その他の豆知識
直火NG|缶詰を調理する時に気をつけたいこと
ここ数年ですっかり週末や休日のアクティビティの定番となったキャンプやグランピング。慌ただしい日常から離れ自然の中に身を置くことで、リラックスできたり、テントの設営や野外での調理と言った非日常を味わえることから人気を呼んでいます。また、一人の時間が持てるとして、ソロキャンプ人口も増えています。
そんな人気のキャンプのお楽しみの一つといえば、野外で作るキャンプ飯ではないでしょうか。
最近のキャンプ飯の定番は缶詰
アウトドアでの食事といえばBBQやカレーが定番でしたが、最近ではキャンプ時の便利な調理グッズも増え、キャンプ飯のバリエーションも豊富に。中でもキャンプ飯と相性が抜群と言われているのが、缶詰です。保存食というイメージが強い缶詰ですが、缶詰の中には開けたらすぐに食べられるものもあり、調味料や他の食材をたくさん持参しなくてもいいことから、キャンプ時に便利な食材として人気を集めています。
缶詰は直火調理NG
しかし、キャンプ飯で缶詰を利用する場合、あることに注意をする必要があるそうです。
「世界一臭い食べ物」と呼ばれるシュールストレミング缶をはじめ、食品の輸入・販売を手掛ける三幸貿易の公式ツイッター(@SANKO_TRADING)の投稿をご覧ください。
(・~・ ).。oO(キャンプブームで缶詰の直火(オーブン含む)調理を紹介している記事や動画がよくあります。
— 三幸貿易公式 (@SANKO_TRADING) October 18, 2022
缶は金属腐食を防ぐ為、樹脂でコーティングされており、BPA(ビスフェノールA)が多く使われます。
BPAは一般的用途での溶出はほとんどありませんが、120度を超える加熱では溶け出します。)
(・~・ ).。oO(BPAは内分泌かく乱作用があり、発がん性や様々な健康被害が報告される物質です。(日本政府でもEU、アメリカでも常温での溶出基準については厳格に管理されています。)
— 三幸貿易公式 (@SANKO_TRADING) October 18, 2022
缶詰の加熱は湯煎でお願いします。
火を止めてからお湯に入れても充分温まります)https://t.co/9soafYCUyn
三幸貿易の公式ツイッターが呼びかけたのは、缶詰の直火調理への注意喚起。ツイートによると、缶詰の内側は金属腐食を防ぐ為、BPA(ビスフェノールA)という樹脂が使用されているものが多いそうです。
BPAは一般的な用途で利用していれば溶け出すことははほとんどありませんが、直火などの高温で加熱をした場合、溶け出してしまう恐れがあり、健康へのリスクが懸念されるとのこと。そのため、缶詰を温めて食べるときは湯煎で加熱するように呼びかけています。
BPAとは
BPA(ビスフェノールA)とは、プラスチック容器に用いられるポリカーボネート樹脂や缶詰めの内面塗装に用いられるエポキシ樹脂の原材料として使用されている化学物質です。BPAが人体に与える影響として、内分泌かく乱作用により生殖機能低下や発がん性の懸念が示唆されています。
BPAが体内に取り込まれる主な経路の一つとされているのが、食事を通じての摂取です。そのため日本では、ポリカーボネート樹脂製の容器・包装について、BPAに関する規格が定められています。また、技術改良や事業者の自主的な取り組みがされたことから、飲食を通じて摂取する可能性は極めて微量とされています。
しかし、缶詰を本来の使用法でない加熱調理をしてしまうことで、BPAが溶け出してしまう可能性が非常に高くなってしまいます。
公益社団法人の日本缶詰びん詰レトルト食品協会も缶詰の直火料理について、金属缶は本来は密封容器として、保存・流通のためとし、直火料理は想定されておらず、BPAの溶出という危険があることに注意を呼びかけています。さらにそれだけでなく、直火調理により空焚きの危険や未開封で加熱した際の爆発の危険なども指摘しています。
秋から冬にかけても人気のキャンプ。特に寒い季節は温かいもので暖をとりたくなります。しかし、今回紹介したように缶詰食品の直火調理は避け、湯煎で温めるようにしていきたいですね。
キャンプに役立つ情報はこちらでも紹介しています。
プレビュー画像:©︎flickr/garlandcannon
出典:Twitter@SANKO_TRADING