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ヘルスケア

早期発見につながる|自分でできる乳がんのセルフチェック 

今や、9人に1人が乳がんになると言われる現代。着替えの時や入浴時に、ふと自分で胸を触った時、しこりのようなものを見つけたら、ドキッとするものです。しこりの全てがガンとは限りませんが、特に乳がんでは早期発見が重要です。この記事では、乳がんのセルフチェック(自己触診)方法についてご紹介します。

乳がんの早期発見につながる自己触診

胸にできるしこりの多くは良性のものだと言われています。良性のしこりでよくあるのが、線維腺腫や乳腺のう胞です。そうはいっても、乳がんは早期発見であればあるほど、完治する可能性が高いと言われるため、定期的な自己触診で、乳がんの初期症状を見逃さないようにすることが大切です。

乳がんのセルフケアについて知りチェックを習慣化することで、多くの女性が乳房の小さな変化に気がつけるようになり、乳がんの早期発見につながったというケースも少なくありません。

日本では、40歳以上の女性に2年に1回、問診とマンモグラフィ検査(乳房エックス線検査)を推奨しています。しかし、乳がんの罹患率は30代後半から増加しはじめ、稀ですが20代でも乳がんにかかることがあります。そのため、どの年代でも月に1度のセルフチェックを習慣化することをおすすめします。

注意:自己触診はあくまで小さな変化を発見するためのものです。もし何か異常を感じる場合は、すぐに医療機関で精密検査を受けるようにしてください

Welche Handbewegung zum Brust abtasten ist richtig? Die Anleitung erklärt es.
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自己触診のタイミング

乳がんのセルフチェックには、女性ホルモンの関係などで最適な期間があります。まだ閉経をしていない女性の場合は、月経周期の終わりごろにはホルモンの影響により乳腺が腫れて硬くなることがあるため、生理の開始から5日〜7日後のチェックが最適なタイミングです。

自己触診の方法

自己触診をする場合は鏡の前で、かつ明るい場所で行います。触診をするときは、指で胸にさまざまな方向から圧力をかけて、皮膚のすぐ下の組織、また乳房の深い部分の組織まで確認をするようにします。

1. 胸の大きさの変化の確認

まず鏡の前に立ち、両腕をだらんとたらします。このとき、胸の大きさや形にの変化、また乳首の形が前回と変化がないか確認をします。乳房の大きさや形に目立った変化があった場合は注意が必要です。

Unterschiedlich große Brüste sind normal. Doch wenn sich Form und Größe ändern, kann das ein Hinweis auf Brustkrebs sein.
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2. 腕を動かす

次に鏡の前で両腕を上げたり下げたりさせ、胸を色々な角度から観察をし、腕の動きとともに両胸が同じように動くがどうかを確認します。このとき、乳房の表面の皮膚に不自然なくぼみや膨らみ、またひきつった場所、また湿疹などがないかしっかりと観察をします。

3. 触診

左腕を上げて後頭部に手をあてます。次に右手の人差し指と中指で左胸を触ります。この時に指の腹で圧迫しながら、外側から乳首に向かって螺旋状に円を描くように、指で胸を押していきます。次に上下左右の方向から胸を触っていきます。特に上部分が乳がんができやすいとされる場所のため、この部分は念入りにチェックをします。

同じ動きを右側の乳房でも繰り返します。

Brust abtasten: Einmal in konzentrischen Kreisen in Richtung Brustwarze. Dann noch einmal von oben nach unten und von links nach rechts.
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4. 脇の下

左腕を横方向にゆったりと伸ばします。右手の指で脇の下から胸に向かって軽くさすり、硬いしこりや腫れがないか確認をします。右の脇の下も同様にチェックをします。

5. 乳首

胸全体や脇の下に異常がないかどうか確認したら、次は乳首に赤みや変化がないか確認をします。親指と人差し指で乳首を軽く押し、血のような異常な液が出ないか調べます。

Tritt Flüssigkeit aus den Brustwarzen, sollte man zum Arzt gehen.
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6. 横になって触診

最後に、仰向けの状態で、3の触診方法を繰り返します。この時、乳房の下部分をよく調べるようにしてください。

もし、自己触診で以下のような状態が確認できた場合は、すぐに専門医に相談をするようにしてください。

  • 胸の形や大きさの目立った変化
  • 乳房表面のくぼみや膨らみ、皮膚のひきつり
  • 乳房や乳首のなかなか治らない赤みや湿疹
  • 硬くてデコボコしたしこり
  • 脇の下のしこりや腫れ
  • 乳首からの異常な分泌液

定期的なセルフチェックは乳がんの早期発見において大きな役割を果たします。また自己触診に加え、定期的な乳がん検診も忘れずに受けるようにしていきたいですね。

乳がん検診についてはこちらからご覧ください。また、自治体により検診の内容が異なる場合もあるため、詳細はお住まいの自治体に確認をするようにしてください。

以前紹介した以下の記事も併せてご覧下さい。

出典: krebsgesellschaft, leben-mit-brustkrebs
プレビュー画像: ©MediaPartisans