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トリビア

「ペットについて知ってほしいと思うこと」獣医から動物の飼い主に伝えたい15のこと

外出自粛により家にいる時間が長くなったことから、癒しを求めてペットを買う人が急増していると言います。新しく迎えた家族の一員に対し、特に子犬を飼い始めた飼い主の中には、責任を持ってしつけ教室へ通う人もいれば、一方で「思っていたのと違った」と言って子犬を引き取って欲しいというペットショップや保護団体への問い合わせも増えているそうです。

海外で人気の掲示板サイトRedditでは、このような不幸な事態に対し、「ペットについて知ってほしいと思うこと」という獣医たちからのリアルな回答が話題を呼んでいます。今回はその中から15をご紹介。ペットたちの幸せを願う獣医たちの声とも取れるその内容をご覧ください。

1. 猫の爪について

「家具に傷がつくが嫌だと言って、猫の爪を除去する手術をしようと思うなら猫を飼わないで。ほとんどがソファーを守るための抜爪なので、私はこの手術は絶対にしないし、猫にとって医学的に体にいいことは何一つありません」

この爪除去手術は、足の爪の生えている末節骨、左右10本を全て、爪の基底胚細胞を残さないように切除する手術であり、骨ごと取り除くものです。この手術は虐待であるとして、ドイツ、フィンランド、スイス、オーストラリア、ニュージーランドなどの国では禁止されています。また日本でも猫の肉体的、精神的苦痛のために病院によってはこの手術をしない、依頼があっても断る、という方針を取っている病院もあります。

2. 猫は肉食

「猫は肉食動物であって、ヴィーガンにはなれません。私はヴィーガンだから、私のペットにもそうなって欲しいなんて願いは今すぐ捨てて。ヴィーガンなペットが欲しいなら、ウサギが草食動物です」

3. ペットの世界は飼い主だけ

「飼い主のあなたにはあなたの暮らしがあって、仕事、友人、家族という社会的な繋がりがあります。でも、あなたの愛犬にはあなたしかいません。1日に5分以上は愛犬と触れ合ってください。そうすれば5秒おきに無駄吠えするなんてこともなくなるはずです」

That Comfy Spot

4. 犬の食欲

「いつも夕食の残りを愛犬にあげてしまうのが習慣にあっているのであれば、愛犬がいつもご飯を欲しがるって文句を言わないで。100%あなたの責任です」

Dinner Time

5. 動物を飼うことは…

「ペットを飼うということは一種の贅沢であって、権利ではありません。もしペットの予期せぬ病気やペット保険を支払うことができないなら、飼わないでください」

Untitled

6. 動物の仕草について知ること

「犬や猫のボディランゲージをもっと飼い主が理解していたら…と思います。よくSNSに『遊んでいる時のウチのモフモフがかわい過ぎ』とタグづけし、(獣医目線で)実際は痛がっていたり、苦しんでいる姿の動物を見ると呆れるし、はらわたが煮えくり返りそうになります。彼らのボディランゲージを理解しようとしないということは、愛犬が子供を噛んでしまうという事故だったり、数ヶ月病気のサインに気付くことができなかったために愛猫を失うことに繋がるのです」

 
 
 
 
 
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7. 犬を見た目の好みで買わない

「犬を見た目の好みだけで飼わないで。ハスキーやシェパードは使役犬です。彼らはたくさん体を動かすことが必要になるし、体が動かせずにフラストレーションが溜まるとアグレッシブになることもあるんです!」

Happy Huskie on a Mountain

8. 犬に子供を産ませる

「犬の飼い主の多くは、1回は愛犬に子供を産ませたいと言います。でも、これは犬にとっては酷く恐ろしくトラウマになる出来事になりかねません。だって、彼らは妊娠・出産という困難を経験するだけじゃなくて、子供を取り上げられるということも経験しなきゃいけないんです。去勢、避妊手術をしてください」

 
 
 
 
