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その他の豆知識

空港で見るフィルムぐるぐる巻きのスーツケース|バゲージラッピングとは

空港で預け入れしたスーツケースをゲートで受け取る際、ラップのような専用フィルムでぐるぐる巻きにされたスーツケースを目にしたことがありませんか?

飛行機で積み込む過程でスーツケースが破損してしまったのか、もともと閉まりにくいスーツケースだったのかな、なんて思う人が多いと思います。でも、このぐるぐる巻きには理由があるそうです。

どんな時にスーツケースをフィルムで包むの?

バゲージラッピングと呼ばれるスーツケースのぐるぐる巻きには、さまざまなケースがあると言われています。

1. 汚れやキズ、盗難防止

多くの他の乗客のスーツケースとともに飛行機に積載されるスーツケースは、時に傷がついてしまったり、汚れてしまうものです。ドイツ・フランクフルト国際空港によると、スーツケースのぐるぐる巻きには、汚れやキズ、輸送中の破損の防止、また別の第三者による盗難(主に貴重品の抜き取り)や密輸などのスーツケースの不正利用の役割もあるそうです。

2. 密輸対策

先にご紹介したように、第三者によるスーツケースの不正利用については各国の空港や外務省などで注意喚起がされています。というのも麻薬や不法薬物などの密輸業者は、関係のない旅行者のスーツケースにこれらの物品を忍び込ませ、定期的に密輸を働こうとしているそうです。専用フィルムできつく巻いておくことで、第三者がスーツケースに細工ができないため、知らないうちに「麻薬の運び屋」にさせられるケースを防ぐことができます。

Heathrow - attempted theft

3. 費用の節約

バゲージラッピングには、さらに超過手荷物の追加料金回避という役割もあるそうです。ドイツ・デュッセルドルフ国際空港の広報担当者によると、2つの荷物をフィルムで包んで1つにするというテクニックがあるそうです。ベビーカーや嵩張る荷物などをまとめることができます。

バゲージラッピングは問題もあり?

バゲージラッピングのサービスは近年、日本の空港でも取り入れられています。費用は1つ1000円〜2000円ほどかかるとのこと。

バゲージラッピングについては、スーツケースの汚れや損傷の防止など、荷物を守るという意味がありますが、一方では使用後のフィルムのゴミが大量になるということもしばしば指摘されています。ドイツ・ハノーファー空港によると、フィルムで巻かれたスーツケースは荷物検査の際に、中までしっかり検査ができず時間がかかったり、さらにはベルトコンベアーに乗せてスーツケースを移動させる際に、フィルムが妨げとなり、スムーズにスーツケースを移動させることができないといった問題も生じているそうです。

預け入れをした後のスーツケースが、無事に到着し、手元に戻ってくるかどうか、旅行の時に確かにドキドキすることもありますよね。破損などのダメージ、また犯罪に巻き込まれる可能性を避けるという点では理にかなっているかもしれませんが、スーツケースを扱う職員にとってはやや難点もありそうです。皆さんはこのサービスを受けたことがありますか?

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出典: hnaderwesten
プレビュー画像: ©flickr/Jeppestown