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エコフレンドリー

リサイクル不可|靴や鞄の緩衝材に使われる昇華転写紙

牛乳パックに新聞紙や雑誌、また段ボールなど、資源ゴミとして回収される紙ゴミ。紙ゴミはリサクルすることで、新たな森林伐採を抑えることができ、環境資源の保護にもつながっています。そのため、紙ゴミをしっかりと分別して古紙回収に出しているという人がほとんどなのではないでしょうか。

しかし、もしかしたら今まで紙ゴミだと思っていたものが、実はリサイクル不可だったということがあるかもしれません。

お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動の傍ら、ゴミ清掃員として働くマシンガンズの滝沢秀一さん(@takizawa0914)のツイートに注目が集まっています。

「古紙の日に出してはいけない紙がありますよ!おはようございます。ゴミ清掃員の滝沢です。それは靴や鞄に詰められた緩衝材で、これを昇華転写紙といいます!少量でも混じっていると大量の再生紙が使えない損紙になっちゃうみたいです!」

滝沢さんによると、靴や鞄に詰められた紙製の緩衝材の一部は古紙回収できる紙ゴミの対象外なのだそう。

昇華転写紙とは

靴や鞄を買った時、型崩れを防ぐために中に入っているカサカサしたあの紙には、昇華転写紙と言われるものが使われていることがあります。

昇華転写紙とは、昇華性インクを使用してカーテン、カーペット、壁紙などへ絵柄やデザインを転写する紙のことを言います。インクジェットプリンターで転写紙に絵柄を印刷し、約200°Cの熱を加えて製品に転写しますが、使用後に転写紙にはインクは残ります。これは使用済み昇華転写紙と呼ばれ、鞄や靴の詰め物に利用されることが多いのだそうです。昇華転写紙は絵柄や文字が反転しているのが特徴です。

古紙回収の禁忌品

紙ゴミは回収されたのち製紙原料としてリサイクルされますが、昇華転写紙が混ざっていると、インクが溶け出し、紙に斑点のようなシミとなって現れ大量の白板紙が使えない紙となってしまいます。

再生原料の中にこの昇華転写紙がA4用紙1枚でも入るだけで、再生紙100トンが使えない紙となってしまうため、昇華転写紙は古紙回収の禁忌品とも言われているそうです。

昇華転写紙は燃えるゴミへ

素材が紙であることから、つい古紙回収に入れてしまいそうになる昇華転写紙ですが、分別は「燃えるゴミ」となるそうです。

ネットの反応

マシンガンズ滝沢さんの呼びかけには、ツイッターでも多くの人から「知らなかった」「気をつけたい」などという反響が寄せられています。

今後靴や鞄を購入した際は、中の緩衝材が昇華転写紙かどうか確認をしていきたいですね。また、昇華転写紙の他にも、洗濯洗剤の箱、せっけん化粧品の箱や包装紙、線香の箱、芳香紙などが、においが染みついた紙も古紙回収の禁忌品と言われています。目立つ汚れもなく、またパッと見で異素材と組み合わされていない紙素材のものだと、つい疑うことなく紙ゴミとしてしまいそうになりますが、これを機に住んでいる市町村のゴミ分別についても、再確認してみると良さそうです。

ゴミ分別について紹介している以下の記事もぜひご覧ください。

出典:武蔵野市, ©︎Twitter@takizawa0914
プレビュー画像:©︎Twitter/fuchu_gomi_risa