Lifehacks
普段は醤油入れのこの容器 中身を聞いたら思わずエッと声をあげる
コロナウイルスの感染が拡大する中、生活の中で欠かせなくなったのが「マスク」と「消毒液」。特に消毒液は、家のドアノブや電気スイッチの除菌、買い物に出かけた時の手や買い物カートの除菌などに欠かせません。
そんな中、あるアイデアが話題となっています。それが、お寿司やお弁当などを購入した際に付いてくる魚の形をした携帯醤油さしに消毒液を入れるというアイデア。
普段は捨ててしまう魚の醤油入れを再利用できること、そして何より、小さな携帯用の消毒液の購入ができず大きいボトルしかない時など、消毒液を携帯しづらい時にはとても便利です。
新型コロナウイルス感染症により消毒液が不足し、必要な人に流通していない現状から消毒液を多くの人に届けたいという思いと、イベント等の中止により弁当需要が激減し、窮地に陥っていた容器メーカーの救済をしたいという思いから生まれたアイデアです。
そして、この日本人なら誰もが慣れ親しんだ醤油さしを、コロナ禍でテイクアウトなどのお弁当商品を売り出す飲食店の方々に配布し使ってもらうことで、消費者がより清潔な状態で食事が取れることを目的にしています。
企業救済や衛生面を考慮したこのアイデアは賞賛される一方で、実はある問題点が。
映像作家として活動する寺島圭佑さん(@kskee)さんのツイートではその問題点を指摘しています。
魚の醤油さしの件、物には形の意味があって、醤油を魚料理に使用するから『魚の形』なんですよ。他にもシャンプーの容器は横に溝がついていて触っただけでわかるようになってる。仮に目の不自由な人があの除菌液入り醤油サシもったら確実に食べ物にかけてしまうでしょうね、、#SafeHandFish pic.twitter.com/5IK98yOUkt
— Keisuke Terashima #KeepDistanceRuler (@kskee) April 21, 2020
「魚の醤油さしの件、物には形の意味があって、醤油を魚料理に使用するから『魚の形』なんですよ。他にもシャンプーの容器は横に溝がついていて触っただけでわかるようになってる。仮に目の不自由な人があの除菌液入り醤油サシもったら確実に食べ物にかけてしまうでしょうね」
この一言、ハッとした方が多いと思います。私たちの頭の中に当然のように刷り込まれている「魚の形の醤油さし=醤油」。
このため、見ただけで自動的に醤油と理解、または何かのタレが入っていると無意識に理解しています。
目の不自由な人にとって、指先は「目」そのもの。指先で触って確かめること、また想像することで彼らはその世界を広げています。醤油さしの形もそんな彼らにとっては、それが何かを示す大切な情報源だったのです。
ここでは魚の醤油さしを携帯消毒液入れにするアイデアが悪いと言っているわけではありません。自宅で消毒液だと自覚して携帯用に入れ替えるのであれば、それば素晴らしい便利なアイデアです。
また、容器が余って困ってしまったメーカーを救済したい、お弁当を食べる人が安全に食べれますようにと込めた願い、それも全てこのコロナ危機で「何かできることはないか」と考えた結果です。
魚の醤油さしで代用した携帯消毒液は、安全面を考慮してその違いがわかるようキャップは青色に、そしてそれが消毒液だとわかるようなパッケージにもなっています。
ただ、そうは言っても間違いが起こらないとは限りません。目の不自由な方以外でも小さなお子さんなどは判断ができない可能性が高いです。その危険性がある、と言うことを理解し注意をして欲しいのです。
そして、この「魚の醤油さしに消毒液を入れる」というアイデアは、私たちに「誰かにとっていいアイデアが、必ずしも他の誰かにとって最善なものであるとは限らない」ということに気付かさせてくれたのではないでしょうか。物事を多方面から見ること、想像力を持つことの大切さを気づかさせてくれるいい例だったと言えます。
自分とは違う境遇の人の意見へも耳を傾けることで、より互いを理解しあえる社会にしていきたいものです。
プレビュー画像:©︎Facebook/パンフレット – Japan Brochure
