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ヘルスケア

痛みのピークまで我慢は間違い|鎮痛剤の正しい飲み方

デスクワークや家事による肩こりや首こりから来る頭痛やストレスからくる偏頭痛、また女性の場合であれば冷えやストレスによる生理痛など、日々暮らしていると抱えるあらゆる体の痛み。特にズキズキ痛む頭痛や、なんとも言えない鈍痛の生理痛は耐え難いもの。

そんな時、多くの人が「鎮痛剤を飲むのはもっと痛くなってから」「薬は体に良くないからなるべく飲みたくない」「鎮痛剤に頼ったら、いざという時に効かなくなりそう」と、痛みを我慢しがちと言われています。

でも我慢を続け、いざ「もうどうにもならん!」となったときに鎮痛剤を飲んだら、効き目が弱く期待はずれだったという経験をしたことありませんか?そうなると「痛み止めを飲んでもどうせ効かない」とさらに鎮痛剤が遠のく存在に。

でも実は、この我慢が鎮痛剤の効き目を弱くしてしまう原因になっているのです。

痛みがピークに達してからの鎮痛剤では遅い

頭痛、生理痛、筋肉痛など鈍痛の多くは、発痛物質とよばれる痛みを引きおこす化学物質によって起こると言われています。この発痛物質は病気の時やストレスによって作られ、神経を刺激して痛みを感じさせています。発痛物質の代表と言われているのが、「ブラジキニン」という痛みの元となる物質。そして同時に、ブラジキニンの作用を強め、痛みを増幅させる「プロスタグランジン」という別の物質が作られています。このプロスタグランジンが時間とともに大量に作られていくことから、痛みが増していくと考えられています。

鎮痛剤には、痛みを増幅させるプロスタグランジンの発生を抑えてくれる働きがあります。そのため、痛みを我慢しプロスタグランジンが大量に作られた後に鎮痛剤を飲んでしまっても、発生した痛みを抑えることはできず、「痛み止めが効きづらい」と感じてしまうのです。

鎮痛剤は痛みが本格的になる前に飲んだほうが効果的

痛みを増幅させるプロスタグランジンの産生を抑えてくれる鎮痛剤は、その働きから、飲むタイミングは痛みが本格的になる前がベストと言われています。そうすることで、プロスタグランジンが大量に作られるのを防ぎ、痛みが強くなるのをあらかじめ抑え込むことができるのです。

「そろそろ痛くなりそう」そんな時に飲めば、驚くほどその後の症状は軽くなると言われています。また、痛みを無理に我慢し続けると、痛み自体がストレスとなってさらなる痛みの要因となったり、体の他部分に痛みの症状が出てしまう場合があることから、早めのケアが大切です。

鎮痛剤は使用法をしっかり守る

鎮痛剤は体に負担がかかると不安に感じるという方もいらっしゃると思います。痛み止めは、月に10日以上飲み続けることで、痛みが収まるどころか、逆に薬物乱用頭痛やかえって痛みに対して敏感になってしまったり、薬に依存するようになる可能性があると言われています。そのため、用法・用量を守り、空腹時の服用や他の薬との併用は避けるようにしてください。(利用についての詳細は各製品の添付文書をご確認ください)また、鎮痛剤を使用しても痛みが5日以上続くような場合は、他に原因がある可能性もあるため、すぐに医師の診断を受けるようにしてください。

多くの人が、薬に頼りたくない…とつい痛みを我慢してしまいがちです。しかし痛みを我慢し続けると、思った以上に体はストレスを感じ疲れてしまいます。鎮痛剤を上手に正しく利用することは、痛みを和らげ、ストレスも減らすことができます。また、結果として鎮痛剤の摂取量を減らすことにつながっていきます。鎮痛剤と痛み、うまく付き合っていきたいですね。

※服用に当たってはくれぐれも用法・用量を守るようにしてください。

痛み止めの乱用で起きた副作用については以下の記事をご覧ください。

プレビュー画像:©︎Twitter/KosukeNishiyama

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