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Lifehacks

産後の「胎盤食」のリスクが明らかに

産後に自分の胎盤を食べる「胎盤食」をご存知ですか?胎盤を食べると産後うつの予防や母乳の分泌促進に効果があると考えられており、病院が許可を出せば日本でも可能なんですが、「自分の胎盤を食べるなんて衝撃的!」と思う方も多いでしょう。

「胎盤」は哺乳動物の母親が妊娠すると子宮内に作られる「胎児と母体をつなぐ器官」です。胎盤の持つ力は古くから知られており、中国では秦の始皇帝が不老長寿の妙薬としたと言われ、日本でも江戸時代には滋養強壮の秘薬として使われていました。現在も漢方では生薬「紫河車(しかしゃ)」として使用されています。

 
 
 
 
 
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ここ10〜20年の間に、欧米諸国では「胎盤(プラセンタ)」が健康食品として知られるようになりました。さらに、人間を除くすべての哺乳類が産後、本能的に自分の胎盤を食べることを論拠に、特に自然派志向の強い人たちの間では出産後の胎盤を食べるというのがムーブメントとなり、それが日本にも広がっています。

胎盤の食べ方

日本ではそのまま生で食べる人が多いようですが、欧米では、産後に自分の胎盤を食べたい女性のためにさまざまな調理法が紹介されています。たとえば、プラセンタスムージー、野菜と一緒に揚げたプラセンタフライ、プラセンタラザニアなどが人気のようです。胎盤を直接食べたくない人は、妊娠中に特定の薬局と契約しておき、出産直後に胎盤の一部を送付して、薬剤師に顆粒やカプセルを作ってもらうこともできます。

ground placenta

ブームの背景

プラセンタブームには、プラセンタの有用性が広く流布されたことが背景にあります。胎盤は各種ビタミン、ミネラルなどが豊富で、産じょく期や授乳中の女性に必要な栄養素を吸収することができ、胎盤を食べることで産後うつの予防や産後の出血抑制、母乳促進などの効果があると言われています。健康や美容への効果に注目が集まり、胎盤由来の医薬品やサプリメント、化粧品が次々に登場しています。

placenta pills

産後に自分の胎盤を食べるメリットは?

ただし、産後に自分の胎盤を食べるメリットについては科学的に明らかにされていません。「胎盤食」に関する研究があまり行われていないことが一つの原因です。小規模な研究のレビューでは、胎盤食に健康上のメリットがある証拠は認められませんでした。

しかし、ネット上では母親自身がその効果を実感したという証言が多く見られるのも事実です。本人が納得し、効果を実感できるのであれば問題ないようにも感じられますね。

胎盤を食べるリスクは?

一方、胎盤食に反対する論拠として、胎盤が栄養素を供給するだけでなく、有害物質から胎児を守る役目を果たしていることがあげられています。妊娠中に胎盤には重金属や病原体が沈着します。研究がほとんど実施されていないこともあり、母親が胎盤を食べて健康被害があったという報告はありません。

しかし米疾病対策センター(CDC)は、胎盤カプセルを摂取した母親の子どもが、母乳を介して胎盤に含まれるB型連鎖球菌に感染し、敗血症になった症例を報告しています。新生児の免疫系はまだ十分に発達していないため、母乳を介してウイルスなどが移行することは大きな問題になります。

 
 
 
 
 
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結論

「自然」であることは、「健康」や「安全」を保障するわけではありません。他の哺乳類が本能的に胎盤を食べるのは、健康上の理由よりもむしろ別の点が理由だとも考えられます。胎盤の血の匂いが敵を惹きつけるため、胎盤を食べないと危険なのです。

産後に自分の胎盤を(殺菌せずに)食べることで、乳児へのウイルス感染リスクがある以上、胎盤食は勧められないと研究者は警告しています。自分の胎盤の神秘的な力を信じる人は、たとえば、胎盤を埋めて生命の木を植えるなど、別の方法で胎盤を楽しむことができるでしょう。もしリスクを冒してでも胎盤食を試したいのであれば、赤ちゃんを危険にさらすことがないように、授乳後に使用すべきだと研究者らは強調しています。

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プレビュー画像: ©Instagram/fiercelizzie ©Flickr/Dan Ox