ちえとくをフォローする

その他の豆知識

着想が意外な発明品5選

私たちが日常的に使用している道具や、世界的な大ヒット商品の中には、意外なものから着想を得たものが数多くあります。

今回紹介するのは、そんな意外なものからインスピレーションを得たもの5選です。



カッターナイフ

私たちの生活にもはや欠かせないカッターナイフ。切れ味が悪くなると、ポキンと折ればまた鋭い切れ味にして使うことができるのも便利ですよね。

この便利なカッターナイフですが、実は日本生まれだって知ってましたか?カッターナイフメーカー「オルファ」の創始者である岡田良男さんが考え出したものなのです。当時、紙を切るのに主に使われていたのは、両刃のカミソリでした。これは危ない上に、切れ味が悪くなると捨てるしかなく、大変不便でした。

何とか便利にする方法はないかと考えていた岡田さん。そんな時、あるお菓子を見て、画期的なアイデアを思いつくのです。それは、板チョコレート。

板チョコレートのように刃にあらかじめ折り筋を入れておけば良いのでは?その発想のもと開発されたのが、私たちがよく知る、刃を折っていくタイプのカッターナイフだったのです。



マジックテープ

スイスの技師、ジョルジュ・デ・メストラルはその日、愛犬と狩りに出かけていました。すると、たくさんの野生のゴボウの実が自分の服や愛犬の体にくっついて離れなくなってしまったのです。おそらく多くの人が、こんな体験があるのではないでしょうか。

ジョルジュはとても腹が立ちましたが、ふと考えてみたのです。

「これを利用して、再利用可能な接着剤が作れないだろうか…?」

ジョルジュが顕微鏡でイガをのぞいてみると、イガはいくつもの細かいフックでできているということが分かりました。これを応用してジョルジュが作り出したのが、マジックテープなのです。



ポケモン

世界を巻き込む一大ムーブメントを巻き起こしたゲームのポケモン。何となく、空想上のモンスターを捕獲して闘わせる、ファンタジー色溢れるものだと思っている人も多いかもしれません。けれども、その面白さは実は現実に根ざしているのです。

ポケモンの生みの親である田尻智さんは、少年時代は自然豊かな郊外で過ごし、昆虫などの生き物が大好きな、虫取り少年でした。クラスでは一番の昆虫博士だったようです。

しかし大人になっていく過程の中で、徐々に街は都市化の波が押し寄せ、大好きだった自然の遊び場も徐々に失われていきました。そんな中、地元にできたゲームセンターでたまたま触れた「スペースインベーダー」をプレイしたことをきっかけに、ゲーム制作に興味を持ち始めます。

成人し、ゲームクリエイターとなった田尻さん。願うことは一つだけでした。少年の頃の虫取りの記憶を、自然の遊び場を奪われて、家の中で遊ぶようになった子供たちにも分けてあげたい。

そんな思いから産声をあげたのが「ポケットモンスター」。その原型になったのは、田尻少年の虫取りの原体験だったんですね。



ポストイット

失敗は成功の母、なんて言葉がありますが…そのあまりの便利さで世界の人々を虜にする(?)付箋のポストイット。ペタペタといろんなところにアイデアを貼っておくことができて、コミュニケーションにも役立ちます。しかしこれ、実は大きな失敗から生まれたものだったんです。

時は1969年。アメリカの化学メーカー3Mの研究員は、強力な接着剤を開発するために、日夜研究に取り組んでいました。しかし失敗し、結局は粘着力の非常に弱い粘着剤しか作り出すことができませんでした。

「粘着力の弱い接着剤なんて、何の役にも立たない」…そう思って落胆した研究員。

しかしその5年後。3Mの別の研究員は、いつものように教会で讃美歌を歌おうとしたところ、ページにはさんであったしおりがひらりと滑り落ちてしまい、苛立ちを覚えました。「弱い粘着力で、ページにくっついてくれるしおりがあったらいいのに…」そう思い、ふと、5年前に同僚が作ったある発明品を思い出したのです。

そう、それは「粘着力の弱い接着剤」。

「そうだ!これにあの粘着剤を使えばいいんだ」…そのアイデアをもとに生まれたのが世界的な大ヒット商品、ポストイット。失敗に終わったはずの研究でしたが、別の人の着想によって、再び息を吹き返したのです。



ポッキー

もはや日本を代表する国民的なお菓子と呼んでもいいポッキー。ちなみに海外でも「ミカド」という呼び名で親しまれています。

大人気の秘訣は何と言っても、その食べやすさではないでしょうか?下の部分だけチョコレートコーティングが施されておらず、そこを持ち手にすれば、手にチョコがつかないで手軽に食べることができますよね。

実はそれこそが、ポッキー開発の最大の工夫だったのです。「どうにかして、手を汚さないで食べられるチョコレートのお菓子を作れないだろうか」と苦心していた開発者たち。そんな時、ある食べ物を見て、「これだ!」とひらめいたのです。

それは、なんと串カツ。カツが串に刺さっていることで、串を持ち手にして、手を油で汚さずに食べることができる…そのコンセプトを応用して、下の部分にあえてチョコレートコーティングを施さない、ポッキーの形が生まれたのです。



いかがでしたか?

このような世界的な大ヒット商品などは実際に日常に潜む様々なものから着想を得て作られているのです。

「アイデアは日常に潜んでいる」…そんな言葉が、今なら信じられるという気がしますね。

プレビュー画像: ©Twitter/MitsuhideMiyabi