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小学生向けの国語の問題|その答えが興味深いと話題

私たちが普段から何気なく使っている言葉「日本語」。小さな頃、支障なく日本語が使えるのに「なんで国語の勉強をしなくてはいけないの?」「会話ができれば、国語なんて勉強しなくたっていいんじゃない?」と思ったことありませんか?また、お子さんから似たような質問をされたことがあるという方もいるのでは。

国語を勉強する理由には、語彙力や読解力の強化はもちろんのこと、以下の点が非常に大きな意義を持つとされています。

  • 自分の意見を正確に伝えるため
  • 相手の意見を正確に受け取るため
  • 情報を整理するため

日常会話ができれば意思疎通もできるし、大丈夫なのでは?と思いがちですが文章になった時はどうでしょう。相手の顔が見えないとき、すぐに聞き返せない時などは、誤解を生じないよう自分の意思を伝える、また相手の意思を受け取る必要があります。

日本語の難しさを改めて感じるある問題が話題になっています。

投稿主のさくら塾(四日市)さん(@sakurajuku2)が「面白い」とツイートした問題をご覧ください。

問題:「叔父が海外に行く」「私は父と見送りに行った」「急いで見送りに行った」という内容を一文で表したとき、解釈をする上で誤解を生じないものはどれか。

ア:父と私は急いで海外に行く叔父を見送りに行った。
イ:父と私は海外に行く叔父を急いで見送りに行った。
ウ:私は父と海外に行く叔父を急いで見送りに行った。
エ:私は父と急いで海外に行く叔父を見送りに行った。

一見どれも、「叔父が海外に行く」「私は父と見送りに行った」「急いで見送りに行った」の条件を満たし、違いがないように思える4つの文です。

しかし、こうするとどうでしょう。

4つの文章に読点をつけると、イ以外の文章が読点の位置によって2通りの解釈ができる文章だということがわかります。

Twitter@Lilas_Lilac_TB

アでは、叔父が急いで海外に行くと読め、ウでは、父と海外に行く叔父と読めます。また、エでは、父と急いで海外に行く叔父、と読むこともできます。

英語を勉強すると、主語や修飾語の順番に規則があることを習いますが、日本語の場合は明確な順番はありません。語順をある程度自由にすることができるため、今回の問題のように修飾・被修飾の関係が曖昧になってしまうことがあります。

そんな時に読点をつけることで、修飾・被修飾の関係を明らかにすることができます。また、修飾語は被修飾語の直前に置くことで、文書の意味をよりわかりやすく、誤解がないように伝えることができるように。

この読点のはたらきと修飾・被修飾の関係という文法は、日本語を学ぶ外国人にとっても、非常に難しいと感じるポイントなのだそうです。

この問題には、ツイッターユーザーからも「面白い」「これは大事!」などと多くの反響が寄せられています。

また、ツイ主さん曰く、修飾・被修飾の関係を正しく読み取ることは、英語の読解力にもつながるそうです。

小学生向けの問題でしたが、大人の私たちにとっても非常に興味深いものでしたね。

以前紹介した以下の記事もぜひご覧ください。

子供が出したドリルの答えは合っていなかった|でも多くの人から「正解」の声

子供の読解力低下から考える|文章を正しく理解することの重要性

出典:Twitter@sakurajuku2
プレビュー画像:©Media Partisans