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犬に与えてはいけない果物4選 

水分をたくさん含んだ旬の夏野菜や果物がおいしい季節です。夏に旬を迎える食材は、汗で失いやすい水分やミネラルを補充するという点でも積極的に取っていきたい食べ物。水分補給代わりになるスイカやきゅうりを夏はたくさん食べますよね。

そんな時、スイカなどを愛犬が欲しがることありませんか?犬は味覚の中でも甘みを感じる味蕾が一番多いと言われ、果物の甘い香りに惹かれて欲しがると言われています。

また、暑さに強くない犬は夏は脱水症状などで夏バテしやすく、そんな時にスイカは食べすぎない量であれば、犬の水分補給にも向いていると言われています。

でも、水分補給代わりや体にいいからと言って、私たち人間が食べる果物を犬になんでも与えていいというわけではありません。犬が好みそうで、しかも一見体にも良さそうな果物が、実は犬の命を脅かしてしまうこともあるのです。

この記事では、犬に与えてはいけない果物についてご紹介します。

犬に与えてはいけない果物

りんごやバナナ、梨、いちごにスイカなど、ビタミンや水分、食物繊維を含む果物は量を守って与えれば犬にとっておやつ、栄養補給として与えてもいいと言われています。しかし、これから紹介する4つの果物は犬にとっては健康被害を引き起こし、場合によっては命を脅かす中毒症状を起こす可能性のある果物です。

1.ブドウ

ヨーロッパでは「畑のミルク」と呼ばれるほど栄養価の高い食品であるブドウ。しかし、犬が食べると、食べて2~3時間後から腹痛や嘔吐、下痢を繰り返すようになるそうです。また、ひどい時には急性腎不全を起こし、最悪の場合は命を落としてしまうことも。

犬がブドウを食べて急性腎不全になる理由は、まだ詳しく分かっていません。原因となるのはブドウの成分である、タンニン、ポリフェノール、フラボノイド、オクラトキシンなどではないかと考えられています。

ブドウは一粒程度なら大丈夫とも言われることもあります。しかし犬の健康状態や体重など個体によって量がどのくらいなら大丈夫とは言い切れず、安全を考えるのであればブドウは与えないことが一番です。

また、ブドウを乾燥させたレーズンは成分が凝縮されており、ブドウの上をいく危険と言われています。菓子パンなどに使われることも多いため、レーズンパンなど、くれぐれも誤食には気をつけるようにしてください。

2.いちじく

「不老不死の果物」とも呼ばれ、栄養たっぷりのいちじく。しかしいちじくに含まれるフィシンとソラレンという成分は犬にとっては危険な成分と言われています。たんぱく質分解酵素であるフィシンは、食べ物の消化を助けてくれますが、犬が食べてしまうと口の中の粘膜を荒らしてしまいヨダレが止まらなくなってしまいます。また口の中だけでなく食道までもがひどく荒れてしまうと、食事や水を取れなくなってしまい危険です。

そしてもう一つの危険成分であるソラレンは、下痢や嘔吐といった中毒症状を引き起こすと言われています。(※ソラレンはオレンジやグレープフルーツなどの柑橘系の皮にも含まれている成分です。柑橘類の皮にも十分気をつけるようにしてください。)

また、ラテックスアレルギーのある犬の場合は、特にいちじくでのアレルギー反応が出ることが多いと言われています。理由は、いちじくにはラテックスアレルギーに反応する天然ゴムに含まれているたんぱく質と似た構造のたんぱく質が含まれているため。このことから、ラテックスの天然ゴムに対する免疫反応が、間違っていちじくに対して作用してしまうことがあるそうです。

3. プルーン

鉄分不足を補ったり、整腸作用があるとして美容にもいいプルーン。しかし、プルーンに含まれているアミグダリンとカリウムの2つの成分は、犬の体にとって悪影響だと言われています。

プルーンの種・茎・葉に含まれるアミグダリンは、体内で腸内細菌の酵素によって分解される時にシアン化水素(青酸)が発生します。そのため青酸中毒を引き起こす恐れがあるのです。
さらに、体内の余分な塩分や老廃物を排出するとして知られているカリウムですが、過剰摂取してしまうと高カリウム血症となり筋力低下や不整脈の症状が出てしまいます。

生のプルーン100gに含まれるカリウムの量は約220mg。フルーツの中でもカリウムの含有量が多く、犬が食べてしまうと逆に危険になる可能性が高いのです。また、プルーンは乾燥させるとカリウムの量はさらに増えるのでドライプルーンも危険です。

4.アボカド

野菜だと思われがちですが、実は果物に分類されるアボカド。森のバターと言われ、良質な脂質を含み動脈硬化や生活習慣病の予防効果があります。

しかし、アボカドに含まれるペルシンという成分は人間には無害ですが、犬が摂取してしまうと、食後1日〜3日ほどから下痢や嘔吐などといった中毒症状を引き起こすそうです。また、高カロリー、高脂肪のアボカドは犬の肥満や糖尿病の原因になるだけでなく、さらには過剰摂取により急性膵炎を引き起こす恐れもあります。

アボカドに含まれるペルシンの量は品種により異なることから、危険となる量の目安はなく、少量でも与えないようにしたほうがいいとのこと。さらにアボカドの大きな種は、誤飲による腸閉塞のリスクもあります。

もし食べてしまったら…

万が一、これらの果物を口にしてしまった場合は、すぐに獣医師の診察をうけるようにしてください。その際は、「いつ」「何を」「どのくらいの量」食べてしまったのか、しっかりと伝えるようにしてください。

これから甘くて瑞々しい果物が次々と旬を迎える季節です。今回紹介した食材にはくれぐれも気をつけるようにしていきたいですね。(また、これら4つの果物は猫にも同様に危険となります、家に猫がいるという方もご注意ください)

犬と食材について紹介した記事はこちらでも紹介しています。

プレビュー画像:©︎Pinterest/digg.com
出典:みんなのペットライフ, hotto, MOFFME