「やめたくてもやめられない」依存症が生じやすい親子関係・家庭環境とは?

依存症とは、アルコールや薬物の使用、刺激の多い行為(ゲームやギャンブル)を繰り返してしまい、それがないと禁断症状が出てしまう「やめたくてもやめられない」状態。 日常生活に支障をきたし、自傷行為に至ることもあります。自分の子どもに依存症になってほしい親などいるはずもありませんが、それでも依存症の根本的な原因として、子どもの頃の親子関係や家庭環境が大きく影響していることは少なくありません。

この記事では、将来の依存症につながってしまう親子関係や家庭環境についてお話します。

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1. 無関心やネグレクト

赤ちゃんは何かを必要としているときに大声で叫んだり、泣いたりします。でも、いくら叫んでも誰も要求に応えてくれないと、子どもは身体的・心理的ストレスにさらされ、発達にも長期的な影響を及ぼします。​また、子どもは「自分は無力だ」「自分は見捨てられた存在だ」と感じ、基本的な信頼関係を人と結ぶことができなくなります。​このことが長期的に、不安感や寂しさ、承認欲求の欠如につながり、何かに依存することにつながっていきます。

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2. 過度な甘やかし

ネグレクトの真逆の極端な例として、過度の甘やかしも依存症につながる原因です。​親は、子どもに十分な注意を払い、必要や欲求を満たしつつも、望むものすべてを手に入れることはできないということをゆっくりと教えていく必要があります。子どもは欲求不満やイライラを経験し、それに自分で対処する術を学んでいく必要があるのです。

​でも、欲求が満たされずに不機嫌な子どもに、「ノー」 と言わず、代わりにおもちゃやお菓子を与えるなどしていると、子どもは欲求不満に対処する経験を奪われることに。子どもは遅かれ早かれ、家族の外でイライラする瞬間を経験しますが、対処の仕方がわからず、依存症の原因となるものに慰めを求めるようになるのです。

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3. 過干渉

昔は家事労働が大変だったこともあり、必要以上に子どもを管理したり、干渉したりする親は少なかったようです。​現代では、危険に対する認識が非常に高まっており、先回りして危険を回避しようとする親が増えています。

こうした​親の先回り行動は、子どもが失敗や間違いをするのを妨げるだけでなく、達成感を得るのを妨げるものです。​​子どもたちが後になって人生の 「支え」 として薬物を必要としなくてもすむように、子どもは、何かがうまくいかないことは悪いことではなく、学習の一部であると知り、自分は変化を起こすことができるという自信を獲得する必要があるのです。

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4. 成績に固執

多くの親は、子どもが将来よい仕事につき、社会に取り残されないように、子どもに勉強させようとします。しかし、親があまりにも成績に固執すると、子どもは自分の価値は成績によって決まると感じ、​成績が下がったり、受験に失敗すると自分を必要以上に責めてしまいます。

​また、子どもが自分自身のためではなく、ある期待に応えたときにだけ愛されていると感じてしまうことにもつながります。​そのため、まわりの期待に応えられない自分を責め、薬物や飲酒で一時的な自信を取り戻そうとするのです。

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5. 自由な時間を奪う

子どもたちには自由な時間が必要です。​逆説的に聞こえるかもしれませんが、部活、音楽などの習い事、スポーツのクラブチームなどで活動をしていても、それは自由な時間ではありません。そのような場で子どもは常に受動的な役割に押しやられているからです。

子どもには自分の創造性や想像力を発揮して、自由に活動する時間が必要なのです。スケジュールを埋められてしまった子どもは、思春期や大人になって、退屈や心の空虚さを飲酒や薬物で満たすことしかできない大人になってしまうことがあります。

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6. 報酬

依存症のきっかけは薬物やアルコールを自分への報酬とすることからはじまります。そして、それもまた小児期にルーツがある場合があります。多くの親が良い行動を積極的に強化するために報酬(ごほうび)を与えます。多くの場合、脅したり罰を与えたりしたくないなどの理由で善意で行うのですが、​問題は、報酬と罰、つまり「アメとムチ」は表裏一体だということ。報酬も罰も子どもに特定の行動をとらせるために利用することはできても、その行動自体がなぜ良いのか、あるいは望ましいのかを子どもに理解させることはできません。

お金や食べ物、プレゼントなどによる報酬はまた、子どもの脳内に、依存症を引き起こす幸福ホルモンを放出します。「今いい子にしていてくれるなら、明日遊びに連れて行くね」というような取引も同様です。

Reward

もちろん、依存症の原因が常に親子関係や家庭環境にあるわけではありません。​しかし、小児期は個人の発達にとって決定的な時期。大人になって顕在化する問題の多くが小児期に由来するのも事実です。親の行為や態度が、たとえ​愛情や善意に基づいていても、常に子どものためになるわけではないということを親は知っておく必要があります。

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プレビュー画像: © Flickr/Isaac Leedom © Flickr/kynan tait

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