ヘルスケア
捨てるのはもったいない|栄養満点な玉ねぎの皮の活用法
煮込み料理などで欠かすことのできない玉ねぎは、西洋では味作りのベースとして使われ、「西洋のかつおぶし」とまで呼ばれているそうです。和食でも味噌汁や肉じゃが、また揚げ物など幅広く使うことができます。
また、玉ねぎは料理に欠かせない食材であるだけでなく、血液をサラサラにしてくれる効果が期待できる野菜としても有名です。玉ねぎに豊富に含まれる硫化アリル(アリシン)という辛み成分が、動脈硬化の原因となる血栓やコレステロールの代謝を促進し、血栓を出来にくくしてくれると言われています。
このように食べておいしい、体に優しい玉ねぎですが、普段捨てている「茶色い皮」の部分にも、見逃せない栄養が含まれていることをご存知でしたか?そこで今回は、玉ねぎの皮の簡単な利用法と健康効果ついてご紹介します。
栄養を余すことなく取れる玉ねぎの皮茶
玉ねぎの茶色い皮には、ケルセチンというポリフェノールの一種が含まれています。このケルセチンは強い抗酸化作用をもつことから、体の健康維持やアンチエイジングに積極的に取り入れていきたい成分。ケルセチンは加熱しても構造が壊れにくく調理してもほとんど壊れません。そのため、効率的に摂取する方法としておすすめなのが、皮から作る玉ねぎ茶です。
これは玉ねぎの皮を煮出した玉ねぎの皮茶 pic.twitter.com/0JVdYcfpto
— Hyliu (@s_hyliu) March 30, 2022
玉ねぎ茶の作り方は以下の通り。
<玉ねぎ茶の作り方>
作り方:
1. 玉ねぎの皮を3日~1週間ほど天日干しにします。(天日干しはしなくてもOKですが、天日干しにすることでケルセチンが増えると言われています)
2. よく洗い、変色している部分は捨てます。
3. 玉ねぎ1~2個分の皮を1リットルの水で煮出します。
4. 5~10分ほど弱火で沸騰させて出来上がりです。冷やして飲むと、より飲みやすくなります。
玉ねぎの皮。5分ほど煮込むと玉ねぎ茶…らしいです。 pic.twitter.com/J7XJf2TbUm
— りん🌌🚀🛰️ (@abc_rin5) January 21, 2022
また、たまねぎ茶が苦手…という場合は皮をミキサーにかけて粉末にすることで出汁として利用することができます。たまねぎを使う料理にプラスすれば、栄養価がアップします。粉末の作り方は以下の通り。
<玉ねぎパウダーの作り方>
1. 玉ねぎの皮をきれいに洗い、しっかり乾燥させます。
2. オーブンでパリパリになるように5分から8分焼きます。
3. フードプロセッサーやミキサーで粉末にします。
玉ねぎの皮を粉末にしたのをスープに使ってみたくてようやく実現🥰
— ちゃんこ🌱 (@RKTTAS) December 1, 2021
大玉キャベツ半分使うメニュー ポトフ❤️全体的にビジュアルが…😂😇
でもスープが美味しい😋💕調味料塩だけなのにー🤩🌈🌈 pic.twitter.com/T1YOzvyF7A
使用する玉ねぎは、できれば無農薬のものを使うようにしてください。また、汚れが気になる場合は汚れを落とした後、お酢を加えた水でよく洗うと安心です。
栄養価は白い実の部分よりも30倍!玉ねぎの皮に含まれるケルセチンの効果
ケルセチンは、皮だけでなく実の部分にも含まれると言われていますが、皮に含まれるケルセチンの量は、白い実の部分のなんと30倍にもなるのだとか。ケルセチンが持つ具体的な健康効果は以下の通り。
・血流、むくみ、冷えの改善
ケルセチンには赤血球が活性酸素によってダメージを受けてしまうのを予防する効果があると言われています。そのため赤血球の働きを活発化し、血流を改善、血液をサラサラにする効果が期待できます。血液がサラサラになることで、むくみや冷えの改善も期待することができるそうです。
【玉ねぎの皮茶】友人の母上が無農薬野菜を作ってらっしゃる。お裾分け頂いた野菜の土の香りに感動!料理はもちろん、血液サラサラ効果を狙い、お茶作り。直に飲むと苦いがレモン炭酸や紅茶で割ると普通に飲める♪ありがたや pic.twitter.com/vlGM3yo91N
