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エコフレンドリー

消費者のニーズと環境を配慮したノントレー包装

日々の食料品を買いに行くスーパーで見かける、肉や魚をパッケージするために使用される食品トレー。商品の見栄えをよくしたり、保護するために使用されるこのトレーがあるのが当たり前の光景になっています。

しかし、あるスーパーで見かけたのは、袋詰めにされて売られている鶏肉。

これは、関東地方で約120店舗のスーパーを展開する「サミット」の鶏肉コーナー。サミットでは、6割の店舗で鶏肉をトレーではなく袋詰めで販売しているのだそう。関東地方にお住まいの方は、見たことがあるという方もいるのではないでしょうか。

Twitter@zarigani03

肉や魚、または果物などの使われる食品トレー。見栄えや商品保護の観点から利用されるようになったトレーですが、便利な一方で家庭ごみが増える原因となったり、レジ袋有料化以降は、持参したエコバックの限られたスペースを取ってしまうなど、購入した後の扱いづらさに対する意見が多いのも確かです。また、自治体によりトレーの分別収集が様々違っており分かりにくさも扱いにくさに繋がっているようです。

そんな中、サミットでは消費者の声や環境配慮への観点から、食品トレーを削減する取り組みとして鶏肉を袋詰めで販売しているのだそう。実はこの取り組みが始まったのは、なんと約15年も前から。各地の自治体でゴミ袋の有料化が始まった頃から、消費者からゴミの量を減らしたいとの意見があり「ノントレー化」を実施するようになりました。

始めた当初は手作業での袋詰めをし作業効率が落ちていたそうですが、最近ではノントレー包装機の導入により作業効率の問題点は解消されたとのこと。しかし、機械導入のコストや、値札の貼りづらさというデメリットも残っているそうです。それでも、ゴミが少しでも減るのであれば、と消費者からのニーズと環境配慮の観点からサミットでは可能な限りノントレー化を進めおり、多くの人からも支持を得ているとのこと。

ちなみに、袋詰め販売されているのは現在は、鶏肉のみ。それ以外の薄切りの豚肉や切り落とし肉は、以前取り組んだそうですが、見栄えの悪さからあまり購入につながらず、作業性の悪さからトレーでの販売をしているそうです。

また、このようなノントレー化の取り組みをしているのはサミットだけではありません。サミットの他にも、関東圏ではオーケーストアが約10年前から、主に鶏肉、ひき肉、豚肉の切り落としをポリ袋や真空パックで販売しています。この他もに、全国展開している西友でも約10年ほど前から一部の肉を真空パックで販売しています。トレーやラップを使わないことは環境面への負荷を減らせるだけでなく、真空パックにすることで消費期限を伸ばすことにも繋がっているのだそう。

環境配慮型の食品包装については、それぞれ食品の特性や地域によってメリット、デメリットがあるのが確かです。しかし、多くの人が嵩張るトレーの不便さやゴミの量が増えてしまうことに問題意識を持っており、Twitter上では多くの賛成意見が見られました。

消費者のニーズだけでなく、環境に配慮した取り組みをする企業が増えていくのは、利用する側の意識変化にもつながっていきます。これからも地域や商品特性にあった環境配慮の取り組みが増えていくといいですね。

プレビュー画像:©︎Twitter/zarigani03

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