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職人の凄技が光る|米粒より小さい塊の正体

細やかな手仕事が生きる伝統工芸品や最先端技術を駆使した工業製品など、ものづくりにおいて、長く世界をリードしてきた日本。最近では、少子高齢化による人手不足や、IT化の遅れが問題となっていますが、現役の職人や技術者たちの腕は健在であり、今も世界に誇れる大切な財産です。

職人の技が生きた小さな塊の正体は…

そんな日本のものづくりの技術力の高さを改めて感じるTwitter投稿が話題になっています。

こちらの指先に乗った米粒よりも小さな塊、何かわかりますか?

指先に乗った小さな塊
Twitter/mtd_weldy

正体はこちら。

なんと言うことでしょう!

この小さな塊は1mm角の金属製のサイコロだったのです。しかも職人の手によって厚さ0.05mmのステンレスの箔板が溶接でつなぎ合わされ作られたと言うからさらに驚きです!

1mm角のサイコロ拡大
Twitter/mtd_weldy

この投稿をしたのは、静岡県富士市の精密板金加工やレーザー切断加工を行なっている株式会社マツダの公式ツイッター。特に薄板溶接・微細溶接を得意とする同社は、職人技と最新機器を駆使し、これまでは板の厚み0.3mmが限界と言われていたところを、0.05mmからの薄さで溶接を可能にしたそうです。

ツイートで紹介した1mm角のサイコロでは、板厚0.05mmのステンレスの箔板を、ファイバーレーザーで溶接したもので、面と面のつなぎ目部分も0.1mmという薄さ。職人が手術のように画面を見ながらピンセットで支えて溶接しているそうですが、あまりの小ささに、息を止めて作業しているそうです。

また、拡大写真を見るとサイコロのつなぎ目には丁寧な溶接の跡が見られますが、このつなぎ目は技術力がないとデコボコしてしまうと言われ、このサイコロのような美しいつなぎ目はまさに職人の技術の賜物なのです。

「脳がバグる」「すごすぎる…」ネットの反応

この細かい手仕事には多くのユーザーからも反響が寄せられています。

金属の溶接は、自動車や船舶、電子機器、建築資材から医療機器まで、あらゆる製品を制作するために必要とされています。また、近年ますます「小さく、薄く」というニーズが増えてきているのだそう。今回紹介したように、職人の技術はそんなニーズに応え、かつ正確で安定した品質の提供を支えています。日本の金属加工技術が世界トップレベルと言われる背景には、こうした職人たちの絶え間ない鍛錬があるということを改めて感じますね。

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体の一部も道具に|美しい日本の伝統工芸「爪掻本綴織」

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プレビュー画像:©︎Twitter/mtd_weldy
出典:©︎Twitter@mtd_weldy, 株式会社マツダ