ヘルスケア
寝姿勢から読み取る体の不調
疲労回復に欠かせない日々の睡眠。睡眠は、疲労回復だけでなく脳のデトックスを促しストレス解消につなげる効果や記憶の定着、またエネルギー代謝を助け肥満を予防したり、睡眠中に分泌される成長ホルモンが肌のターンオーバーを促し、肌を美しく保つなど、体のさまざまな働きを整える役割を果たしています。
このように、体を健やかに保つために欠かせない睡眠ですが、実は寝る時に取っている姿勢には体の状態が現れていると言われ、場合によっては、体に余計な負担をかけて不調の原因となっていることも。
この記事では、寝る時に取る姿勢からわかる体の状態についてご紹介します。
寝姿勢から読み取る体の不調
みなさん、寝る時はどんな姿勢が楽ですか?仰向け、横向き、うつぶせなど、人によって楽な姿勢はさまざま。でも楽と感じる姿勢は、体が抱える不調を庇っていたり、または体にさらなる不調を引き起こす姿勢かもしれません。
1. 横向き
横向きで寝ることは多くの人がやっている姿勢だと思いますが、その時に肩をグッと巻き込んで寝ていませんか?横向きになった時に肩が巻いた状態の人は、猫背だったり、巻き肩、またストレートネックになっていることが多いと言われています。普段からこういった姿勢の人は胸の筋肉が縮んでいるため、肩甲骨が浮き、仰向け寝がしづらいのだそうです。
しかし、こうして肩を巻いた横向き寝を続けていると、胸の筋肉が縮み肺が圧迫されていきます。そうなると呼吸が浅くなるため、寝ても疲れが取れにくくなります。さらには、リンパの流れも悪くなるので、むくみ、肩こりや首こりの原因にもなってしまうそうです。
猫背気味、巻き肩気味という場合は、ストレッチや筋トレなどで姿勢の改善をすることで、睡眠の質をあげることができます。
腰痛などにより横向き寝をする場合は、背骨と床がまっすくに並行している状態が理想と言われます。背骨が真っ直ぐになることで、頭が適切な高さで支えられるため、首や肩への負担が軽減されます。
枕の高さ
— こころ整骨院@バレーボール (@givers_hyaku) August 4, 2020
仰向け寝も横向き寝も、
立位姿勢をそのまま寝姿勢に持って行けるとベストです。
ただあまりに自分の好みでも姿勢に影響が出てしまい痛みや不調になるなら調整する必要があります。 pic.twitter.com/4z3T93dnhB
また、左側を下にした横向きで寝ると食べ物の消化がスムーズになり、胃腸に負担をかけないとも言われてます。横向き寝をする時は背骨のラインを気をつけ、肩がグッと前に入り込むような姿勢にならないよう注意をしてください。
2.腕をバンザイした状態や手を頭に乗せている状態
仰向けになった時、腕をバンザイのポーズにするのは、猫背や巻き方、また首や肩のこりが原因だと言われています。先にも記載したように、猫背や巻き肩の人が仰向けで寝ようとすると、肩甲骨が浮いてしまいます。そのため、肩を上げると胸が開き、肩甲骨の浮きが抑えられるので、仰向けで寝る時は腕を上げると楽と感じるのです。
このまま寝入ってしまうと、肩や腕に負担がかかったり、腕が痺れてしまうことも。さらには、リンパや血液の流れを悪くさせ、むくみの原因にもなります。また、バンザイや腕を上げた状態では、寝ている時に顎を圧迫した状態になります。そのため気道が狭まり、いびきをかきやすくなります。
腕を上げて寝る姿勢が楽という人は、寝る前に、肩甲骨を上下させ、コリをほぐすようなストレッチを数分するのが効果的です。
「バンザイ寝」に自覚がある人は就寝前に肩を回すストレッチや湿布薬を貼る、高すぎない枕を使うなどで痛みの緩和や肩こり予防を行うことが大事です!
