Lifehacks
飲む時は水を一緒に準備する|スポーツドリンクの歯への影響
梅雨が明け、酷暑と言える日が続くこの季節は熱中症に伴う脱水症状に注意が必要です。特に昨年より外出時はマスクをして出かけることが多く、知らず知らずのうちに体が水分不足に陥りがちです。また、普段から運動を習慣にしているという方であればこの季節は特に大量の汗をかくことから水分補給に普段よりも注意を払っていると思います。
夏の運動時や脱水時の水分補給に効率が良いとされるスポーツドリンクを始めとするイオン飲料。イオン飲料にはカリウムやナトリウムなど各種の電解質が含まれており、激しい運動、下痢やおう吐などにより、軽度の脱水が心配される時には回復効果が期待できます。
しかし、イオン飲料でもスポーツドリンクなどは経口補水液と比べると、飲む時はあることに注意する必要があります。
虫歯の原因になる
一般にイオン飲料は、汗などで失われた水分やミネラルを体が吸収しやすくするため、電解質を多く含んでおり体にいいイメージがありますが、スポーツドリンクは飲みやすくするために糖分を多く含んでいるものがあります。
糖分の含有量が高いことはすでに多くの人に知られていますが、同時に酸性度の高い飲み物で虫歯になりやすいという危険があるのです。スポーツドリンクのpHは3,6~4,6と酸性度が高く、一般にpH5.4以下で歯の表面のエナメル質が溶け始めると言われています。そのため、スポーツドリンクを飲むと虫歯ができやすくなってしまいます。また、糖分により虫歯菌が増殖し、酸を産生して虫歯を作るのです。
スポーツドリンクはPHが3〜4の酸性の超すっぱい液です。それを大量の砂糖を強引に溶かしこんで絶妙の味付けをしてます。PH3で直接エナメル質を溶かし、大量の砂糖で虫歯菌が増えて酸を出す。つまり歯が溶ける酸のダブルパンチ構造なのです。「小児にこまめに」なんてやったら確実に虫歯になります。
— しらいし@矯正Akiba (@shira_ortho) April 30, 2021
また、子供の場合は乳歯のエナメル質は永久歯に比べて量が少なく、そのため保護が十分でないため、スポーツドリンクによる虫歯にはより一層注意が必要です。運動時に飲みやすい甘めスポーツドリンクを飲む、また子供の水分補給にスポーツドリンクを与えていると、口腔内が酸性となり虫歯へのリスクが高まり注意が必要です。
小児歯科医の岡崎好秀先生がアップされていた画像。お茶では全く歯は溶けないが、スポーツドリンクに1週間漬けるとこれだけ歯が溶ける。乳歯はさらに溶けやすい。おやすみポカリキャンペーンが早期に終了して本当によかった。 pic.twitter.com/xE6Gliasox
— 田尾先生の抜け殻 (@dental_mania) June 8, 2020
ではどのようにスポーツドリンクを取り入れるといいのでしょうか。
口の中に残った糖分や酸を洗い流す
スポーツドリンクを飲まないようにする、というのが一番手っ取り早いのですが、軽度の脱水症状時には役立つスポーツ飲料。うまく取り入れながら虫歯を予防するには、飲んだ後に歯磨きをすると言う対策が必要です。
もし出先で歯磨きができないと言う場合は、スポーツドリンクを飲んだ後に、水やお茶を飲んで口の中を酸性にしないと言う対策が必要になってきます。夏のお出かけ時にスポーツドリンクを利用する際は、必ず水かお茶をセットにすると良さそうです。
やった〜?
美誠ちゃんおめでとう?
前に試合で頑張りすぎて虫歯リスク高くなったので
スポーツドリンク飲んだ後にお茶飲むように指導した事を
守りながら試合してた。
アスリートも歯が命。
金メダルホントに嬉しいよ‼️ pic.twitter.com/9A7Te0oyHY— ラヴァーズポイント (@borero127) July 26, 2021
ちなみに、pHの高い身近な飲料は以下の通りです。
・お茶pH6.2
・水道水やミネラルウォーターpH5.8~8.6
・牛乳pH6.8
虫歯になりやすい飲み物のpHスケール#図解作成の基本(データスケール)
虫歯になりやすい飲料は
pH(ペーハー)値が酸性寄りです。
pH5.5から歯のエナメル層が溶け始めるため、
日常的に紅茶を飲んでいる人も虫歯に注意。pHが低い飲み物を飲んだ後は、水で口を漱ぎましょう。 pic.twitter.com/CTp8ezhKfi
— 吉澤準特|ロジカルシンキング&図解 (@juntoku_y) July 16, 2018
また、就寝時は水分が失われるとして、寝る前にスポーツドリンクを飲むことが習慣の場合は注意が必要です。寝ている間は、口腔内で唾液の分泌量が減るため、スポーツドリンクで酸性になった環境で、さらに虫歯抑制の機能を持つ唾液が少なく、一層虫歯の危険が高まってしまいます。必ず飲んだ後に歯磨きをするようにしてください。スポーツドリンクは、特性を良く知り上手に利用するようにしたいですね。
暑さ対策、こちらの記事もおすすめです。
プレビュー画像:©︎Facebook/人おこし
