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キッチン

1日でできる時短梅シロップ

梅が旬を迎えるこの季節、梅酒、梅干し、梅シロップといった保存食の仕込みをする「梅仕事」は昔から日本の暮らしに根付き、季節を感じる行事の一つです。

仕込みをしてから、数週間、数ヶ月かけて完成させていくこれらの保存食ですが、実はある裏ワザを使うと梅シロップをたった一晩で完成させることができるのです。梅のエキスを抽出する梅シロップは夏にうれしい栄養もたっぷり。

炊飯器が梅エキスの抽出を早める

梅シロップは、梅と同量程度の砂糖を使い、浸透圧を利用して梅のエキスをゆっくりと抽出して作られます。そのため、仕込んでから完成まで2〜3週間寝かせる必要があります。

しかし、この梅エキスの抽出スピードをお馴染みの家電をつかうことで早め、たった一晩で梅シロップを作ることができます。梅シロップ作りに使う家電は「炊飯器」。炊飯器の保温機能を利用し、じんわりと加熱することで梅エキスの抽出を早めることができます。

では炊飯器を使った梅シロップの詳しい作り方を見ていきましょう。

炊飯器で作る時短梅シロップの作り方

用意するもの:

  • 青梅または完熟した梅 1kg
  • 氷砂糖またはグラニュー糖などの砂糖 1kg
  • 炊飯器(5.5合炊き以上)

作り方:

  1. 梅は、ヘタの部分を取り除き、洗った後しっかり水気をキッチンペーパーでふき取っておきます。
  2. 氷砂糖を使う時は、氷砂糖→梅の順で炊飯器へ入れていきます。グラニュー糖を使う場合は、炊飯器に梅を入れグラニュー糖を隙間にもしっかりとを詰め込むようにして入れ、梅がすっぽり隠れるように入れます。
  3. 梅と砂糖をセットしたら、炊飯器の蓋をして保温スイッチを押します。12時間を目安に保温し、砂糖がすべて溶けていたら完成です。エキスが抽出された梅はしわしわになっています。(この時、炊飯ボタンと間違えないようにしてください)

※梅シロップは作る前にヘタをとって洗った梅を冷凍しておくと、さらにエキスが抽出されやすくなります。冷凍した場合は、解凍せずに炊飯器に入れます。

保存について:

出来上がった梅シロップは清潔な容器に移し、冷蔵庫または冷暗所で保存します。保存期間は3か月が目安です。清潔な容器に移す時は、梅も入れておくとさらに抽出しきれなかったエキスをしっかり抽出することができます。

また加熱殺菌して保存をする場合は、梅シロップをガーゼや細かいザルで漉してから鍋に入れ、煮立たせないように注意しながら弱火で15分ほど火にかけます。梅は酸が強いのでホーロー鍋などがおすすめです。梅の果肉は煮詰めてジャムに活用することもできます。

梅シロップの効果

甘酸っぱく爽やかな風味の梅シロップは美味しいだけでなく、クエン酸・リンゴ酸、カリウム、カロテン、各種ビタミンなどの栄養素が豊富に含まれています。梅シロップが夏に嬉しい理由は以下の通り。

疲労回復

梅シロップに含まれるクエン酸には、体にたまった乳酸を分解し、新陳代謝を助ける働きがあります。そのため、夏に疲れた体の疲労回復効果を期待することができます。また、梅はビタミンEも豊富に含んでいます。ビタミンEはうなぎにも多く含まれる疲労回復成分で、血液の流れを促し、疲労物質を体内から運び去る働きを持っています。

むくみ予防

梅に含まれる豊富なカリウムは、塩分を体の外に排出する働きがあるため、むくみの防止、改善に役立ちます。

抗酸化作用

梅は強い抗酸化力を持つポリフェノールを豊富に含んでいます。老化の原因となる活性酸素の働きを抑えてくれます。

炭酸水で割って飲むとシュワっとおいしい梅シロップ。暑さや湿気でだるい季節の強い味方になりそうですね。

プレビュー画像:©︎Twitter/mangmangpiano
出典: 農家のレシピ, Nadia