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旨味と栄養を逃さない|新玉ねぎを美味しく食べるコツ

辛みが少なく柔らかい新玉ねぎは、この季節の定番食材。シンプルにスライスして醤油と鰹節で食べるのもよし、サラダや冷奴のトッピングにしてもよし、とみずみずしさ満点で生で美味しく食べられるのが嬉しいですよね。

でも、新玉ねぎと言えどもそのままスライスして生で食べると辛みが気になります。そのため、多くの方が水にさらして辛みを抜いているのではないでしょうか。玉ねぎの辛み正体は「アリシン」という硫化アリルの一種。このアリシンが水溶性のため、水にさらすことで玉ねぎ特有の辛みが溶け出して食べやすくなるのです。

この鉄板のようなルールですが、新玉ねぎの場合はスライス後に水にさらすのではなく、スライス後にざるに広げてしばらくの間(30分〜1時間)空気に触れさせた方が甘みをアップさせることができると言われています。

農家の方もおすすめというこの方法、理由は辛み成分のアリシンの性質にありました。水溶性のアリシンは水にさらすことで水中に溶け出しますが、同時に揮発性の高い成分でもあります。玉ねぎを切った時に涙が出るのは、揮発性の辛味成分が空気を伝って目に入るため。そのため、辛味の少ない新玉ねぎでは、空気に触れさせる程度で辛みを取ることができるのです。

また、水にさらさないため、旨味や栄養素が水中に流出してしまうのを防ぐ効果も。玉ねぎを切る時に生成されるアリシンですが、このアリシンは辛味成分だけではなく、大切な栄養でもあります。同じく玉ねぎに含まれるビタミンB1と結合すると、アリシンは「アリチアミン」という成分を作ります。このアリチアミンは、疲労回復、コレストロール値の抑制、がんの予防、血栓予防、新陳代謝の活性化など、様々な作用を持っていると言われています。

さらに玉ねぎには、ポリフェノールの一種であるケルセチンと呼ばれる抗酸化作用、抗炎症作用のある成分も含まれています。水にさらさないことで、これらの体に嬉しい成分も余すことなく美味しく頂くことができます。

ただし、この方法は辛味の少ない新玉ねぎの場合のみ。通常の玉ねぎの場合は辛みが強いので、辛みが苦手な方は水にさらす方がおすすめです。また、手間にはなりますが水につける時間を減らし、その後空気に触れさせるなど組み合わせることで、栄養素の流出を防ぐという工夫もすることができます。今が旬の新玉ねぎを美味しく頂く方法、簡単なのでぜひ試してみてくださいね。

プレビュー画像:©︎Twitter/DInvBMP