その他の豆知識
愛猫が塩素系洗剤の匂いが好き!?でも絶対近づけないで
猫はよく、犬とは対照的に独立心が強く餌が欲しい時やかまって欲しい時だけ近寄ってくる、とよく言われます。しかし、猫と生活したことがある人であれば、猫が一緒に暮らす人間と触れ合うことを好み、たっぷりと愛情を示してくれることを経験済みなのではないでしょうか。
カラスにつつかれてる所を親父が拾ってきたんだけど、めっちゃ好かれてて笑った pic.twitter.com/NU59g4mtyP
— ????? (@turi2018) April 14, 2021
飼い主が家の中を移動すれば、付いて回る、すぐそばにちょこんと座って飼い主の行動を大人しくジッと見つめる、はたまた急にゴロンと転がって「遊んで」を全身でアピールしたり、と好きオーラをかなり出してくる猫。かわいいですよね。
仕事中、トイレに行く途中の廊下に猫が落ちていました?笑
これはさつきさんの遊んでアピールか…?
すみません、下僕はお仕事中なので遊ぶのは夜でお願いできますか?#猫#保護猫#ずっとのお家#猫好きさんと繋がりたい#猫のいる暮らし#猫写真#キジトラ#猫をTLに流しちゃおう pic.twitter.com/cxgfUB8lU6— はづきとさつき (@haduki_F_satuki) June 3, 2021
でも、いくらそばにいたいとアピールされても、こんな時は猫を遠ざけて欲しいというある獣医の呼びかけが話題になっています。
カビ取り剤などの塩素系洗浄剤を使う際は猫を絶対に近づけないでください⚠️飼い主がお風呂掃除しているのを近くで見ていただけで数日後に死亡した例もあったそう。しかも猫はなぜか塩素のニオイが大好きで、自ら寄ってきたり、またたびのような反応をみせたりすることも。換気と隔離を徹底しましょう! pic.twitter.com/ou0KyckaIG
— 獣医にゃんとす?ねこ本3/11発売! (@nyantostos) July 5, 2021
Twitterユーザーで獣医師の獣医にゃんとすさん(@nyantostos)さんは、飼い主が掃除をしているのを見ていただけで、猫が数日後に亡くなってしまったという例とともに、塩素系洗浄剤を使用して掃除をする時は猫を絶対に近づけないでくださいと注意喚起をしています。
塩素系洗剤のツンとしたあの独特の匂いは、使う私たちでさえ時にウッと来るような匂いのため、そもそも嗅覚の優れた猫は近寄らないのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、あの塩素系洗剤の匂いを好む猫が実は結構いると言われ、匂いを嗅いだ後、その場所に体を擦り付けたり、床に転がったりとまるであの猫界の脳内麻薬と言われるマタタビを嗅いだ時と同じような行動を取るそうです。
うちの猫助はハイターした雑巾類が大好き。台所からくわえてきて、悶えてます。 pic.twitter.com/72NRbUkw0r
— 元、改名、ころころ助 (@colosuke34gmai2) January 28, 2015
マタタビと塩素系洗浄剤の成分が似ているのか、詳しくは解明されていないそうですが、塩素系洗浄剤はマタタビとは違い猫には毒であり、最悪の場合は先に挙げたように死に至るケースもあるのです。
塩素系洗浄剤は、主に次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩化イソジアヌールなどの成分が含まれており、強アルカリ性のため、舐めたり飲んだり、皮膚に付いたりすると、以下のような症状が起こる可能性があるそうです。
- 口や皮膚のただれ、痛み
- よだれ
- 嘔吐
- 吐血
- 涙が出たり、眼が真っ赤になる
直接舐めていなくても、洗剤のついた床にスリスリした際に体につけば、毛繕いの時に成分が体内に入ってしまうことも考えられます。また、匂いを嗅いだことで呼吸困難や咳といった症状が現れることも。
そのため、猫が塩素系洗浄剤の匂いが好きで近寄ってくるのであれば絶対に遠ざけるようにしてください。また、塩素系の洗剤がダメなら、漂白剤を使用する場合はは酸素系、または還元型のものならOKというわけでもないようです。酸素系漂白剤の主成分である過酸化水素や過炭酸ナトリウムや、二酸化チオ尿素、ハイドロサルファイトを主成分とする還元型漂白剤も同様に猫の体に危険を及ぼす可能性のある成分です。そのため決して近づけないということを徹底するようにしてください。
また、猫が塩素系の匂いを好んで近寄ることがあるため危険としましたが、これらは犬に対しても同様に危険です。特に室内で犬と暮らしているという方は注意をするようにしてください。
塩素系、犬も弱いです!
