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低温調理の温度管理に注意|ある警鐘にハッとさせられる

お肉がしっとりジューシーな仕上がりになると言われている低温調理。 やわらかい肉料理が好きにな人にとってはたまらない、最近話題の調理法です。

低温調理とは、フライパンや鍋で肉を最初から高温で加熱する方法ではなく、真空パックに入れた肉を湯煎を通し低温でじっくり火を通す調理法です。肉の水分が逃げにくくなることから、瑞々しくジューシーに出来上がると言われています。特に最近では、この方法を利用して作るサラダチキンが鶏胸肉をヘルシーに美味しく食べられる方法として大人気。

しかし、低温調理についてのある指摘が今注目を集めています。

数々のラーメンコンテストで賞を受賞した東京都内のラーメン店「らぁ麺やまぐち」の店主山口 裕史さん(@yamaguchi_nyami)はツイートで、誤った低温調理の知識に対し、警鐘を鳴らしています。

「今一番言いたい事

知識の無い低温豚チャーシュー
ホントやめて下さい
63℃30分って聞いた事ありますか?

一回何かあったらラーメン業界のみならず豚肉の低温調理自体が禁止になるよ

意識高い系じゃなくて知識高い系にしましょうよ

悪いけど今後ヤバそうなのは全残しします
我々が動かないとダメ!」

厚生労働省によると、食中毒防止策として、肉の中心部を 75℃で 1 分間以上加熱する必要があるとしています。同省は「75℃、1 分」と同様の加熱殺菌効果がある条件として、「70℃、3 分」、「69℃、4 分」、「68℃、5 分」、「67℃、8 分」、「66℃、11 分」、「65℃、15 分」、「食品、添加物等の規格基準」では、豚肉は中心部の温度が63℃で30 分間以上加熱しなければならないとしています。

食中毒菌が発育しやすい温度は、20℃~50℃。肉をこの温度下に長時間置くことは、病原菌の発育を促すことにつながります。牛、豚、鶏などの肉には、O157やO111と言った腸管出血性大腸菌カンピロバクターなど、食中毒の病原菌が付着している可能性があり、十分な加熱がなされていない肉を食べてしまうと食中毒になる可能性が高いのです。

山口さんが発信するように、肉の中心部が63℃30分以上の加熱がなされていないと非常に危険です。しかし、この「低温調理では肉の芯部分の温度管理をしっかりする」と言う知識がないまま低温調理をしてしまうと、お湯の温度を測って十分加熱していると勘違いしていることも。結局肉の中心部は加熱不足で、肉の中で菌を活発に活動させてしまうことにつながるのです。

今まで低温調理に挑戦したことがあるという人でも、低温調理器を使っていない場合は「肉の中心部の温度管理」について不安を覚えたという人もいるのではないでしょうか。

山口さんは、知識不足による調理によって引き起こされる食中毒の危険性、ラーメン業界へのリスク、またせっかくの肉を美味しく調理できる方法が禁止されてしまいかねないと危惧をしています。この山口さんの呼びかけに多くの人が賛同。多数の意見が寄せられています。

ご家庭でもし低温調理をする場合は、適切な温度管理ができる専用の低温調理器を使うことをお勧めします。また、その場合も加熱を十分にするよう気をつけてください。

炊飯器での低温調理も可能と言われますが、その場合は使用している炊飯器の保温温度を必ず確認するようにしてください。抵抗力の弱い子どもや高齢の方の場合は、重篤化しやすいと言われる食中毒。今回は低温調理の危険性をご紹介しましたが、低温調理に限らず肉の調理の際は温度管理に十分気をつけるようにしていきたいですね。

プレビュー画像:©︎Twitter/tp11294649