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子育て

乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ぐためにできること

赤ちゃんが胸の上ですやすやと眠り、自分も一緒に眠りにつく。すべての親にとって幸せの縮図ではないでしょうか。

でも、ある父親の体験談が示すように、この平和な光景が痛ましい悪夢に終わることがあります。この父親サムは、他の親にはこんな苦しみを味わってほしくないと考え、自分の恐ろしい経験を公表しました。

注:この記事の画像は説明のためのものであり、実際の人物や物を描いているわけではありません。

サムと妻は、2010年にチャーリーという名の男の子の親になりました。チャーリーが生まれて3週間経ったある日、サムは寝不足の妻に数時間の休息を与えようと思い、チャーリーを胸に乗せて、ソファに横になって昼寝をしました。しかし、サムが目を覚ますと、息子はもう息をしていませんでした。乳幼児突然死(SIDS)でした。

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すべての親が恐れること

乳幼児突然死症候群(SIDS)は、生後1年までの赤ちゃんの死因として最もよくみられるもののひとつです。それまで元気だった赤ちゃんが、突然死亡するという病気で、その多くは就寝中に起こり、明確な原因はわかっていません。

SIDSはさまざまな要因が重なって赤ちゃんが死に至るのではないかと考えられています。早産、低体重、母乳不足、喫煙などがリスクを高めると言われており、特にうつ伏せで寝かされていた赤ちゃんにSIDSの発症頻度が高いことがわかっています。

サムの場合も、胸の上でチャーリーをうつ伏せで寝かせていました。

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予防策〜親ができること

乳幼児突然死を防ぐために、以下のような簡単に実行できる対策が推奨されています。

  • 赤ちゃんは、医学的な理由でうつ伏せ寝が進められている場合以外は、仰向けで寝かせる
  • 寝具は硬いマットを使い、枕、ぬいぐるみなどはベビーベッドに置かない
  • 赤ちゃんをソファーで寝かせない
  • 理想的な室温は16~18℃。赤ちゃんには厚着をさせない
  • 妊婦や子どもが寝ている部屋では喫煙を控える
  • 可能であれば少なくとも6ヶ月間は母乳で育てる
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赤ちゃんはいつからうつ伏せで寝てもいいの?

赤ちゃんがうつ伏せで眠れるようになるのは、うつ伏せから自分で頭を持ち上げて保持できるようになってからです。通常、6ヵ月ごろからできるようになります。赤ちゃんが大きくなればなるほど、乳幼児突然死症候群のリスクは低くなり、1歳の誕生日を過ぎると、そのリスクはほぼゼロになります。それ以降は、赤ちゃんが寝ている間にうつぶせになったとしても、それほど心配する必要はありません。

Not sleeping all night is tiring

子どもの死は親にとっては絶対に起きてほしくない悲劇です。特に、自分が知らず知らずのうちに子どもの命を危険にさらしてしまったとなれば、悔やんでも悔やみきれないでしょう。冒頭でご紹介したサムは、10年以上経った今もあの日の衝撃からくる痛みを感じ続けていると語っています。

小さな命を守るため、赤ちゃんの眠る環境に気をつけてあげましょう。また、よく眠っているからといって赤ちゃんを長い時間一人にしないことも大切です。

出典: Bunte , focus , mirror

プレビュー画像:© flickr/Paul