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喉に魚の骨が刺さった時の対処法

秋はサンマだけでなく、アジや秋鮭、サバやブリといった産卵のため栄養分を蓄えた脂のりのよい青魚がおいしい季節。しかし、魚を食べる時に注意したいのが、骨です。

刺さってしまうと喉に違和感を感じ気になる骨。ほとんどの場合は自浄作用により、喉の粘膜から押し出されて自然に抜けることが多いと言われています。

しかし、骨の刺さり具合によっては、食べ物を飲み込んだときに痛みを感じたり、太くてしっかりした骨の場合は出血をすることがあります。そんな時、とにかく早く取り除きたいと気持ちが焦ってしまい、やみくもに対処をしてしまいますが、間違った対処をしてしまうと危険を伴うことも。そこでこの記事では、魚の骨が喉に刺さった時の対処法についてご紹介します。

魚の骨が刺さった時の対処法

魚の骨は、自浄作用により粘膜から押し出せれて自然と抜けます。そのため、骨が喉に刺さったという場合は、そっと自然に抜けるのを待ちます。また、小さい骨であれば、水を飲んだり、うがいをすることで取れる可能性があります。


しかし、一晩経っても骨が抜けない、喉に違和感があるという場合は、耳鼻咽喉科や歯科などの医療機関を受診するようにします。骨が刺さったまま放置すると、傷口が炎症して腫れたり、化膿したりする恐れがあります。

注意:魚の骨は、自浄作用で押し出されることはありますが、口の中から出ている消化酵素の程度で溶けるということはありません。

ご飯を丸飲みはNG

魚の骨が刺さった時、昔から「ごはんを丸飲みすると骨が取れる」と言われてきましたが、実はこの方法はやってはいけない方法。

ご飯を噛まずに飲むことで、骨がもっと深く刺さってしまい、状態を悪化させてしまう危険があります。また、飲み込む力が弱い子供や高齢者に至っては、ご飯が喉に詰まってしまい窒息してしまったり、誤嚥性肺炎を起こす危険があるのです。

そしてもう一つ、ピンセットを使って取り除くという方法も、よく耳にする手段ですが、やらない方がいい方法です。ピンセットを使ってしまうと、口内の粘膜を傷つけてしまったり、余計に奥に骨を刺してしまう可能性が高いです。また、骨が取れたとしても、実は一部だけであり、残りの骨が刺さったままになってしまうこともあります。そうなると、医療機関を受診したとしても、治療が困難になると言われています。

どんな魚に気をつけるといいのか

魚の骨が喉に刺さってしまうことは正式には「魚骨異物」と呼ばれますが、東北大学大学院医学系研究科の香取幸夫教授のグループは2015年から2020年までに魚骨異物の疑いで受診した患者について調査を実施。魚の種類による骨の刺さり方や頻度についての特徴を明らかにしています。

その調査によると、骨が刺さった魚で最も多かったのはウナギの仲間(ウナギ、アナゴ、ハモ)となり、次に順にサバ、サーモン、アジ、カレイの仲間(カレイやヒラメ)となったそうです。

骨が刺さった患者で最も多かった年代は、0~4歳の乳幼児。骨が刺さった場所は、口蓋垂(喉仏)から舌の付け根の部分である、中咽頭領域が8割以上を占めたそうです。特に扁桃腺に刺さることが多いのだそう。

また、カレイやヒラメの骨は刺さると取れにくく、しかも下咽頭や食道に骨が刺さる割合が多いそうです。そうなると、自然に骨が抜けることが難しく、内視鏡下摘出術などの手術が必要となります。ウナギやサバといった魚は骨が刺さりやすく注意が必要ですが、同時にカレイやヒラメを食べる時にも、注意を払う必要がありそうです。

これから旬の魚が美味しい季節。魚を食べるときは、骨に十分に気をつけたいですね。

プレビュー画像:©︎Pinterest/hatenanews.com
出典:EPARK, アスレシピ