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産婦人科医に「指輪を外して」と言われた妊婦 そのワケを聞いて背筋が凍った
産婦人科医の太田寛さん(@syutoken_sanka)が2012年にTwitterでつぶやいた言葉が、最近再び拡散されて話題を呼んでいます。それは「妊婦になったら、指輪を外してもらいたい」の一文からはじまる投稿で、その中で太田さんは妊婦にとっての指輪の危険性を訴えています。それでは、まずこちらの投稿をご覧ください。
妊婦になったら、指輪を外してもらいたい。妊婦はむくむものだし、もし緊急手術などでむくみがさらにひどくなったら、指の鬱血を避けるために指輪を切断する可能性あり。また、病院側が気づかずに手術中に電気メス使って指輪から放電したら、指が大火傷になって最悪だと指切断とかあるかも
— 産婦人科医 (@syutoken_sanka) 2012年6月13日
妊娠と指輪と聞いてピンと来る人は、そう多くないはず。ましてや電気メスによる放電から大火傷になり、最悪指を切断する可能性があるなんて…。ここからは、太田さんのツイートの内容を詳しく説明していきます。
むくみ・鬱血
むくみは妊娠中に起こりやすい症状のひとつです。これは出産時の出血に備えて体の血液の量が1.4倍に増えたり、血管から血液がしみ出しやすくなるのが原因で、女性の体は妊娠を前に大きく変化を遂げます。特に妊娠の後半にかけて手足がむくむ妊婦が多く、指輪を抜かずにそのまま放置していると、自分では抜けないほどに指がむくみ、結果大切な結婚指輪を切断しなければならない事態に発展することさえあるのです。
また妊婦に限らず手術中・手術後には人の体はある程度むくむため、手術室に入る前には指輪を外すことが原則。妊娠中は様々な理由から緊急手術になる可能性が高く、仮に手がむくんでしまって指輪が外せないとなると、一刻を争う手術が遅れてしまう!なんてことにもなりかねないのです。
感電の危険
手術中に指輪を外すことが義務づけられているのには、もうひとつ理由があります。それはズバリ、電気メスです。電気メスは手術時の切開や処置の際の出血を止めるために使用する医療機器です。
しかし、この電気メスが思わぬ形で感電を招いてしまう危険があります。電流を通すには、電流の抜け道(アース)が必要です。そのため手術中は、太ももなど体に対極板と呼ばれるものを貼り、そこから電力が抜ける仕組みになっています。
しかし万が一、この対極板が外れたりズレたりすると、そこから電気が放出されなくなり、電気が通りやすい他の部位から放電することがあるのです。金属製の指輪の周りが水で濡れていたりすると、その箇所から放電が起こり、場合によっては指輪の部分に大火傷をしてしまい、最悪の場合、指を切断しなければならないことにも…。
これらの理由から産婦人科医の太田さんは、妊娠したらすぐに指輪を外すことを強く推奨しています。たしかに手術直前に「むくみがひどくて外せない」となっても、時すでに遅しですよね。太田さんのツイートはすでに2万8千件以上リツイートされ、3万件を超える「いいね」がついて話題となっています。
さらに、太田さんの投稿には「いっそ、お祝いを兼ねて、妊娠が判ったら、リングをペンダントにするためのチェーンを送ると言う習慣を作るのは如何でしょう?」、「術後のむくみが酷くてもし外さなかったら…と思うと恐ろしいです」といったコメントが多数寄せられています。
いっそ、お祝いを兼ねて、妊娠が判ったら、リングをペンダントにするためのチェーンを送ると言う習慣を作るのは如何でしょう?
— 冷華(REIKA) (@reika0827) 2018年7月3日
私も緊急で帝王切開になった時看護師さんに外すように言われました。
術後のむくみが酷くてもし外さなかったら…と思うと恐ろしいです(ºωº)— そうすけ@クリスナー(`RωO´) (@kurotasousuke) 2018年7月1日
大事な指輪を手術前の慌ただしいときに切断しなくてもすむように、妊婦の方は指輪を外しておきましょう。ちなみに手がむくみすぎて指輪が外せない場合、消防署に行くと専用の機械で指輪を切断してもらえるそうです。
プレビュー画像: / © Facebook/ 奥田登紀子