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Lifehacks

夏は特に気をつけて|虫を沸かせないお米の保管方法

気温と湿度が共に高い夏は、水回りや食品へカビが発生しやすくなったり、食中毒に気をつけなくてはいけない季節です。そしてカビや食中毒の他にも、特に夏場は取り扱いのに気をつけたいのが「お米」です。

お米は、一見保存食品のように思えますが、実は生鮮食品。スーパーの特売の時にまとめて買い置きいておいたり、ずっと早めに食べないでいると、酸化して味が落ちるだけでなく、ある場面に遭遇してしまうことになってしまいます。

それがお米に沸く虫

買ってきてキッチンの食品棚に保存して置いたお米を開けたら、何やら虫が居たなんて経験のある方もいるのではないでしょうか。高温多湿の夏は、お米に虫が沸いてしまいやすい時期です。保存法に気をつけることで、虫の発生を抑えるだけでなく、鮮度や美味しさを長く保つことができます。

夏場のお米の保存法

・冷蔵庫に入れる
お米に沸く虫は、よく知られているのが黒くて2~3.5mmの小さなコクゾウムシ。25~30℃の環境では特に活発に活動し、長い口でお米に穴をあけ、中に産卵します。産卵から1カ月後には成虫へと成長すると言われています。

またその他にも、1cmくらいで乳白色のノシメマダラメイガの幼虫が発生することがあります。米を取り出そうとしたら一部が塊になっていてびっくりした経験がある人も多いはず。それこそノシメマダラメイガの仕業で、幼虫がさなぎになろうとするときに、糸を出して米同士をくっつけているために起こる現象です。米が塊になっていたら、ノシメマダラメイガの成虫が米びつのなかのどこかにいる可能性が高いです。

これらの虫は15℃以下では発育・繁殖できないため、高温多湿な夏はお米は冷蔵庫の野菜室での保管がベストです。また、冷蔵庫に入れることで10℃以下の環境に保存すれば、酸化するスピードを半分近く遅らせることができ、常温より2倍おいしさを長持ちさせることができます。

・密閉容器やペットボトルに入れるとさらによし
小さな小袋で買ったお米をそのまま入れるのもいいですが、密閉容器やペットボトルに入れることで、外気を遮断することができ酸化を防ぐことができます。

密閉容器がない場合や場所がない場合はジップロックなどの袋で空気を抜いて入れるようにしてください。

また、この他にも市販の虫除け剤や米びつに唐辛子を入れておくという方法がありますが、夏場は特に虫が活発にならない温度で保管をするのがベストです。

お米に虫が沸いてしまった場合

安売りの時に買いだめしておいたお米を開けたら虫が沸いていた…そんな時はすぐに捨てなくてはいけない、という訳ではありません。大量に虫が発生していたという場合やお米の多くが黄色く変色していたという場合を除いては、以下のような対処法があります。

・天日干しする
沸いた虫がコクゾウムシであれば、お米を新聞紙などの上に広げ、天日干しをします。コクゾウムシは太陽光の光を嫌う性質があるため、30分~1時間程天日干しをすると虫が逃げ出していきます。

・冷凍庫で凍らす
冷凍庫に1、2日入れておくと虫を死滅させることができます。
あとは炊く前に良くすすいで浮かんだ異物(虫がいたお米)を取り除きます。

・ピンセットで取り除く
虫がわいてしまっても米は、問題なく食べることができます。A4かB4の用紙に米を広げ、目視で確認できる虫たちを取り除きます。

・米をとぐ前に水につけておく
お米をとぐ前に5~10分程水につけておくと虫や、虫が食べてスカスカになってしまった米粒が浮いてくるので、それらを取り除きます。

注意:アレルギーなどが心配な場合には食べないようにしてください。

虫の侵入経路

高温多湿な状況下で発生しやすい虫は、どのようにお米の袋に入ってくるのでしょうか。それは様々で、お米の収穫前にすでに卵を産み付けられている場合や、収穫後の乾燥、精米時の過程中、精米後の保管中など様々な理由で侵入する可能性が考えられます。

以前国民生活センターに「米を購入後、しばらくして食べようと袋の中を見たら、虫がわいていたため返品・交換をしたい」との相談が寄せられた際に、国民生活センターは、昨今は異物混入で問題になることを嫌う販売店の方針や、洗浄や精米といった技術や流通の進歩により、生鮮食品に害虫がついていることは少なくなった、としつつも、「高温多湿の日本で、数ヶ月もお米を放置していれば、コクゾウムシの発生は当然予想すべき事象」だと見解を示すとともに、生産者や卸業者、販売業者だけでなく、最終的に手にする消費者も知識を持ち正しく食品を取り扱うようにすることが大切と説明をしています。

その漢字からお米づくりは「八十八」(88)の工程から成ると言われるほど、農家さんが多くの手間をかけて作っている作物。消費する私たちも、正しい知識をつけてお米を無駄にすることなく、美味しく大切にいただいていきたいですね。

プレビュー画像:©︎Twitter/_Sora_sino_Elan