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お風呂の温度は42度以上だとある危険が伴う| ヒートショックよりも高いというその危険性

ここ数年、入浴関連でよく耳にするようになったヒートショックという言葉。ヒートショックは寒い季節に暖かいリビングから寒い脱衣所やお風呂場へ移動した際の急激な温度変化によって、血圧が上下に大きく変動することで起こる健康障害のことを言います。ヒートショックによって最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞を起こし命を落としてしまうことも…。

しかし、実はヒートショック以外にも入浴時に気をつけたいのが浴室熱中症。この浴室熱中症が最近では、ヒートショックよりも死亡率の高い浴室事故の可能性があるとさえ言われています。

<浴室熱中症とは>

浴室熱中症とは、お風呂のお湯の熱さによって体が過度に温められ、夏場によくある熱中症と同じような症状がお風呂内で起こることを言います。熱いお風呂に浸かり体温が上昇した時、頭以外は湯船の中にあるため、汗をかいて体温を外に逃がす「放熱」ができません。若い人であれば、体の表面に熱い血液を集めて熱を逃がすことができますが、高齢者の場合は、血液を循環させる力が低下しているため体内に熱い血液が滞留し心臓に負担がかかる恐れが高いと言われています。

こうなってしまうと、脳へ流れるはずだった血流が減少し、意識障害が引きこおこされ、最悪の状態になると気を失ってしまい溺死にもつながりかねないのです。また、熱いお風呂に使って、ふわふわとした心地よいと感じていても、実はリラックスしているのではなく浴室熱中症による意識障害を生じている可能性があるのです。

<湯船の温度と熱中症>

入浴時の湯船の温度については、特に冷える冬場は42度前後に設定してるという家庭も多いのではないでしょうか。人間の体温は40度以上になると脳が耐えられず、意識障害を起こすと言われています。さらに体温は42度のお湯に10分浸かるだけで1度上昇するそう。体温が42,5度を超えると体の細胞が死滅し、細胞からカリウムが体内に流れ出し高カリウム血症という状態を起こし、心臓に支障をきたしてしまう恐れが高くなります。

日本人の平均体温は36度台と言われており、この場合だと40度まで程遠いのでは?と思われますが、浴室熱中症によって起こる意識障害は体温上昇だけでなく脱水症状でも起こります。脱水状態で体内の血液循環が悪くなった場合、体温がたとえ40度に至っていなくても体内の水分量が不足していると、意識障害を引き起こす可能性があります。

私たちの体は38度を超えると、熱中症の初期症状である倦怠感や頭痛を覚え始めるといいます。高温の湯船に10分以上浸かることは、特に高齢者にとっては危険につながりかねない行為だったのです。

<予防策>

知らず知らずのうちに意識障害を起こしてしまう浴室熱中症を予防するにはどうしたらいいのでしょうか。以下、入浴時のポイントをまとめました。

  • 連続して10分以上の入浴を避ける。
    5分湯船に入ったあと、体を洗うなど一旦湯から上がり、その後また5分間湯に入る、というように連続して10分以上湯船に浸からないようにします。長風呂をしたい場合は、半身浴などで全身お湯に浸かることがないようにしまうす。
  • 脱水を防ぐために入浴前に十分な水分補給をする。
    41度のお湯に15分入ると、汗として約800㎖の水分が失われると明らかになっています。入浴前に、アルコールやカフェインの入っていない飲料をコップ1杯程度は飲んでから入浴するようにします。

  • 水温を41度以下に下げる。
    もし寒く感じるようであれば、入浴前に、先に足湯に入り体を温めます。

  • 脱衣所や居間といった居住空間の室温を上げる。
    WHOは冬季の家屋内の温度を最低でも18度以上に保つように勧めていますが、日本の場合は平均で16,7度、脱衣所は12,8度と冬場は寒くなっています。家全体の温度を温めることで、冷えた体を温めようとお風呂の温度設定を上げることを避けることができます。脱衣所に暖房器具を置く、また浴室に暖房機能があればそちらを使うようにしてください。

またこの他にも、飲酒後すぐの入浴(飲酒時は体は脱水状態にあります)は避けるようにしましょう。体を温め心身ともにリラックスさせてくれる入浴ですが、まだまだ冷え込みがある季節、水分補給とお風呂のお湯の温度管理を必ずするようにして熱中症にくれぐれも気をつけてください。また、高齢の家族がいる場合は特に注意を払うようにしていきたいですね。

以前紹介した、浴室でのスマホの取り扱いが原因による事故の記事も併せてぜひご覧ください。

プレビュー画像:©︎Pinterest/Natali

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