました。
今回の大坂選手の記者会見拒否騒動は、数多くのスポンサーを背負って闘うスポーツ選手としての自覚に欠いたような行動に感じた人もいるかもしれません。
しかし長年スポーツ界において、選手のメンタルヘルスが軽視され続けてきたのも事実。また、個人がSNSなどで積極的に情報や意見を発信できるようになった今、旧態依然とした、また、時に心ない失礼な質問が平気で投げかけられる記者会見に出席しなければならない必要性があるのかどうかには疑問の余地があるかもしれません。大坂選手は、自らの取材拒否によって、スポーツ界にそんなことを問いかけたかったのかもしれません。
皆さんはどう思いましたか?
