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Lifehacks

過ぎ去ったあの時代…廃墟と化した20のテーマパークたち

観覧車にジェットコースター、メリーゴーランドなど、子供の笑い声やキャッキャと喜ぶ声が響き渡り、家族で楽しめるテーマパークは娯楽施設の中でも代表的なものです。

しかし、そんな輝かしい時は長くは続かず今や世界中でテーマパークの多くが閉園しています。子供たちの笑い声がなくなり、観覧車はピタリと静かにその動きを止め、閉園…。人が来なくなった、かつての娯楽施設たちに残された運命は、次第に朽ち果てて行くのみ。

閉園の理由はそれぞれ異なり、来場者の減少によるものや、災害、または設備面での問題を抱えて閉店など様々。今回は、そんな一度は輝きを放っていた世界のテーマパーク20の現在の姿を紹介します。かつて来場者で溢れたテーマパークたちの切ない現在の荒れ果てた姿。時間は時に残酷と感じる写真の数々をご覧ください。

1. シュプレーパーク (ドイツ)

シュプレーパークは1969年、旧東ドイツ・ベルリンにクルトゥーアパーク(文化公園)・プレンターヴァルトという名でオープンしました。当時の旧東ドイツでは唯一の娯楽施設で、毎年の来場者数は170万人に達するほどでした。ベルリンの壁崩壊後にはリノベーションが実施されたものの、経営状況は悪くなる一方でした。そして2002年、ついに閉園に至ったのでした。

経営者家族は、負債をドイツに残したままペルーへ夜逃げ。なんとそこで新たなテーマパークを建設。しかしそこでも経営破綻…そしてこの経営者家族、これだけでは終わりません。その後、彼らは167kgのコカインを遊園地で使っていた遊具に隠しドイツに舞い戻ってきたのでした。麻薬の密輸が発覚し、経営者である父親はドイツの刑務所に7年、息子はペルーの刑務所に20年、それぞれ収監されました。

2. ジョイランド アミューズメントパーク アメリカ

ジョイランド アミューズメントパークは1949年にオープン。2006年に繰り返し起こる安全上の問題が原因で閉園するまでの数十年に渡り、老若男女を楽しませてきました。

Joyland Amusement Park, Wichita, KS

3. ガリバー王国 日本

ガリバーの大冒険にちなんで付けられたガリバー王国は、1997年富士山麓の麓に建設されました。しかしその場所がかつて地下鉄サリン事件を引き起こしたオウム真理教の毒物工場があったとされる旧上九一色村(現富士河口湖町)と青木ヶ原樹海が近かったこともあり客足は遠のくばかりでした。そして2001年、わずか4年という短い期間で閉園に追い込まれてしまいました。

Insult to injury

4. グリーンランド公園 イタリア

イタリアのグリーンランド公園は1965年にオープンし、その後30年以上に渡り人々の愛されていました。しかし、2002年、安全衛生管理上の問題から警察の捜査が入り閉園を余儀なくされてしまったのです。

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5. ルーデン城テーマパーク スコットランド

ルーデン城テーマパークは、1995年から2007年までの間、大人も子供も多くの人が楽しめるテーマパークでした。しかし2007年、18歳のマーク・ブラックウッドさんがジェットコースターから投げ出され、24メートル下に落ち命を落としてしまうという痛ましい事故が起こってしまったのです。

テーマパークの経営者に裁判で無罪判決が下されたものの、来場者は激減。2010年経営難により閉園となりました。

Loudon (33)

6. サンタ村 アメリカ

サンタ村は1955年にクリスマスをテーマにオープンしました。しかし、その1週間後には隣にディズニーランドがオープン。サンタ村への来場者はわずかな人数でした。お隣のライバルはかなりの強敵だったのか、1998年サンタ村はその歴史に幕を下ろしました。

それからおよそ20年、手付かずのまま取り残されていたサンタ村は2016年にスカイパーク@サンタ村に生まれ変わっています。

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7. ランド オブ エバー オランダ

オランダのテーマパークランド オブ エバーは1989年にオープン。小さな子供を対象に作られたのですが、多くのユニークなアトラクションにも関わらず、予想以上に来場者は少なく2007年に閉園。当時の駐車場は現在ではハイキングエリアとして無料で開放されています。

Lined up to go down in history

8. ジアーガ湖 アミューズメントパーク アメリカ

テーマパークの中でも最も古いうちの一つに、1887年に開園したアメリカのジアーガ湖テーマパークがあります。経営難に陥ったのは2000年以降。所有者が何度も変わり、誰一人として経営悪化を阻止することができませんでした。2007年、1世紀以上の歴史に終止符が打たれました。

Geauga Lake Amusement Park

9. ワンダーランド 中国

1998年、中国のテーマパーク ワンダーランドはほぼ完成し、間も無く開園だという時、あるとんでもないことが起こりました。土地の所有者がテーマパークの経営者に対し、土地代として支払いが不可能な額を請求したのです。

これが原因で完成間近のテーマパークの工事はストップ。残念ながらワンダーランドは開園することは一度もありませんでした。地価価値が上昇し続ける中国で、ワンダーランドを土地ごと買い取るという人は今日まで現れていません。この先もワンダーランドはオープンする日を迎えることなく、幻のテーマパークとして残り続けることでしょう…。