— たかひろ|ねんねこ生活 (@TakahiroOmatsu) November 11, 2021
凝りや痛みがなくなると、筋肉が緩んで神経活動が低下してリラックスするので入眠しやすくなります😪#睡眠#寝相 pic.twitter.com/vG4KmlQFeC
3. 膝を立てて寝る
膝を立てる姿勢が楽という人は、骨盤のズレや反り腰、腰痛といった腰周辺に不調がある人に多い姿勢と言われています。
膝を立てて寝る姿勢は腰部のS字カーブがフラットになり、腰への負担を軽減してるため、腰痛がひどい時の対処法でもありますが、やはり疲れは取れにくい寝方となります。
もし腰痛などにより敢えてこの体勢で寝るという場合は、クッションを膝と寝具の間に挟むと、就寝後も膝を立てた姿勢を保つことができます。
膝を立てた状態で就寝し、寝ている間に無意識に膝が横に倒れてしまったり、横向きでひざを曲げるといった姿勢になると、骨盤のズレの原因となってしまうこともあります。
4. 足を組んで寝る
足が4の字になるように組んで寝ると楽という人は、普段から足を組むクセがあり、骨盤が歪んでいる傾向にあります。
また、この姿勢は腰にも負担がかかりやすく腰痛の原因にもなります。この状態を続けると、疲れが取れにくいだけでなく、骨盤の歪みが悪化し、腰痛やヒップラインの崩れ、また足の長さの左右差などが生じる恐れがあります。
【寝る時4の字にってませんか?】
— ぽん先生@月300人に足から鍼を打つ!鍼灸師 (@LEAF_8877) April 28, 2020
この寝方が楽な方は
骨盤に歪みが〜😱
足を外に開いて寝る時、
股関節は外旋、外転という動きに
なってやす!
その時、主にお尻の筋肉が働くので、
そこが固くなってしまいます!
そして、そこの筋肉は太ももにも繋がるので
太もも太りにも!
気をつけて〜 pic.twitter.com/MHy5bMfWTC
寝る前に簡単な骨盤のゆがみ矯正ストレッチなどを取り入れることで寝姿勢も改善につなげることができます。
5. うつ伏せ寝
うつ伏せ寝は、安心感が得られると言われていたり、気道が確保され、呼吸しやすい状態になり、いびきの改善に効果あると言われています。
ただ、うつ伏せ寝は呼吸がしやすいということから、睡眠時無呼吸症候群の人が無意識にうつ伏せ寝をしているケースもあります。そのため、うつ伏せ寝には睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。また、うつ伏せ寝は腰を反らしがちになるので腰に負担がかかるため、反り腰や腰痛の原因にもなります。
睡眠時の理想の姿勢
睡眠時の姿勢は、体調などにより横向きが良い時、膝を立てる方がいい場合などがありますが、本来の理想の寝姿勢は仰向けと言われています。
仰向けになることで、背骨が真っ直ぐ安定し、身体の歪みが生じにくくなります。また、仰向けだと、敷き寝具と体の接触面が大きくなるため、体圧が均等に分散されます。そうなると、肩や腰への負担も軽減さるだけでなく、血流が圧迫されずスムーズになり、血栓ができにくくなるだけでなく、むくみの防止、疲労回復の促進にも繋がります。
ただし、仰向けの場合は重力により舌が下がりやすくなるため、いびきをかきやすくなる可能性があります。そのため、いびきに悩まされている人や、睡眠時無呼吸症候群の人は、仰向け寝は向かないと言われています。そういった場合は、横向き寝をし、背骨と床がまっすくに並行している状態になるように気をつけるようにしてください。
本日は #背骨の日
— じぶんまくら【公式】|オーダーメイドまくら (@JIBUNMAKURA_) May 27, 2022
自然な寝姿勢で眠りを保つことができるのが理想の寝具です🐑💤
🐑仰向け寝
立った時、背骨はなだらかなS字型になっています。仰向け寝の際もこの姿勢を。
🐑横寝
背骨がまっすぐになる状態を。
この寝姿勢をキープすることが快眠につながります。自分に合う寝具でよい睡眠を✨ pic.twitter.com/Nxec7sX1Qt
就寝時、体を休めるために楽な姿勢を取りますが、その姿勢は、体が抱える歪みや不調をかばっている可能性があります。ただ、好みの寝姿勢を取ることで、ぐっすり眠れるという場合もあるため、今回紹介した寝姿勢が良くないというわけではありません。しかし、寝ても疲れがなかなか取れないという場合は、体の歪みや肩こり、首こり、腰痛などが睡眠の質を下げる原因になっている可能性もあります。そのため、一度自分が寝る時によく取っている姿勢を見直してみると、改めて不調の原因に気がつくきっかけになるかもしれません。
睡眠に関する情報は以下の記事でも紹介しています。
プレビュー画像:©︎Pinterest/getdodow.io
出典:nishikawa, Sleep Labo, 集英社オンライン