ちえとくをフォローする

ヘルスケア

デスクワークの人は気をつけたい|良性発作性頭位めまい症とは

横になった時や、ふと上を向いたとき、またお風呂場でシャンプーをしようと頭を下に向けた時、目の前がぐるぐると回るようなめまいに襲われることがありませんか?短時間でおさまるので、立ちくらみや低血圧が原因なのかも…と思う人もいるかもしれません。

しかし、いつも頭を動かした時にめまいが起きる場合は良性発作性頭位めまい症という病気の症状かもしれません。

この記事では、めまいを引き起こす耳の病気の中でも最も多い身近なものと言われる良性発作性頭位めまい症についてご紹介します。

良性発作性頭位めまい症とは

良性発作性頭位めまい症では、物を拾おうとした時や寝返りをうったときなど、頭を特定の方向に動かした時に、ぐるぐると回るような回転性のめまいが短時間起きると言われています。また、吐き気がしたり、耳の閉塞感を同時に感じることもあります。

良性発作性頭位めまい症が起きる仕組み

このめまいが起きるのは、耳の中にある小さな「耳石」が、誤って三半規管に入り込み、平衡感覚をつかさどる細胞を乱してしまうため。

炭酸カルシウムの結晶である耳石は、内耳の中で重力や体の方向などを感知する耳石器と呼ばれる器官の中にあり、身体が動いた時に耳石も動き、感覚細胞を刺激し、方向や加速度を感じさせるという重要な働きをしています。

しかし、この耳石がなんらかの拍子で剥がれて、三半規管に入ってしまうことがあるそうです。体のバランスを保つ役割をしている三半規管の中はリンパ液で満たされていますが、耳石が入って元に戻らず蓄積されることで、リンパ液の流れがかき乱され、めまいを引き起こすと言われています。

良性発作性頭位めまい症になりやすい人

良性発作性頭位めまい症になりやすい人と言われているのが、デスクワークをしている人や、低い枕で寝ている人寝返りを打つ回数の少ない人運動不足の人で、長時間同じ姿勢で頭をあまり動かさないことが発症につながりやすいと言われています。

また、耳石はカルシウムの小さな粒であり、カルシウムの代謝障害によって剥がれやすくなるとも言われています。骨粗相症の人がなりやすく、女性では閉経後に女性ホルモンの分泌が低下し、カルシウムの代謝に影響が出ることによって、耳石が剥がれやすくなると考えらています。そのため、60代〜70代の女性もこの病気を発症する人が多いそうです。

良性発作性頭位めまい症の対処法

良性発作性頭位めまい症は多くの場合は自然に治ると言われています。また、剥がれ落ちた耳石を、めまいが生じない場所に動かせば改善すると言われており、簡単な寝返り体操で対処をすることができます。

<寝返り体操>

  1. 仰向けに寝て10秒数えます。
  2. 首だけを90度右に回し10秒数えます。
  3. 仰向けに戻って10秒数えます。
  4. 次に左側も同じように首だけ回して10秒、向けの状態に戻し10秒数えます。
  5. この体操を起床時と就寝時に3回程度続けます。

また、良性発作性頭位めまい症を予防するには、耳石が三半規管に溜まらないよう、日頃から長時間同じ姿勢でいることを避けるようにします。デスクワークが長時間続くときは、定期的に姿勢を変えたり身体を動かします。また、寝る時も同じ方向ばかり向かないよう気をつけ、枕は高さのあるものにすると予防に有効です。

しかし、吐き気がひどい場合やめまいが2週間以上続く場合は、耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。良性発作性頭位めまい症と診断された場合は、耳石を元に戻す治療が行われます。

良性発作性頭位めまい症は、罹患者のうち半数がデスクワークをしている人と言われています。仕事でPC画面やタブレットを使って作業をしている時間が長いと言う人は、気をつけていきたいですね。

日常よくある体の不調や疲れのサインについては、以下の記事もご覧ください。

プレビュー画像:©︎Pinterest/everydayhealth.com
出典:EPARK, サワイ健康推進課, NHK