Wonderland (Abandoned Theme Park), Beijing China

10. プリピャチ 遊園地 ウクライナ

1986年5月1日、ウクライナのプリピャチ遊園地はオープンを迎えるはずでした。しかしこの1週間ほど前、数キロ先にあったチェルノブイリ原子力発電所が爆発。当初行政は、市民の気が紛れるのならとオープンを決行。しかし数時間後には、避難指示が出されたのでした。これがプリピャチ遊園地が稼働した最初で最後の日でした。

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11. シックスフラッグス アメリカ

2005年夏、死者1800人以上を出したアメリカ史上最悪のハリケーン「カトリーナ」がシックスフラッグス上空を襲った後、この遊園地の惨状に手をつけようとする人は誰一人として現れませんでした。あの日から15年が過ぎた今でも再建や解体の話はありません。

2010-12 New Orleans Six Flags-6

12. アルバノエル公園 ブラジル

ブラジル アルバノエル公園はクリスマスをテーマにしたテーマパークで、1998年にアルバノ・レイスが開業しました。彼自身もクリスマス時期にはサンタに扮して登場し、多くの子供たちを喜ばせていました。

しかし、2004年にレイスがテーマパーク前の通りで観光客の車にひかれて死亡するという悲しい事故が起きて以降、テーマパークは閉園、その姿は朽ち果てていくばかりです。

Park Alalbandel (4)

13. 天津遊園地 中国 

1996年、天津遊園地はオープン。しかし13年後の2009年には来場者数の減少により閉園を余儀なくされました。それ以降、人々から忘れ去られた遊園地ですが、アトラクションの多くは未だその姿を完璧に残しています。

Exhibit #6: Mickey Mouse rip-ff

14. レイクドロレス ウォーターパーク アメリカ

アメリカ初のウォーターパークとして1962年にレイクドロレスウォーターパークは開園。しかし来場者数が年々減少し、80年代に閉園。

1990年、ウォーターパークは売却され、8年後には「ロック-ア- フーラ」テーマパークとしてリニューアルオープンしますが、わずか3年後には、負債が300万ドル超える始末に。それだけならまだしも、さらには従業員が勤務中の事故で半身不随となり、440万ドルの損害賠償を抱えてしまうことになったのです。2000年、破産申請がされ、それ以降このウォーターパークは廃墟と化しています。

Free admission.

15. トゥイ ティエン レイク ウォーターパーク ベトナム

トゥイ ティエン レイク ウォーターパークは2004年、まだ工事が完成していない最中にオープン。そしてわずか2年後には閉園..。現在では、まるでホラー映画に出てくるかのような見た目に。

16. 奈良ドリームランド 日本 

1961年、奈良ドリームランドはオープン。しかし80年代に入るとその来場者は激減してしまいます。その理由は、1983年にオープンした東京ディズニーランド。ディズニーの力はここ日本でも圧倒的です。

しかし、経営者にとってはこれだけに止まらず、20年後にはユニバーサルスタジオジャパンが近場の大阪にオープン。このことが決定打となり、奈良ドリームランドは2006年に閉園を迎えることになったのです。

17. オクポランド 韓国

オクポランドのアヒルをテーマにしたジェットコースターでは、2人の少女が命を落としています。

最初の事故は1990年、ジェットコースターが脱線した時に、乗っていた少女が転落死。しかし経営者は公式にコメントをすることも、少女の両親に連絡をすることもしなかったのです。そして1999年、第2の犠牲者が。またしても少女が同様の脱線事故で命を落としたのです。この痛ましい2つの事件から、オクポランドは閉鎖。荒廃の一途を辿っています。

18. オーシャンビューアミューズメントパーク アメリカ 

オーシャンビューアミューズメントパークは1957年にオープン。このパークも他と同様に十分な来場者数を確保することができず、70年代には解体を余儀なくされていました。しかし、1977年に公開された映画「ジェット・ローラー・コースター」に登場したことをきっかけに、人々の忘却の彼方から呼び戻されたのでした。さらに続く映画「オーシャンビューパークの死」で、パークの解体がこの映画のハイライトに。映画は1979年に公開されています。

19. ヨンマランド 韓国

韓国ヨンマランドは1980年に開園。しかし、9年後にロッテワールドがオープン、ヨンマランドは劣勢に立たされてしまいます。ますますロッテワールドに向かう客足に、2011年ヨンマランドはついに閉園。しかし、そのノスタルジックな雰囲気が多くのフォトグラファーやビデオプロダクションから愛され人気の撮影スポットになっています。現在では遊園地としての機能はないものの、開園時間と入場料が発生する「合法廃墟」として見事に復活を遂げたのでした。

20. ルヌール遊園地 イタリア

ルヌール遊園地はイタリアで最も古い遊園地。1953年にオープンし、2008年に修復工事を理由にいったん閉園をしました。しかしその修復工事が始まったのは4年後。リニュールオープンは伸ばしに伸ばされ、2016年にようやくかなえることができたそう。

Ruota panoramica (LunEUR)

戦後の経済復興やバブルの時代を匂わすこれらの遊園地やテーマパークたち。その朽ち果てた姿が、私たちの好奇心をそそる、なんとも言えない独特の魅力を放っていますね。

またホラー映画に出てきそうなドイツの病院の廃墟を特集した記事や、日本の八丈島にある廃墟ホテルの記事もぜひご覧ください。

プレビュー画像: © Pinterest/atlasobscura © Pinterest/elvision

過ぎ去ったあの時代...廃墟と化した20のテーマパークたち