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アリス ラプンツェル エイリアン…変わった名前のついた10の病気
病気には軽いものから深刻なものまで様々なものがあります。誰でも知っている風邪から100万人に1人がかかる超希少疾患まで、まさに星の数ほど存在する病気。ここでは、少し変わった名前の珍しい病気をご紹介したいと思います。特にメンタルヘルスの疾患は、知っていれば症状から病名を思い出せるものが多いので、問題が起きたときに役に立つかもしれません。
1. ウェルナー症候群
ウェルナー症候群は、ドイツの医師オットー・ウェルナーが初めて報告した稀な遺伝病です。いわゆる「早老病」のひとつで、20代から白髪、脱毛、白内障などが起き、手足の筋肉や皮膚もやせて固くなり、実年齢より老けて見えるようになります。さらに、2型糖尿病、骨粗しょう症、動脈硬化、悪性腫瘍などの深刻な加齢性疾患も早期に発病するため、50歳を迎えるまでに亡くなる方が多い病気です。
2. ハネムーン症候群
上腕の橈骨神経(とうこつしんけい)が何らかの理由で損傷や圧迫されることにより、神経麻痺が生じる病気で、別名「公園ベンチ症候群」や「サタデーナイト症候群」とも呼ばれます。深酒で自分の片腕を枕にして寝てしまったり、誰かに腕枕をしていたために、腕の神経が圧迫されて生じることがあるため、こんな呼び名がついたようです。他にも松葉杖を長時間使っていても、橈骨神経が麻痺することがあります。
腕や手が痺れ、手首をあげることができなくなるなどの症状が出ます。
3. 唾石(だせき)
唾石はその名の通り、唾液からできた小さな石。唾液腺や唾液の排出される管の中にできる石で、入り込んだ異物などが核となり、リン酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、マグネシウムなどが沈着して形成されると考えられています。石の大きさや形は様々。
症状としては、食事時の唾液腺部のはれや痛み、口腔内の痛みなどがあります。
4. はやり目(目の風邪)
はやり目は目の風邪。アデノウイルスという風邪ウイルスが、喉に感染すると喉風邪、鼻に感染すると鼻風邪、目に感染すると「はやり目」なんです。目が赤く充血し、目ヤニがでるので、普通の結膜炎と間違えられることが多いのですが、感染性が強く、ウイルスが付着した手で目をこするとほぼ100%感染してしまいます。
5. 不思議の国のアリス症候群
この病気の名前はもちろん世界的な児童文学「不思議の国のアリス」に由来しています。アリスの体が大きくなったり小さくなったりするように、目の前の人や物が極端に大きく見えたり、小さく見えたり、ゆがんで見えたりする病気です。知覚だけでなく、触覚の変化や時間感覚の変化が現れることもあります。
多くは小児期に起こる病気で、てんかんや片頭痛などにより生じる可能性があります。
6. ラプンツェル症候群
こちらはグリム童話「ラプンツェル」にちなんで付けられた名前です。ラプンツェルは城に幽閉されていた美しい長い髪を持つ少女の名前。
ラプンツェル症候群は「食毛症」とも呼ばれ、自分の髪の毛を抜いて食べてしまう精神疾患です。人間は髪の毛を消化することができないため、長期的には髪の毛が胃の中で石化してしまいます。激しい腹痛を引き起こし、最悪の場合は腸閉塞を起こし、死亡例もあります。
7. ブロークンハート症候群
ブロークンハート症候群は、失恋に限らず、重度の精神的ストレス(近親者の死など)の結果生じる心臓疾患です。極度の苦しみと悲しみにより、心臓が締め付けられる感覚、心臓の痛み、不整脈、息苦しさなど、心臓病と同じような症状が起こります。
8. 臭鼻症
臭鼻症は、鼻の中が臭くなったり、臭い鼻息が出る病気です。通常、本人ではなく、周囲の人が気づきます。一般的には鼻腔内の粘膜の乾燥などによって鼻の粘膜が臭くなることで起こります。また、手術やスプレー式点鼻薬の過剰使用など外部からの影響によって、鼻粘膜が退行し、細菌が鼻の内部に定着することもあります。
9. 自動醸造症候群(腸発酵症候群)
この疾患にかかった人は、炭水化物を多く含む食べ物を食べると、腸内に酵母が増加し,酵母が糖をアルコールに変換。その結果,腸内でビールが醸造されて、酔っぱらってしまいます。
極端な食事制限や抗菌薬の使用で腸内細菌のバランスがくずれることが原因と言われています。
10. エイリアン・ハンド症候群
エイリアンハンド症候群は「他人の手症候群」とも呼ばれ、片手がまるで自分の意思を持ったかのように勝手に動いてしまい、もはや制御することができなくなる運動障害です。広範な脳損傷が原因とされています。本人の意に反して食べ物を口に詰め込んだり、自分の首を絞めたりするなど、信じられないような症例報告もあります。
上にあげた10の病気には奇妙な名前がついていますが、決しておかしな病気ではありません。病気を知ることは人間の不思議を知ること。珍しい病気や変わった徴候についてもっと知りたい方は以前紹介した、体のサインが教えてくれる11の病気の兆候の記事もご覧ください
プレビュー記事: © flickr/Alan Light © flickr/Matt Davis
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