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Lifehacks

ひょんな偶然から再びお目見えすることになった、先史時代の発見10選

生命の謎や人類の歴史を紐解く上で重要な遺跡群は、全く予期しない形で見つかるということも少なくないようです。そんな発見はアメリカ大陸、医学ではペニシリン、考古学上ではローマの都市ポンペイなど形は様々です。

これからご紹介する10の有史以前の驚異の発見も、ひょんなことから再びお目見えすることになったものばかりです。

1. ラスコー洞窟の壁画

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フランス西南部ドルドーニュ県、モンティニャック村の南東の丘の上に位置する洞窟は、紀元前1万5千年から1万7千年前に描かれたと推測される壁画で有名です。この太古の昔のヒトの行動を後世に伝える重要な美術作品は、1940年、愛犬を探して森に入った4人の少年たちによって偶然発見されました。倒れた松の木に覆われた地面が陥落していることに気づき、掘りすすめると、そこには壁一面に動物などの絵が描かれた洞窟が広がっていたのです。

2. 夏王朝の戦車と馬

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中国河南省で発見された、紀元前1800年から紀元前1500年頃のものと考えられる戦車と馬の遺跡。おそらく夏王朝時代のものと推測されています。

3. トゥルネーのキルデリク1世

Wikipedia/CHILDERICI REGIS.jpg/Unbekannt

5世紀に現在のフランスとドイツの領土の基礎を築いた、フランク人クローヴィス王の父であるキルデリク1世の印象つき指輪。1653年に現在のベルギー・トゥルネー地域の建設作業員が偶然キルデリク1世の墓を発見しました。そこから出土したこの指輪によって、キルデリク1世は実在した最初のメロヴィング朝の王となりました。

4. トルコ・カッパドキアのデリンクユ地下都市

Wikipedia/Derinkuyu Underground City 9843 Nevit Enhancer.jpg/Nevit Dilmen/CC BY-SA 3.0

トルコ中央部カッパドキアのにあるデリンクユ地下都市は、深さ60m、約1万人が生活していたとされる謎の地下都市です。複数階に別れており、教会、教会の大食堂、ワイナリーやオリーブオイルの圧搾所、馬小屋、倉庫などの痕跡が見つかっています。

この地下都市は、1963年にある男性が家の壁を打ち壊した際、壁の奥に不思議な部屋が隠されていたのを発見したことがきっかけで見つかったそうです。この男性の家の壁裏の部屋こそ地下都市へ通じる秘密の通路のひとつでした。

5. アイスマン(エッツィ)

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イタリアとオーストリア国境の氷河で見つかった約5300年前の男性のミイラは、アイスマンまたはエッツィと呼ばれ、世界的に有名です。アイスマンは1991年、ドイツ人ハイカー2名によって発見され、当時は遭難者の遺体として処理されていました。ところが、このミイラの周囲から見つかった品々が現代では見慣れないものだったため、考古学者が調査を開始すると、5000年以上前に亡くなった人物だったということがわかったのです。1991年の夏は以上に暑く、遺体の上を覆っていた氷が溶けたため発見されたと考えられています。

6. 英国南部のローマの荘園

Wikipedia/Mosaico Camino de Albalate II.jpg/José Antonio Bielsa Arbiol/CC BY-SA 3.0

英国南部ウィルトシャーに住む男性は、子どもたちが卓球をしたいというので敷地内の小屋に電気をつけてあげようと庭に電線を敷いていました。すると、「驚くほど保存状態の良い」ほぼ無傷のモザイク画を発見。考古学者の調査によって、1400年前に作られたローマ人の荘園の一部であることがわかりました。

7. ガリラヤ湖のボート

Wikipedia/JesusBoat.jpg/Travellers & Tinkers/CC BY-SA 4.0

1986年に2人の漁師がイスラエル北のガリラヤ湖で発見したこの小舟は、通称「イエスの小舟」と呼ばれています。ガリラヤ湖はイエス・キリストゆかりの地として度々聖書にも登場しますが、この小舟が建造されたのは、ちょうどイエスが生きていた頃と一致するそうです。

8. ホモ・フローレシエンシス

Wikipedia/Specimen LB1.jpg/Ray from Queens, USA/CC BY-SA 2.0

2003年9月、考古学調査グループがインドネシアのフローレス島で偶然発見した少なくとも5万年前に生息していたと推測される小型のヒト属の化石。調査グループは当初、ホモ・サピエンスと同時代に生きていたホモ・エレクトゥスの化石を探していましたが、偶然新しいヒト属の化石に巡り合ったのです。

9. グラウベールマン

Wikimedia/Grauballe Man, Moesgaard Museum 1.jpg/User:Colin / Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0

1952年、デンマーク人の泥炭採掘作業員の1人が泥の中に頭部を発見、すぐに考古学者が調査をすると紀元前3世紀頃の人物だということが判明しました。死因は他殺ということもわかりましたが、遺体は泥炭の中で非常に良い保存状態を保っており、近年殺害された遺体にしか見えなかったそうです。

10. ミシガン・チェルシーのマンモス

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2015年9月、アメリカ・ミシガン州チェルシー近郊で、大豆畑の水はけを良くしようと深い穴を掘っていた男性たちが、約1万2千年前に生息していたケナガマンモスのほぼ完全な骨格を掘り当てました。

気象条件やタイミングなど様々な要素が重なり合い、何千年もの時を経て再び地上に現れることになった遺跡たち。いつ遭遇するかわかりませんね。古い倉庫や家を改装したら何か出てくるかも!

プレビュー画像:©︎Pinterest/dailymail.co.uk