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愛猫が塩素系洗剤の匂いが好き!?でも絶対近づけないで

猫はよく、犬とは対照的に独立心が強く餌が欲しい時やかまって欲しい時だけ近寄ってくる、とよく言われます。しかし、猫と生活したことがある人であれば、猫が一緒に暮らす人間と触れ合うことを好み、たっぷりと愛情を示してくれることを経験済みなのではないでしょうか。

飼い主が家の中を移動すれば、付いて回る、すぐそばにちょこんと座って飼い主の行動を大人しくジッと見つめる、はたまた急にゴロンと転がって「遊んで」を全身でアピールしたり、と好きオーラをかなり出してくる猫。かわいいですよね。

でも、いくらそばにいたいとアピールされても、こんな時は猫を遠ざけて欲しいというある獣医の呼びかけが話題になっています。

Twitterユーザーで獣医師の獣医にゃんとすさん(@nyantostos)さんは、飼い主が掃除をしているのを見ていただけで、猫が数日後に亡くなってしまったという例とともに、塩素系洗浄剤を使用して掃除をする時は猫を絶対に近づけないでくださいと注意喚起をしています。

塩素系洗剤のツンとしたあの独特の匂いは、使う私たちでさえ時にウッと来るような匂いのため、そもそも嗅覚の優れた猫は近寄らないのでは?と思う方もいるかもしれません。

しかし、あの塩素系洗剤の匂いを好む猫が実は結構いると言われ、匂いを嗅いだ後、その場所に体を擦り付けたり、床に転がったりとまるであの猫界の脳内麻薬と言われるマタタビを嗅いだ時と同じような行動を取るそうです。

マタタビと塩素系洗浄剤の成分が似ているのか、詳しくは解明されていないそうですが、塩素系洗浄剤はマタタビとは違い猫には毒であり、最悪の場合は先に挙げたように死に至るケースもあるのです。

塩素系洗浄剤は、主に次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩化イソジアヌールなどの成分が含まれており、強アルカリ性のため、舐めたり飲んだり、皮膚に付いたりすると、以下のような症状が起こる可能性があるそうです。

  • 口や皮膚のただれ、痛み
  • よだれ
  • 嘔吐
  • 吐血
  • 涙が出たり、眼が真っ赤になる

直接舐めていなくても、洗剤のついた床にスリスリした際に体につけば、毛繕いの時に成分が体内に入ってしまうことも考えられます。また、匂いを嗅いだことで呼吸困難や咳といった症状が現れることも。

そのため、猫が塩素系洗浄剤の匂いが好きで近寄ってくるのであれば絶対に遠ざけるようにしてください。また、塩素系の洗剤がダメなら、漂白剤を使用する場合はは酸素系、または還元型のものならOKというわけでもないようです。酸素系漂白剤の主成分である過酸化水素や過炭酸ナトリウムや、二酸化チオ尿素、ハイドロサルファイトを主成分とする還元型漂白剤も同様に猫の体に危険を及ぼす可能性のある成分です。そのため決して近づけないということを徹底するようにしてください。

また、猫が塩素系の匂いを好んで近寄ることがあるため危険としましたが、これらは犬に対しても同様に危険です。特に室内で犬と暮らしているという方は注意をするようにしてください。

にゃんとすさんの呼びかけに、猫が塩素系洗剤が好きとは知らなかった、という感想や、実際に体調を崩してしまったという体験談など多くの反響が寄せられました。

ちなみに、塩素系洗剤に使われる次亜塩素酸ナトリウムと、コロナで有名になった次亜塩素酸水(細菌やウイルスに対して殺菌効果のある除菌水)は種類が違います。

また、猫が万が一舐めてしまった時の自宅でできる応急処置としては、口の中をゆすぐ、水を飲ませる、また牛乳を少量飲ませる(乳製品は消化管に被膜を作るで、漂白剤の吸収が悪くなります)といった対処法があります。しかし、猫の体調が悪くなったという時はすぐに獣医師に診断をしてもらうようにしてください。

肝臓は栄養素の分解、合成・貯蔵を行ったり、体内に入った毒素を解毒する機能があり、生きていくためには欠かせない臓器です、人間や犬と違い猫には解毒機構と呼ばれる「グルクロン酸抱合」という能力が備わっていないそうです。

このため、猫にとっては今回紹介した洗剤の成分だけでなく、エッセンシャルオイルなどの香りやユリ科の花の香りといった植物性の香りも毒になると言われています。大切な家族の一員であるペット、長く一緒にいるためにも家の中で起こりうる危険は避けるようにしていきたいですね。

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プレビュー画像:©︎Twitter/nyantostos

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