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Lifehacks

【コロナ禍でも夢をあきらめない!】シチリア島の「地上の楽園」で1ユーロの家を買ったアメリカ人女性

2019年、イタリアのシチリア島にあるサンブーカという美しい村が大きな話題になりました。地中海を臨む歴史的な住宅数十軒が、わずか1ユーロ(約125円)というコーヒー1杯より安い価格で売りに出されたのです。

 
 
 
 
 
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この住宅を購入したひとりが、アメリカのシカゴ在住のメレディス・タボーンです。彼女はシカゴの自宅から約8,000キロ離れた家を買い、その後、はじめてシチリア島を訪れました。「私はその家にどれだけの価値があるか知りませんでした。情報といえば、家の正面のモノクロ写真と、乱雑な手書きの市街地図だけでした」

Sambuca di Sicilia, Italy April 2016 365

メレディスは2019年の夏にネットオークションでサンブーカの家を購入。最低賭け金は1ユーロでしたが、最終的に5,555ユーロ(約70万円)を提示して落札。メレディスが購入した築300年の家は、電気もなければ水もなく、100年間も人が住んでいない廃屋でした。

©instagram/meredith_tabbone

「地上の楽園」として知られるサンブーカの1ユーロハウスの販売は、高齢化が進み、この50年の間に人口が減少しつづけて空き家だらけになった村を救うためのプロジェクトでした。それでも、驚くほど美しい村の歴史的地区の住宅が破格の値段で買えるなんて、話がうますぎない?と疑いたくもなりますよね。

1-Euro-Haus Italien

そうです。実は「1ユーロハウス」の購入には条件があります。「購入者は3年以内に老朽化した家を改修するためにに少なくとも15,000ユーロ(約187万)を投資すること、改修を期限内に完了しなければ違約金を支払わなければならない」という条件です。

 
 
 
 
 
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この条件にもかかわらず、メレディスは住宅購入を即決しました。彼女の曽祖父がサンブーカ出身だったこともあり、行ったこともない土地にもかかわらず郷愁を感じ、一目惚れだったと言います。

彼女が購入したのは1軒だけではありません。隣の家も同時に購入していました。こちらは築年数は同じ300年でしたが、1974年に改装されていました。メレディスは2つの家をつなぎたいと考えており、改修工事を2020年2月に開始する予定でした。

©instagram/meredith_tabbone

ところが、まったく予想外のできごとで工事は中断。2020年に入ってすぐに、コロナ危機が瞬く間にイタリア全土で猛威をふるい始めたのです。3月にはロックダウンで家の改修作業は完全に行き詰まってしまいました。アメリカ人がヨーロッパに入国することすら禁止されてしまったのです。

©instagram/meredith_tabbone

完全に荒れ果てた2軒の家をすぐに修理しなければならないのに、もはや自分は現地に行くことすらできない。メレディスの計画はまさに崩壊寸前でした。しかし、改修できなければ違約金が発生します。

 
 
 
 
 
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メレディスはこの難関をテクノロジーの力で突破しました。5月中旬にイタリアの夜間外出禁止令が解除されると、メレディスはインターネットを通じて、現場の職人を雇い、写真やビデオ、WhatsAppのメッセージで改修を指示しました。

イタリア語の話せないメレディスにとっては言葉の壁も大きな問題でしたが、工事の指示にはそれほど支障はありませんでした。たとえば、「窓を大きくして」という指示は、写真の上に希望のサイズの枠を書き込めば理解してもらえたのです。

 
 
 
 
 
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彼女が雇った職人と建築家は古い家で色々な発見をしました。たとえば、1階は馬小屋でした。馬のロープをつなぐリングがまだそこに残っていたのです。漆喰の厚い層の下には石を重ねた基礎がところどころ浮かび上がっており、窓の中にはレンガで補強されたものもありました。寝室予定の部屋の下には深さ2 mの石づくりの穴が見つかりました。メレディスは、この歴史的遺跡を見ることができるように、アクリル樹脂を穴の上に置く予定だそうです。

Sicilian small village

現時点では改修工事はまだ始まったばかりですが、メレディスは、コロナ禍にもかかわらず、シチリア島に家を建てるという夢が実現すると確信しています。

彼女の計画では、2つの建物は当面、彼女と家族の別荘になります。そして、退職後にはこの曾祖父のふるさとで彼女は小さなカフェを開きたいと思っています。

行動力と決断力のあるメレディス、夢のカフェもきっと実現しそうですね。

 

プレビュー画像: ©instagram/meredith_tabbone ©pinterest/sicilyonweb