— 茶々 Cafe slow life (@cyacyacafe525) September 28, 2017
・コレステロール値の低下
ポリフェノールは動脈硬化を予防する作用があると言われ、ケルセチンもその抗酸化作用から、動脈へのコレステロールの蓄積を防ぎ、動脈硬化を予防してくれる効果があるとされています。
初めて玉ねぎの皮茶をいただいております。
— 必要最少 (@18DDH) February 17, 2022
玉ねぎの皮を煮出し、冷やしただけですが、癖がなく普通に番茶?紅茶?という感じです。
コレステロール低下や動脈硬化予防に効果かあるとか。
玉ねぎの皮は、そのままだとコンポストに投入しても分解が遅いですが、煮出した後の皮なら分解が早そうです。📝 pic.twitter.com/j95PzEztnK
・関節痛の緩和
ケルセチンは抗炎症作用を持つことから、関節の痛みをやわらげる効果があるのだそう。そのため、加齢にともなう膝関節などの痛みには、ケルセチンとグルコサミンやコンドロイチンなどの軟骨を作る成分と一緒に摂取することで、関節痛の症状を改善する効果を期待することができます。
・体脂肪の低下
ケルセチンには、脂肪分解酵素の働きを活発にさせて体脂肪を減少させる効果があると言われています。そのため内臓脂肪によるメタボ改善や予防に効果があると言われています。
玉ねぎの皮には、
— 自律神経調整師 森田遼介 (@harikyumorita) March 14, 2021
✅血流改善
✅コレステロール値の低下
✅関節痛の緩和
✅動脈硬化の予防
✅むくみや冷え改善
✅体脂肪燃焼
✅骨粗鬆症の予防
の効果があります。
玉ねぎの皮茶にして飲むことや、カレーの水を足す際に野菜の皮を煮出したものを入れるのも、美味しく摂取ができる一つの方法です🍛 pic.twitter.com/1TU4J9amMq
・シミやシワ対策
ケルセチンは、強い日光が当たる高山地帯の植物に多く含まれていることから、細胞を光のダメージから守る作用もあると考えられています。実際に、ケルセチンにはシミやシワを防ぐ作用が確認されており、市販の日焼け止めクリームにも配合されているほど、優れた美肌効果があるそうです。
・認知機能の維持
さらに最近の研究によるとケルセチンには、認知機能の維持にも大きな効果をもたらすことがわかっています。農研機構、北海道情報大学、岐阜大学等の研究グループによると、高齢の健康な男女にケルセチンを多く含む、またはケルセチンを含まない玉ねぎ粉末を約5か月間食べてもらい、一般的な認知機能検査を行った結果、ケルセチンを多く含む玉ねぎを食べた人の方が、摂取後に検査の点数が大きく増加することを確認したとのこと。これにより、日常の食事の中で玉ねぎを食べることで、加齢に伴い低下する認知機能の維持に役立つ可能性が期待されています。
・タマネギのケルセチンに認知機能維持を確認 機能性表示食品へ期待 農研機構などの研究でhttps://t.co/DfDlvt6ttH pic.twitter.com/HTIJCjuX2n
— JAcom農業協同組合新聞 (@JAcom_nokyo) May 27, 2021
今まで当たり前のように捨てていた皮にこんなにも栄養があったとは驚きですね。玉ねぎは年中スーパーで買うことができますが、本来の旬は3月〜5月にかけて。この時期は出荷量も多く、価格もお手頃となるため、玉ねぎを積極的に摂っていきたいですね。(ただ、玉ねぎを過剰摂取してしまうと、胃や腸などが強い刺激を受け下痢や腹痛などの原因となるため、食べ過ぎには注意するようにしてください)
また、以前紹介したように玉ねぎの皮は、健康だけでなくお掃除にも活躍してくれます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
プレビュー画像:©︎Twitter/abc_rin5
出典:Blossom, 長寿の里