ヘルスケア
感染症対策にアルコール消毒で安心してはいけない理由
風邪や感染症の流行が本格化する冬のシーズン。これら感染症予防の基本となるのが、手洗いやうがいの習慣です。
そしてここ1年以上に及ぶコロナ禍において、コロナウイルス対策として手指のアルコール消毒が定番化しています。
特にアルコール消毒については、家庭だけでなく買い物時にお店の入り口や勤務先、また飲食店などの店先にも常備されているのが当たり前となっています。また、小さなアルコール消毒ジェルのボトルを携帯しているという人も。
しかし、今年の冬は細菌やウイルスなどの原因によって腹痛や下痢を引き起こす感染性胃腸炎にかかる人がコロナ以前の水準になっていると言われています。
一関市のこども園でノロウィルスの集団感染|NHK 岩手県のニュース
— 感染症 / 食中毒ニュース (@news_CNS) December 7, 2021
33人がおう吐や下痢などの症状を訴え。
県内では10月からノロウイルスの集団感染が相次いでいて、今年度はすでに21件と、前の年の同じ時期の2倍以上にのぼっています。
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感染性胃腸炎の原因には、さまざまな病原体がありますが、よく耳にするものにノロウイルスがあり、発熱・下痢・吐き気・嘔吐・腹痛などといった症状が現れるほか、抵抗力の弱い高齢者や小さな子供は脱水など症状が重くなることもあると言われています。
でも、感染症対策に人々が敏感になっている今、どうしてまた感染性胃腸炎が増えているのでしょうか。
みなさんアルコール消毒をすればウイルスへの感染対策ができているとつい思ってしまっていませんか?
実は、ウイルスの構造の違いによって「アルコールが効きにくい」ものもあるのです。
ウイルス感染対策にアルコール消毒をされているかと思いますが、実は「アルコールが効き難いウイルス」もあります。
— こども&アレルギー🌈小児科医 (@kodoare) November 10, 2021
ウイルス本体の周囲に「エンベロープ」と呼ばれる膜が有るウイルスは、アルコールによりエンベロープが破壊されることでウイルスが倒される仕組みです。https://t.co/6J0FS7z6I6 pic.twitter.com/qJqb9Y4yeT
コロナ感染が広まり始めた昨年、エンベロープウイルスという言葉をよく耳にした人が多いと思います。ウイルスには、本体の周りにエンベロープと呼ばれる膜があるものと、そうでないノンエンベロープウイルスというものが存在します。感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルスやロタウイルスは、このノンエンベロープウイルスに該当すると言われています。
エンベロープウイルス
— yumi ゆみ (@ygjumi) March 26, 2021
ノンエンベロープウイルスhttps://t.co/PIn1YiXllG pic.twitter.com/Abahb20oAV
エンベロープを持つウイルスは、コロナウイルスのほか、インフルエンザウイルスがあると言われ、アルコール消毒することでエンベロープが破壊されウイルスが倒される仕組みになっています。しかし、エンベロープを持たないウイルスは、表面がタンパク質の殻で覆われているため、アルコールなどの消毒薬が効きにくい性質を持つと言われています。
あくまで手洗いが第一で、アルコール消毒は次善の策。
— matiere* (@matiere) December 2, 2021
新型コロナウイルスだけ気にしてしまうと、他感染症のことを忘れてしまう問題。
アルコール消毒の盲点?増える感染性胃腸炎 | NHKニュース https://t.co/NMUT7O5zuM pic.twitter.com/rKmBy2NEkZ
このため、アルコール消毒をしたから大丈夫という思い込みで、手洗いが疎かになったことから、今冬に再びコロナ前の水準で感染性胃腸炎にかかる人が増えているのではと考えられています。
神奈川県、全域にノロウイルス警報 3週連続、患者数増加 予防対策呼び掛け https://t.co/Qc52Y52RZF #47NEWS #地域ニュース
— 47NEWS (@47news_official) December 7, 2021
アルコールに強い性質を持つノンエンベロープタイプのウイルスを落とすには、何よりも手洗いをしてウイルスを洗い落とすことが有効だと言われています。
また、手洗いの他にも微酸性の次亜塩素酸水の場合はエンベロープウイルス、ノンエンベロープウイルスの両方に有効だそうです。
おはようございます!
— 東長崎駅前内科クリニック (@h_nagasaki_cl) December 8, 2021
12月8日水曜日
豊島区長崎の今朝の天気は雨☔
冷たい雨です🥶
今年は感染性胃腸炎が早めに増加しているようです
代表的なノロウイルスはアルコールが効きにくいのですが、次亜塩素酸が有効です
感染対策はしっかりと実施しましょう#企業公式が毎朝地元の天気を言い合う#手洗い pic.twitter.com/BfwxQaCPRe
感染症対策の基本の手洗いですが、アルコール消毒をしているからとつい過信してしまいそうになります。これからの季節、手洗いを再度見直し、コロナ対策、そして感染性胃腸炎対策としていきたいですね。
※ノロウイルスは食品を介して人に感染する場合があります。冬の味覚であるカキなどの二枚貝は、加熱用の場合しっかりと中まで火を通して食べるようにしてください。またキッチンまわりは、先ほど紹介した次亜塩素酸水や熱湯で消毒するとより感染対策を取ることができます。
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プレビュー画像:©︎Pinterest/Chia Schmitz
