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ヘルスケア

熱中症予防に牛乳が役立つ理由

連日、体温を上回る最高気温を記録するなど、各地で危険なレベルの暑さが報告され、熱中症への注意が呼びかけられています。熱中症予防には、こまめな水分補給やミネラルの摂取が大切と言われていますが、牛乳もまた熱中症予防に役立つということをご存じでしたか?

牛乳が熱中症対策に役立つ理由

私たちの体は、汗をかくことによって体の体温調整をしています。汗には、水分だけでなく塩分をはじめとするミネラルも含まれており、夏は汗で失った水分やミネラルの摂取が熱中症予防に重要となってきます。

しかし、塩分が含まれていない牛乳にも、体温調節に関わる大切な成分が含まれているのです。信州大学医学部で高齢者の健康づくりを研究している能勢博 特任教授によると、牛乳に含まれるタンパク質は、血管中の血液量や体内の水分量を調整するアルブミンという成分の材料になるそうです。

そのため、牛乳を飲むことでアルブミンが増え、血管の中に水分が取込まれ、血液の量が増加し血流もよくなります。体温調整機能である汗を作り出す汗腺は、血液を元にして汗を作り出しており、血液の量が増えれば、汗をかきやすくなります。そうなると、体温調整機能がしっかりと働いて、熱中症予防につなげることができるのです。

熱中症予防に役立つ牛乳の飲み方

牛乳に含まれるタンパク質が熱中症予防に一役買ってくれることがわかりましたが、牛乳の効果を最大限に得るためにおすすめのタイミングがあるそうです。そのタイミングとは、「運動をした後」と言われています。

私たちの体は、運動後、汗をかくと肝臓が減ってしまった血液を増やそうと、急ピッチでアルブミンの合成を始めますが、この時にアルブミンを合成するたんぱく質が必要になります。このタンパク質源として有効なのが牛乳なのです。

運動後30分以内に牛乳を飲むことで、アルブミンの量が飛躍的にアップして、血液量が増えるとのこと。血液量が増えたことで、発汗も促され体温調節の機能を向上させることができます。

運動の量や牛乳の量は、息を弾むくらいの運動を1日15~30 分、週に3 ~4日行い、その後30分以内にコップ1杯の牛乳を飲むといいそうです。また、牛乳が飲みにくいという場合は、ヨーグルトやチーズも有効です。

まだまだ続く暑い季節。熱中症になりにくい体づくりとして、軽い運動と牛乳を組み合わせた熱中症予防法、ぜひ取り入れてください。

注意:運動後は牛乳だけでなく、汗をかいて失った水分やミネラルの補給も十分にするようにしてください。

プレビュー画像:©︎Pinterest/sherrysmilar.com

出典:FNN, NHK, j-milk