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認知症に備えたある男性の”準備”が心を打つ

もはや「新たな国民病」とさえ言われる認知症。当事者になる可能性もさることながら、認知症になった家族や知人を支える側になる可能性も高く、誰もが避けて通れない病気といえるのかもしれません。

そんな、誰もが認知症になりうる時代の心得とも言えるあるエピソードをご紹介します。それは2020年の大晦日、ツイッターユーザーのごまたんさん(@gomachan_ks)が投稿した、91歳になるお祖父さんの行動です。ごまたんさんのお祖父さんがしていたのは「認知症への準備」。そこでは「少しでも世間様に迷惑掛けないように」とお祖父さん自らが、もしもの時に備えてしていた準備が紹介されています。

現在91歳とのことですが、その準備を始められたのがなんと20年も前の70歳の時から。

Twitter@gomachan_ks

70歳で仕事を引退した時、「人間老いると我儘になる」と免許を返納したのだそう。

そして5年後の75歳の時には、携帯電話を自らGPS付きのキッズ携帯に。その時は「ボケる前から首にぶら下げる事を習慣付けないと、ボケた時に家族から付けられても多分捨てる」と、事後では遅いと言う事を自ら自覚されていました。

80歳の頃には、持ち物・衣類の全てに名前を書き始め、緊急連絡先を記載した布を縫い付け、万が一の時に周囲に迷惑をかけないようにと徹底するようになったのだそうです。

そして82歳のとき、その時がやってきたのです。

Twitter@gomachan_ks

そこには認知症発症以降の日々が記載されていますが、居場所がわからない時はGPS機能が助けてくれ、そして何かを間違えていたとしても、そこには温かく見守る家族の姿がありました。

Twitter@gomachan_ks

Twitter@gomachan_ks

「一筋縄では行かない問題ですが、何かの参考になれば」とごまたんさんが紹介したお祖父さんの認知症準備と家族との日々の内容に、多くの人から反響が寄せらています。

認知症は年を重ねていけば誰もに現れる可能性がある症状。人生100年時代と言われるようになった今、認知症への理解、そしていつか来るかもしれないその症状への準備を本人自ら、そして家族も共にすることが、これからの時代に必要となってきます。一人一人性格が違うように認知症の症状もきっとそれぞれ違ってくることと思います。ごまたんさんのお祖父さんや家族の認知症との付き合い方が、大変な中にも愛とユーモアたっぷりで心にじんわりとその温かさが染みてきます。

認知症準備と聞くと、先が見えない不安を覚えますが、自分も周りも少しでも楽で、そして笑っていられるための準備として捉えたら、ごまたんさんのお祖父さんのように「満を持して」その時を迎えることができるのかもしれません。

以前紹介した認知症のお父さんが残したメモの記事もぜひご覧ください。

プレビュー画像:©︎Pinterest/山本幸子 

認知症に備えたある男性の”準備”が心を打つ