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Lifehacks

僧侶は人の悪口を言ってはいけない理由を説く 言葉を聞いた時 今までの悪口を思い出しゾッとした

子供の頃は、親や先生など、周囲にいる大人に毎日のように叱られてはいませんでしたか?

その時はうっとうしいと思っていたかもしれませんが、いざ歳をとってくると、周囲に叱ってくれる人がいなくなっていき、お説教を懐かしく思ったりし始めるもの。

そんな人たちに向けて、かどうかは分かりませんが、YouTube上で公開説教をする、とある和尚さんが話題を呼んでいます。その和尚さんの名前は、大愚(たいぐ)和尚です。

大愚和尚は、僧侶、事業家、作家・講演家、セラピスト、空手家と多くの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。

YouTubeでは、そんな大愚和尚が仏教の知識をベースに、一般の方々から寄せられるお悩みに「一問一答」形式で答えています。

今回紹介するテーマはズバリ…「なぜ人の悪口を言ってはいけないのか」。

 

相談者である60代の女性のお悩みはこうです。

「過去に人のことを悪く言ったことがあります。その人がいないところで、その人を知らない人に…」

そんな風に始まったこのお悩み相談。

聞くとその女性は、ある知人の男性の悪口を、真実であるかどうかを確かめずに、思ったままに他の人に言ってしまったそうです。その際、「もしかしたらこの話は広がるかもしれないな」という予感めいたものはあったそうですが…案の定、めぐりめぐって、その悪口は、男性の耳に届いてしまいました。

当然、怒り心頭の男性…相談者の女性に、絶縁を言い渡したそうです。さらには、「お前の泣きを見るのが俺の夢だ」という恐ろしい言葉まで言われてしまったんだとか。

相談者さんはこれを自業自得ととらえており、相手に謝りたくても、恐らく相手は聞きたくもないだろうと半ばあきらめています。

前に進んでいくために、自分のためにも相手のためにも、どんな風な心構えでこれから生きていったらいいのかアドバイスが欲しい…それが相談者さんからのお便りでした。

 

それに対し、大愚和尚はどんな答えを用意していたのでしょうか?

…実際に動画をご覧ください。

大愚和尚はまず、仏教における「懺悔」(さんげ)という言葉をキーワードとして挙げました。

懺悔というのは素直に悔い改めることを意味します。自分の過ちを素直に認めるのであれば、一番最初にすべきことはまずは反省、そして次に謝罪であると大愚和尚は言います。「けれどもこの相談者様は、果たしてそのステップを正しく踏んだのでしょうか?」と大愚和尚は疑問を投げかけます。

相談者さんのお便りからは、「相手に謝りたくても、聞きたくもないと思う」と自分の中で勝手に結論づけしてしまい、相手にまだ誠心誠意謝罪をしていないという印象を受けた、と語る大愚和尚。相談者さんが心のどこかで謝罪をしたくない、「こうなったのはしかたがない」と思う気持ちがわずかにあるのではないか?と鋭く指摘していきます。

このこじれた人間関係を改善する処方箋としては、やはり誠心誠意のこもった謝罪の他道はない。人間は動物と違い、良い選択を重ねていくことができる。一度、プライドやエゴを捨て、自分をさらけ出す勇気を持って、許してくれるかは分からないけれど、とにかく謝ってみることだ。

…そう大愚和尚は相談者さんにアドバイスを送りました。

YouTube/大愚和尚の一問一答/Osho Taigu’s Heart of Buddha

さらに大愚和尚は、視聴するYouTubeユーザーたちに、「決してこれを他人事だと思わないで欲しい」と忠告します。

動画内で大愚和尚は、「愛語」(あいご)という興味深い概念に触れています。これは道元禅師の言葉で、いつくしみの心を起こして、やさしくいたわりのある言葉をかけることであると言います。この愛語は、直接誰かから言われるよりも、まわりまわって聞く方が心に響くものです。しかし、この逆も然り…つまり、自分の悪口をめぐりめぐって人づてに聞いてしまうと、その分被る精神的なダメージはより大きくなり、恨みもまた何倍にも膨れ上がってしまうのです。これが、その人のいないところで悪口を言ってはいけない理由です。

同じく道元禅師の言葉で、「悪をつくりながら悪にあらずとおもひ…」というものも大愚和尚は紹介しています。これは前述の概念と少し似ていますが、良い行いをすれば良いことが、悪い行いをすれば悪いことが自分に返ってくるものなのだから、それをしっかりと意識して日々を生きていくことが大切であると説き、動画を締めくくりました。

「人の悪口を言ってはいけない」なんて、当たり前のことかもしれません。けれども、仏教の考え方をもとにして、僧侶の口からその理由を説明されると、その説得力は何倍にも増して腑に落ちたのではないでしょうか。自分のした行いは、めぐりめぐって自分に返ってきます。これからは、その人のいないところでこそ、「愛語」の言葉を語ってみてはいかがでしょうか。

大愚和尚の更なるありがたい説教を聞きたい方は、こちらでチャンネル登録してみてもいいかもしれません。