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低用量ピルを服用するときの注意事項
女性の皆さん、低用量ピルを服用したことがありますか?
世界ではコンドームの次に多く使われている避妊法は低用量ピル(経口避妊薬)ですが、日本では使用率は2〜3%程度とほとんど使用されていません。
ピルは女性主体となる避妊薬で、望まない妊娠を防ぐことができます。また、避妊以外にも肌荒れやホルモンバランスの乱れを改善することもできる薬です。
1960年代後半に避妊用ピルが市場に登場したことは、女性に力を与える重要な一歩となりました。その後、婦人科医は避妊のためだけでなく、たとえば、ホルモンの病気などにもピルを処方するようになりました。
この記事では、ピルを服用するうえで理解しておくべき情報をご紹介します。
ピルの服用方法
最も一般的なピルの製剤は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲスチンの組み合わせでできており、28日型と21日型があります。28日型は、1シート28錠で、順番に毎日1錠を飲みます。最初の21錠が実薬(成分入り)の錠剤で、最後の7錠はプラセボ(成分なし)です。21日型は実薬だけを21日間飲み、自分で7日間の休薬期間をとります。いずれも、この7日の期間に生理が来ます。
ピル服用のメリット
1. 生理のコントロール
毎月の生理の出血が多い人や生理痛が重い人は、ピル服用で生理が軽くなり、生理に伴う不快な症状を改善することができます。また、旅行などのイベントがあるときに生理日をずらすためにピルを用いることができます。
2. 子宮内膜症の緩和
長期的な服用で子宮内膜症の進行を抑えることができます。他にも嚢胞や子宮筋腫は継続的にピルを使用することで予防できることが研究により示されています。
3. 避妊
ピルは飲み忘れがなければ、避妊効果は99%以上。毎日必ず飲み続けることで、ホルモン濃度が一定に保たれ、より持続的に排卵を抑制するため、避妊効果が高まります。
4. コスト削減
出血や痛みが少なくなれば、生理用品や鎮痛剤の使用量が少なくて済み、コスト削減にもつながります。これはあまり重要なポイントではないかもしれませんが、嬉しい副次的効果です。
リスクと副作用
以前はピルを長期的に服用することは推奨されていませんでしたが、2019年からは長期使用が推奨されるようになりました。また、ピルの服用で卵巣を休ませても、将来の妊娠の可能性には影響を及ぼさないと言われています。
しかし、ピルを服用することで起こりうる副作用もあります。不正出血や点状出血、疲労感、吐き気、頭痛など、特に飲み始めの頃は注意が必要です。まれに、血栓症が発生することがあるため、血栓症のリスクのある人は注意が必要です。ですから、ピルを服用するかどうかは各人が医師と相談したうえで、個別に決定する必要があります。また、服用を開始してしばらくの間は異常がないことを病院で確認することも大切です。
ピルには避妊以外にもメリットが多いことは意外に知られていません。ピルを飲んでみたいけど、不安という方は産婦人科で相談してみましょう。
出典: mylife , praxistipps.focus , apotheken-umschau
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