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ヘルスケア

睡眠の悩み「夜中や早朝に目が覚めるともう眠れない」理由

「寝付くことはできても、眠りが浅い」「夜中に目がさめる」そんな悩みを持つ人は少なくありません。

特に、午前3時から4時ごろに目が覚めてしまい、ネガティブ思考に陥って、なかなか寝付けなくなる人は多いもの。その理由を科学的にご説明しましょう。

なぜ多くの人が夜中3時ごろに目を覚ますのか

多くの人々が睡眠に関する不満を抱えています。入眠の問題だけではありません。男女問わず、多くの人が夜中や早朝に目が覚めてしまうのです。さらに、夜中の3時ごろに起きてしまい、その後、色々考えてしまって眠れない、という悩みを持つ人が多いのです。

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背景

人間はよく寝たと思った日でも、一晩中眠っているわけではありません。寝ている間に何度も目を覚ましているのです。一説には、一晩に最大28回目覚めるとも言われています。しかし、目が覚めてもすぐに眠りに落ちるため、この短い目覚めは記憶に残りません。これはまったく正常なこと。

でも、夜中に目が覚めて、朝まで眠れなくなるなら、話は別です。夢の国への帰還がうまくできず、ベッドで悶々とした朝の気分は最悪です。

夜中の3時ごろに目覚めて眠れなくなる理由とは?

夜中に目が覚めると、暗い気持ちになる人は少なくありません。しかも目が覚めて、もう眠れなくなると一分一秒がとてつもなく長く感じます。ネガティブな思考が頭の中を巡り、眠ろうとすればするほど、目が冴えていくのです。

Nicht nur Wölfe heulen in der Nacht: Schlafprobleme hindern in der Wolfsstunde am Durchschlafen.
©Pixabay

このような現象が3時から4時の間に起こることが多いのは、睡眠に関連するホルモンバランスに関係すると考えられています。睡眠に関係するホルモンとは、メラトニン、セロトニン、コルチゾールです。

メラトニンは一般に「睡眠ホルモン」と呼ばれ、暗くなると分泌されます。それをつくる原料となるのが「幸せホルモン」のセロトニン。そしてコルチゾールはストレスに対する体の反応として分泌される「ストレスホルモン」です。このコルチゾールは覚醒作用があり、朝方に分泌され全身に行き渡ると気持ちよく目覚めることができます。

夜中の3時ごろには、私たちの体温は低下し、メラトニン濃度が高くなります。一方、セロトニンとコルチゾールの値は最も低くなります。ちょうどぐっすりと眠れる状態です。

しかし、ストレスや生活習慣の乱れによってホルモンバランスが乱れると、この時間に目が覚めやすくなるうえに、目覚めたときに疲れと暗い気持ちと目覚めの悪さを同時に感じてまうのです。さらに、この不快な組み合わせにより、再び眠りにつくことが難しくなります。

夜中に起きてもすぐに眠るためのヒント

「夜中に目が覚めてもう眠れなくなる」という人は、以下のヒントを参考に、ネガティブ思考のスパイラルを断ち切り、穏やかな二度寝を楽しみましょう。

  1. 夜中に目が覚めるのは自然なことだと考えましょう。これは、再度、入眠するための第一歩です。
  2. 寝室の温度を下げましょう。室温を低くすることで、ホルモンのバランスを保つことができます。
  3. 眠るための呼吸をします。約4秒間息を吸い、7秒間息を止め、また8秒間息を吐き出します。数回繰り返すと、この呼吸法で体のストレスレベルが目に見えて下がります。
  4. すぐに寝付けない場合は、思い切ってベッドサイドのランプをつけましょう。読書や絵を描くなど、何か静かなことを見つけてください。ネガティブ思考から気をそらしていると、そのうちにまた眠くなります。
  5. それもダメなら、立ち上がりましょう。ただし、活発な動きや明るい光は避けましょう。携帯チェックもNGです。コップ一杯の水を飲み、眠くなったらベッドに戻りましょう。
A place to rest my head

ホルモン性の睡眠障害のほかに、健康上の問題も睡眠を阻害します。たとえば、腰痛、胸焼け、尿意切迫感などです。このような場合は、マットレスを変えたり、夜の食事を軽めにしたり、トイレに行くなどが必要となります。医師に相談してもいいでしょう。

上記の情報を参考に、ベッドの上で悶々とする時間を減らし、気持ちの良い朝を迎えることができれば幸いです。

出典: geo, meinschlaf
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