その他の豆知識
葉がそっくり|ニラとスイセンの取り違えに注意
春に旬を迎える野菜には、冬の間に体に溜まった体内の老廃物をデトックスしてくれる作用があると言われています。日本に古くから伝わる春野菜は苦みや独特の風味があると言われ、この時期旬を迎えるニラもその一つ。スーパーで季節を問わず手に入りますが、春のニラは葉が柔らかく、強い甘味と香りを楽しめます。
ニラと酷似の植物、食べてしまうと食中毒に
この旬の季節に出回るニラですが、実はある植物の葉と酷似していると言われています。その植物とは「スイセン」。
冬場になると白くて可憐な花を咲かせるスイセン。ついニラと間違えるなんて…と思ってしまいますよね。でも、花が咲いてない季節は、葉がニラに、球根がタマネギや山菜のノビルに酷似していると言われます。
そのため、これらの野菜や山菜が旬を迎える4月ごろは、スイセンの葉をニラと勘違いし、食べてしまったことによる食中毒が多く発生しているそうです。
【スイセン類による食中毒が発生】 #ニラ と誤り #スイセン を食べたことによる #食中毒 が発生しています。花壇、家庭菜園、畑で野菜と観賞植物を一緒に栽培するのは止めましょう!食用と確実に判断できない植物は採らない!食べない!売らない!人にあげない!https://t.co/pgafnbkyDK pic.twitter.com/jqHzx3OeMY
— 厚生労働省 (@MHLWitter) April 12, 2022
つい先日も、京都市内の子育て支援施設でニラとスイセンの取り違えによる食中毒が発生しています。施設内で栽培していたものをニラと思い込み給食に利用したそうですが、調査によって、ニラではなくスイセンだったことが判明しました。
【12人に症状】給食のニラ、実はスイセン 京都の子育て支援施設で食中毒https://t.co/OS6e6kWU92
— ライブドアニュース (@livedoornews) April 11, 2022
12人は回復し、重症者はいなかった。ニラだと思って有毒成分を含むスイセンを誤食し、体調不良を訴える事例が後を絶たず、過去に死亡例もあり厚生労働省が注意を呼びかけている。
今回は嘔吐や発熱という症状が報告されていますが、スイセンによる食中毒は時に命の危険も伴います。
スイセンによる食中毒の危険
厚生労働省が紹介している「自然毒のリスクプロファイル」によると、スイセンは全草が有毒で、リコリン、ガランタミン、タゼチンなどの毒性成分が含まれているそうです。特に球根に毒成分が多いとのこと。中毒症状は、食後30分以内に発生すると言われ、吐き気や嘔吐、頭痛が主な症状です。しかし重篤な場合には、昏睡、低体温などに陥り、海外では死亡例も報告されています。
スーパーでニラを購入した場合は、ほぼ大丈夫と言えそうですが、自宅の家庭菜園でニラとスイセンともに植えている場合は、注意が必要です。また、実際に直売所でニラとスイセンが取り間違えられ販売されていた、というケースも報告されています。このケースでは、出荷した生産者がニラを栽培していた畑の近くでスイセンを育てていたことから、誤ってスイセンを収獲・出荷してしまったそうです。
花がつくと気が付き易いですが、似たもの注意がニラとスイセン、ギョウジャニンニクとスイセン。比べてみてみると良く似ていますがスイセンは中毒を起こすので食べられません。毎年数件起きているので要注意。 pic.twitter.com/zBGq29TAG1
— 楓ヶ原ミサ (@kaedegaharamisa) April 10, 2022
このように、取り違えられることがあるニラとスイセンですが、どのように見分けるといいのでしょか。
スイセンとニラの見分け方
葉だけを並べたら、見分けることが難しいニラとスイセン。見分けるには、以下の方法があります。
ニラとスイセンを間違えて食中毒になった事件、スイセンの花のイメージを浮かべながら「間違えるとかありえるの?」って思ったんだけど、これは間違えるのも頷ける…。 pic.twitter.com/pA7uSuDSR5
— 英司🍦バニラおばさん (@vanilla_obaba) April 12, 2022
・香りの違い
葉を揉んでみて、ニラ特有の強い香りがすればニラ、スイセンの場合はニラのような匂いはしません。また、ニラの香りがしても、香りが弱い場合は、食べることのできない観賞用のハナニラの可能性もありますので食べるのは避けるようにしてください。
【#有毒植物 に御用心!】
— 東京都「食の安全情報」 (@tocho_shokuhin) April 13, 2022
例年、春先は、有毒植物による食中毒が特に多く発生する季節です。中でも #ニラ の葉と #スイセン の葉との誤食に要注意!見分けるポイントは「におい」。ニラの葉は、ちぎってもむと特有のにおいがします。https://t.co/G3GMKEpEM6 pic.twitter.com/4xUmGyUrTa
・葉の大きさ
葉を見て明らかにニラよりも幅が広く、厚みがあり、葉が繊維質で硬い場合はスイセンの可能性が高いと言えます。しかし、細い葉のスイセンはニラによく似ているため、見た目ではほとんど区別がつきません、香りを確かめるようにしてください。
ニラとスイセン。ニラは葉っぱが柔らかいので立っていない。 pic.twitter.com/Rn3vZPKwxs
— ゆかりあん (@toutetsu_1113) April 12, 2022
・球根
スイセンの場合は、根に丸い球根があります。また、茎の太さもニラに比べるとスイセンは明らかに太くなっています。もし生えているものがニラかスイセンかわからない場合は、引っこ抜いてみてください。ニラには、ひげのような根っこがあるのみです。
スイセンを誤食してしまう食中毒。実家から分けてもらい、ニラと比較しました。母の話ではスイセンは生育条件により花が咲かないようです。気をつけていきたいと思います。
— 管理栄養士のsatoshi (@satoshi_eiyoshi) April 12, 2022
(球根がある方がスイセンです。) pic.twitter.com/dQ7fEPp8yE
また、この他にもニラの中にスイセンが混ざって生えていることがあります。スイセンの葉はニラの葉よりも背丈が高いので、他の葉よりも際立って大きいものは採るのを避けるようにしてください。
ぱっと見で並べられたら見分けがつかないと言われるニラとスイセンの葉。ニラと思って手にしたものが、少しでも怪しく感じた時は、食用に利用するのは避けるようにしていきたいですね。
スイセンは食べないで下さい!
— POP@脱サラ農家 (@POP13736388) April 8, 2022
ニラと間違えて
食中毒を起こす方が毎年います
道の駅で販売された事例もあります
見分け方は匂いと
スイセンの葉は厚みがある
スイセンには球根のような根っこがある
これはニラだ!
と言い切れない場合は
絶対に食べない方がいいです pic.twitter.com/DHRZy7oOW5
また、この季節はヨモギが旬を迎えています。ヨモギも猛毒植物のトリカブトにそっくりであることから収穫には注意が必要です。以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
プレビュー画像:©︎Pinterest/hamsonic.net
出典:東京都薬用植物園, 長野市, 群馬県
