ちえとくをフォローする

Lifehacks

一般人は絶対に行けない世界の9スポット

氷の大地の地下深くに造られたシェルターや、誰も足を踏み入れることを許されていない禁じられた島など、世界には政府や私営団体などによって一般人が立ち入りを禁じられた場所が数多く存在します。世界には一体どんな「一般人お断り」のスポットがあるのか、なかでも選りすぐりの9カ所をご紹介します。

1.シーランド公国

シーランドと名づけられた自称「公国」は、国家とはなにかを問う重要なケーススタディとされてきました。北海に浮ぶ無人化したマンセル要塞と呼ばれる海上の「城」。第二次世界大戦中にドイツ軍の侵攻を食い止めるため、イギリス軍によって建造されたものです。元イギリス陸軍少佐のパディ・ロイ・ベーツが、1967年にこの要塞を占拠し「公国」として独立を宣言したのです。

2012年に亡くなるまで自称・シーランド公は「世界最小の国家」が他国から承認されることを望んで止みませんでした。イギリス政府と裁判で争ったり、公国を守るためには武力も辞さないなど、その姿勢は一貫としていました。シーランド公国民は彼の家族と友人が大半を占め、多い時でも10人を超えることはなかったそうです。

sealand-sky-2

1975年、ドイツ人投資家のアレクサンダー・ゴットフリート・アッヘンバッハは友人数人と共にシーランド公国に帰化します。それから3年後の1978年、ベーツと彼の妻が出張で公国を去った隙を見て、アッヘンバッハはシーランド公国の乗っ取りを目的としたクーデターを画策、ベーツの息子を人質にとります。これを見たベーツ公は元軍人の人脈を生かし、武装した同志を引き連れ、ヘリコプターによる公国奪還作戦を実行し、見事シーランド公国に無血入城を果たします。それから数週間後、ドイツ政府外交官とベーツ公の交渉の末、アッヘンバッハの身柄は無事ドイツに引き渡されました。

シーランド公国には憲法、国歌ならびに国旗が存在し、国際競技会などでシーランド公国を代表するスポーツ選手までいたほどです。しかしベーツ公とその家族は1999年、公国を後にしました。2018年現在、ひとりの警備員がこの要塞の警備をしているそうです。

sealand-again

2. スヴァールバル世界種子貯蔵庫

北極のスヴァールバル諸島に2008年完成した「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」は、スピッツベルゲン島にある地球上の種子を冷凍保存する世界最大の施設です。貯蔵された農作物の種子の数は450万を超えます。一種類の種子につき500粒の種が保存されているのも特徴です。施設は核戦争や気候変動などに備えて米、とうもろこし、麦、ジャガイモ、果物、ナッツや根野菜などの農作物種の絶滅を防ぐとともに、栽培栽培再開のための供給を目的としています。

2015年にシリアで起こった内戦を機に、初めて世界種子貯蔵庫に種子提供の要請がありました。現在この貯蔵庫では温暖化によって、永久凍土が溶けて水が施設内に入り込み、建築構造に損害を与えかねない深刻な事態となっています。永久凍土層によって、万が一冷却装置が故障した場合にも低温を維持できる設計でしたが、温暖化は北極のスヴァルバール諸島にも影を落としています。

wikimedia/Miksu/CC BY-SA 3.0

3. アメリカ合衆国連邦刑務所・ADXフローレンス

アメリカ・コロラド州にある刑務所ADXフローレンスは「ロッキー山脈のアルカトラズ」の異名をもっており、アメリカで最高警備レベルの刑務所と言われています。囚人は1日のうち23時間を独房で過ごし、他の囚人との接触は一切禁止されています。独房の中の設備(机、椅子、ベッド)はコンクリートでできており、固定されて動かすことはできません。鏡だけがステンレススチールを磨いたものでできています。

この刑務所は1994年から運用が開始され、現在410人が収容されています。囚人の多くはマフィアやギャングのボス、二重スパイやテロリストなどで、2013年のボストンマラソン爆弾テロ事件の犯人もここに収監されています。

wikimedia/Federal Bureau of Prisons/Public Domain

4. グラナイト・マウンテン記録保管庫

アメリカ・ユタ州の州都ソルトレイクシティからさほど遠くない岩山の地下200メートルに建設されたグラナイト・マウンテン記録保管庫には、35億点を超える家系情報が収蔵されています。それぞれ高さと幅が25m、全長190mの6つの保管庫は、重さ14tの扉によって守られています。この保管庫の中には240万巻を超えるマイクロフィルム及び100万枚を超えるマイクロフィッシュに収められた家系図や家族史に関わる情報が保存されています。庫内の環境は資料にとって最適な状態に常に保たれ、核爆発をも耐えうる構造になっているそうです。