うちの犬が血尿がでたときに、ドックトレーナーさんが塩素系の漂白剤、つかわなかった?といわれました。確かにつかっていました。真意の程はわかりませんが、それから特に注意しています。
塩素系漂白剤使用する際は、換気とバスルームなどのドアをしっかりしめて!! https://t.co/ch70gzJgVM— どらくめ (@kuntapom) July 5, 2021
にゃんとすさんの呼びかけに、猫が塩素系洗剤が好きとは知らなかった、という感想や、実際に体調を崩してしまったという体験談など多くの反響が寄せられました。
ちょうど2週間前に付け置きする用に
キッチンハイターをバケツに
希釈して置いてあったのですが
顔突っ込んで飲んであわや大惨事になりかけました??
すぐ主治医に連絡取れたので応急処置して何事もなかったです?
猫ちゃんがハイター系が好きなんて初知りです?— Shoko*** (@kj__yf__) July 5, 2021
数年前に猫が急にグッタリして通院と1日入院しました。まな板をキッチン泡ハイターして寝てしまい、もしかしてそれが原因なのかもと今更ゾッとしました。血液検査では肝臓のALTの数値が高かった。自分の無知で猫に苦しい思いさせたなんて。今後徹底して気を付けます!
— リエ (@RIRY0315) July 5, 2021
確かに!
うちの子たちも何か作業してるとわざわざ覗きに来る!お掃除はナチュラルクリーニングを心掛けて、塩素系は限りなく使わないようにしているけど、他の薬品類も教えてほしいです。
— 日阪 瑤 (@alexandritecats) July 5, 2021
我が家の猫も
カビ取りハイターに興味を示します。以後気よ付けます。
— フンガー@FUWA (@omaekorotyu) July 5, 2021
ちなみに、塩素系洗剤に使われる次亜塩素酸ナトリウムと、コロナで有名になった次亜塩素酸水(細菌やウイルスに対して殺菌効果のある除菌水)は種類が違います。
次亜塩素酸水の消毒なんかは大丈夫なのかな…
— んぬ (@warenabesan) July 5, 2021
また、猫が万が一舐めてしまった時の自宅でできる応急処置としては、口の中をゆすぐ、水を飲ませる、また牛乳を少量飲ませる(乳製品は消化管に被膜を作るで、漂白剤の吸収が悪くなります)といった対処法があります。しかし、猫の体調が悪くなったという時はすぐに獣医師に診断をしてもらうようにしてください。
猫に洗剤や漂白剤などのアルカリ性剤が間違って眼や体に付いてしまった時は流水でよく洗い流してタオルで拭き取って下さい体に付着していると猫は舐めてしまいます。舐めてしまうと消化管に強いダメージが起き、穴があくこともありますので、すぐに水や牛乳を沢山飲ませて、病院に行ってください。
— 藤井動物病院FVMC(WBC動物病院グループ) (@FujiiACC) September 12, 2018
肝臓は栄養素の分解、合成・貯蔵を行ったり、体内に入った毒素を解毒する機能があり、生きていくためには欠かせない臓器です、人間や犬と違い猫には解毒機構と呼ばれる「グルクロン酸抱合」という能力が備わっていないそうです。
これほど強い毒性が出る理由はおそらくグルクロン酸抱合という肝臓の解毒経路を欠いているためだと考えられています。猫が700種類もの植物に対して毒性を示したり、人間や犬で使用できる薬が使えないのもこれのせいです。
— 獣医にゃんとす?ねこ本3/11発売! (@nyantostos) July 5, 2021
このため、猫にとっては今回紹介した洗剤の成分だけでなく、エッセンシャルオイルなどの香りやユリ科の花の香りといった植物性の香りも毒になると言われています。大切な家族の一員であるペット、長く一緒にいるためにも家の中で起こりうる危険は避けるようにしていきたいですね。
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プレビュー画像:©︎Twitter/nyantostos

