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ヘルスケア

生まれつき指が短い短指症(たんししょう)ご存知ですか?

この世界には、手足の先天異常を持って生まれてくる人が存在します。手足の指が多くの人よりも多かったり、少なかったり、形が違ったりするのです。

この記事では、指の長さが短い「短指症」についてご紹介します。

短指症とは何ですか?

短指症は名前が示す通り、指が短いという先天的な遺伝的奇形です。全部あるいは一部の手足の指が片方の手よりも不均等に短いケースや両側性のケースがあります。

様々なタイプがありますが、手は小指(A3型)と親指(D型)の短縮、足では小指または第四指の短縮が多く見られます。まれに、個々の関節が完全に失われることもあります。

(Typ A3) ©Wikimedia Commons/Schrauber5

どんな人に起こるの?

短指症は遺伝性の奇形なので、家族の中で受け継がれます。優性遺伝なので、親のどちらかが短指症であれば遺伝する可能性はありますが、発現しにくいという特徴もあります。女性の方が罹患率が高く、集団によって罹患率はかなり違って、3.4%~21%となります。

ある研究によれば日本の学童の21%が小指(A3型)の短指症であることが判明しています。意外なほど高い数値ではないでしょうか?

親指(D型)の短指症は、日本では「まむし指」とも呼ばれ、爪が横長で短くなるのが特徴です。まむし指には「手先が器用」「働き者」「美男美女」など色々な良いジンクスがあるようです。手塚治虫の漫画「ブラックジャック」(24巻)にも短指症のエピソードがあるので、興味のある方は読んでみてください。

(Typ D) ©Wikimedia Commons/Schrauber5

どのような症状がありますか?

ほとんどの場合、短指症は痛みなどの症状は伴わず、単一の現象として発生します。日常生活に大きな支障はなく、治療は不要です。ただ、外見が 「標準」から外れているため、からかわれたりすることで自尊心が傷つくことは珍しいことではありません。

稀に他の先天性疾患の症状として短指症になる人もいます。たとえば、結節性硬化症マルファン症候群と合併して短指症を発症することがあります。その場合、精神的、肉体的な苦痛を伴い、場合によっては、日常生活に支障をきたすこともあります。

どのような治療法があるのですか?

短指症そのものを治療する方法はありません。しかし、指や足の指を美容的に整える整形手術を受けるという選択肢はあります。また、理学療法や作業療法によって、指の可動性を訓練することも可能です。

短指症などの手足の先天異常の多くは健康に害を与えるものではありませんが、からかわれて自尊心が傷ついたり、他人との比較でコンプレックスを持つ可能性があります。お子さんが短い指を気にしていたら、ご家族はポジティブな声かけをしてあげてください。

出典:wunderweib , wikipedia
プレビュー画像: ©Wikimedia Commons/Schrauber5