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お釈迦様から生き方のヒントを学べば悪口も簡単に聞き流せるようになる
お釈迦様。
日本人にとっては非常に馴染み深い、仏教の開祖ですよね。悟りを開いたことで知られるお釈迦様は、実にさまざまな呼び名で呼ばれています。生まれた時の名はゴータマ・シッダールタと言いました。
そんなお釈迦様は、苛烈な修行の日々を超えた先についに悟りを開き、仏教の教えを人々に説き続けたと言われています。
その過程は、キアヌ・リーブス主演の映画「リトル・ブッダ」(イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督)でも描かれています。
悟りを開くために過酷な修行を積んだお釈迦様…きっと常人離れした精神の持ち主で、私たちの考えもつかない、はるか高い視座で物事を捉えていたに違いない…そう多くの人が思っているのではないでしょうか。
それはある意味で正しいのですが、しかし、お釈迦様が説いた言葉の中には、私たちが日常生活を送る上ですぐに役に立ちそうなヒントも数多く含まれています。
今回紹介するのは、お釈迦様が理不尽な悪口を浴びせかけられた時の、語り継がれる有名なエピソードです。読んだ後きっとみなさんは、より高い視座から、物事を捉えるようになっているかもしれません。
あるところに、お釈迦様が多くの人から尊敬を集めていることが気に食わない男がいました。
そこで男は、お釈迦様の散歩の道中に先回りして、公衆の面前で、お釈迦様をののしってやろうと思いました。
そうすればきっと、お釈迦様が顔面を真っ赤にしてののしり返してくるだろうと考えたのです。そんなお釈迦様の姿を見れば、きっと人々はお釈迦様に失望して、人気は地に落ちるだろう…
男はお釈迦様の人望が失墜するところを想像して、ほくそ笑んでいました。
そしてついに、その日がやってきました。
弟子たちを連れ、道を行くお釈迦様。
男はそんなお釈迦様の前に立ちはだかって、これ以上考えられないくらいの汚い言葉で、お釈迦様をののしったのです!
お釈迦様は、ただただ黙って、静かに、男の言葉を聞いていました。
それを近くで聞いていた弟子たちは、いても立ってもいられず、お釈迦様にこう尋ねました。
「どうしてただ黙って聞いていらっしゃるのですか?こんなことを言われて悔しくないのですか?」
それでもなお、お釈迦様は、一言も言い返すことなく、黙って、男の話を聞いていました。
どれだけの罵声を浴びせかけても、お釈迦様があまりにも静かなので、男は次第に手応えがなくなっていき、ヘトヘトとその場にしゃがみ込んでしまいました。
その姿を見て、お釈迦様は、静かにその男に尋ねます。
「もし誰かが他の人に贈り物をしようとして、その相手が受け取らなかったとき、その贈り物は一体誰のものだろうか」
こう聞かれた男は、キョトンとしてこう答えます。
「言うまでもないだろう。相手が受け取らないのであれば、その贈り物は、当然贈ろうとした者のものだ。どうしてそんなバカな質問を…」
言いかけた男、何かに気づき、「アッ!」と声をあげます。
「その通り」お釈迦様は言いました。
「私はあなたからの悪口を一切受け取らなかった。だから、その悪口は、そのままあなたのものになるのです」
いかがでしたか?
生きていく上で、私たちは、理不尽なことや、言われのない悪口を言われてしまうこともあります。それは避けることのできないものです。
しかし、そんな時に、過度に反応してはいけません。このお釈迦様のエピソードを思い出しましょう。あなたが冷静に、海のように穏やかな心でやり過ごせば、相手はどうしようもなくなって退散していくに違いありません。
2500年前に生きたお釈迦様。しかしその教えやエピソードの中には、現代を生きていくためのヒントがたくさん詰まっているのです。
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