末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)によって1894年に創設された家族史センター(Family History Center)が、この施設の管理・運営にあたっています。その目的は過去にモルモン教徒ではなかった祖先に洗礼を施すためと言われています。

5. メンウィズ・ヒル

1954年にイギリス北部ノース・ヨークシャーに建造されたイギリス空軍基地メンウィズ・ヒルは、冷戦中王立空軍のみならずアメリカ軍のソ連に対する盗聴・通信傍受施設として利用されていました。

公式には認められていませんが、現在メンウィズ・ヒルにはエシュロンと呼ばれる軍事目的の通信傍受システムが設置されていると言われています。この傍受システムはアメリカとその同盟国イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの諜報・秘密情報局によって運営され、私的または商業通信の傍受を目的としています。

RAF Menwith Hill

6. ピオネン・ホワイトマウンテン・データセンター

ストックホルムの地下30mにあり、幅が40cmもある頑丈な防御扉を通らないと入ることのできない昔の核シェルターで働いてみたいと思いますか?スウェーデンのインターネットサービスプロバイダー・バーンホフ(Bahnhof AB)で働く従業員にとっては日常的な光景です。バーンホフは2008年からここに自社最大のデータセンターを構えています。あの有名なウィキリークス(WikiLeaks)もバーンホフのサーバーを利用しています。

従業員のモチベーション向上のため、核シェルターの内装をSF映画に出てくるようなデザインに改修。まるでジェームス・ボンドの悪役が潜む地下の秘密基地のようです。内部には人口の滝や巨大水槽、温室などが完備されています。

7. グリーンブライヤー・リゾート

1913年に完成したグリーンブライヤー・リゾートはアメリカ・ウェストバージニア州にある、世界で最も安全な高級ホテルです。完成から200年の間に26人の歴代アメリカ合衆国大統領を迎え、また多数の外賓がこのホテルを訪れました。

このホテルには最新の医療機器が完備された病院が併設されており、1962年からは訪れる高名なゲストを核攻撃から守るための地下シェルターが設けられています。シェルターの広さはおよそ3200㎡もあり、1000人以上が滞在可能で手術室やTV放送室も完備。1992年に当時国家機密だったシェルターのの全貌が公になり、現在は一般客もシェルター見学に訪れることが可能です。

8. バチカン秘密文書館

ミステリー小説「ダ・ヴィンチ・コード」などの影響もあり、バチカン市国にある秘密文書館には一体どんな機密文書が隠されているのか、様々な憶測が飛び交っています。でも、実はこの秘密文書館はそれほど秘密ではありません。名前にある「秘密」の元になったラテン語の単語「Secretum」には「個人的な、プライベートな」という意味もあり、教皇の個人的財産であることを指名しているのです。

すでに17世紀前半から、研究家は事前に申し込みをすればこの文書館の資料の閲覧を許されました。19世紀末からは徐々に資料が一般公開されるようになっています。文書館の棚の総延長は85kmにもなるそうで、ここに収められた資料をまとめた資料本の数すでに3万5千部を超えているそうです。資料の中にはミケランジェロのシスティーナ礼拝堂建築費が未払いになっていることへの不満を訴える書簡や、フランス王妃マリーアントワネットの獄中からの手紙などが含まれています。

9. エリア51

世界で最も有名な、一般人立ち入り禁止区域といえば、エリア51を思い浮かべる方も少なくないはず。1947年にアメリカ合衆国ニューメキシコ州ロズウェル付近で墜落したUFOが米軍によって回収されたとして有名になった「ロズウェル事件」。以来、ラスベガスの北西に位置する空軍基地では宇宙人の技術研究や生体実験が行われているとの陰謀説が跡を絶ちません。2013年になって初めてCIA(アメリカ中央情報局)はエリア51の存在を公に認めました。

しかし、エリア51では恐らく最新戦闘機の実験が行われていると考えられており、UFOの正体は近隣住民がそれを地球外生命体の乗る飛行物体と勘違いしたためと思われます。

1997 - Area 51

入るなと言われると入りたくなるのが人間の性です。人間の好奇心が絶えない限りこれからも、こうした一般人が立ち入りを禁じられている場所に関する陰謀説や小説などは、決して無くなることはないでしょう。