 
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9. 安楽死の時にその場から離れないで

「万が一、病気や事故で愛するペットを安楽死させなくてはいけない時はその場を離れないでください。その場にいて彼らの死を目の当たりにするのはとても辛いけど、大好きな飼い主がそばにいなくなってしまったペットたちは、とても怯えて、飼い主の姿を探します。獣医たちは、飼い主が去ってしまった後、ペットたちを怖がらせないよう必死でケアをしなくてはいけないし、そんなペットたちの姿を見ると涙せずにはいられません」

 
 
 
 
 
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10. 猫に悪意はない

「猫はあなたに対して怒っているから、何かをしでかすわけではありません。あなたが怒鳴ったからって怒って、枕にうんちをするわけではありませんし、ご飯の時間が遅れたからと言ってあなたの服におしっこをするのではありません。猫は習性や毎日のルーティンに従って行動することで安心感を得る動物です。もし日々の習慣と全く違ったような行動をした場合は(猫トイレの外で粗相をしてしまうなど)、環境の変化または健康上の問題の2つのうちどちらかが考えられます。家の中でインテリアを変えた、猫トイレを変えた、など猫にとって大きな変化がない場合は、獣医に診てもらうようにしてください」

Untitled

「あと、猫にツナ缶や牛乳をあげるのがいいなんてよく聞きますが、どっちも体によくありません」

11. ブリーダーよりも獣医の言うことを聞いて

「よく医学的知識のないブリーダーやトリマーの意見を絶対的に信頼している方がいます。前足を骨折して外科手術が必要なラットテリアを診察した時のことです。手術医の予定を確かめるために診察室を出た時に、飼い主がブリーダーに連絡をして、ブリーダーの方は医者のいうことは聞かずに、釣り包帯で十分だと飼い主に言ったんです。しかも犬は十分にトレーニングを受けていませんでした。犬の問題行動は、トレーニングや日々体を動かすことでほとんどが解決できます」

 
 
 
 
 
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12. 動物を人間のように扱わない

「動物を人間と同じように扱わないようにしてください。ペットを人間化して扱うことは多くの問題行動の原因となります。小型犬を赤ん坊のように扱えば、彼らは自分を群れのリーダーと勘違いするし、犬が笑って見えても本当は笑っているのではなく、ストレスを感じている場合もあります。愛犬とコミュニケーションを取りながら彼らを理解し、正しく扱うようにしてください」

Sad dog

13. 犬種についてよく学んで

「犬種について深い知識を持つようにしてください。そうでもないのに、犬を1日12時間もケージに閉じ込めておきながら、犬がエネルギーが有り余っているとか、ものを壊して困るとか言わないでください。ラブラドールは使役犬です。彼らには役割が必要なのです。ハスキーはシベリア出身の寒さに強い厚い被毛に覆われた犬です、暖かい地域には向きません。ジャーマンシェードは抜け毛の多い犬です。毛の塊が転がってるからって文句は言わないでください」

 
 
 
 
 
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14. 犬には触って欲しくないところがある

「犬は耳やしっぽを触って欲しくありません」

 
 
 
 
 
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15. 生活習慣の管理も飼い主の責任

「ペットの問題行動の90%は飼い主の責任です。犬であれ猫であれペットに基本的なしつけをせず、そしてそのままにしておくのであれば、動物病院に来た時、必要であれば私たち獣医はあなたの大切なペットを縛り、口輪を付けなくてはいけなくなります。または高額な鎮静剤が必要になることも。私たち獣医や看護師は、診察しながらあなたのペットをあやすなんてできません」

「大型犬種の子犬をかわいいと思っているようですが、30kgを越え必要なトレーニングをせずコントロールが効かなくなった犬は可愛くありません。また、格納式のリードを使用するのはお勧めしません。便利なように見えますが、あれは犬をコントロールできなくさせるのです」

 
 
 
 
 
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「動物病院の待合室で愛犬を他の動物のところへ行かせないでください。すべての犬がフレンドリーとは限らないし、猫に至ってはかなりのストレスを感じています」

「太りすぎたペットは、ガリガリに痩せ細って虐待されたペットと同じくらい可哀想です」

Big Fat Cat

「ペット保険が割りに合わないと思うなら、その分を毎月少しずつ貯めておきましょう。もし使わなかったら、休暇のお小遣いになります」

獣医や動物病院スタッフからのリアルな声。以前、犬の十戒という内容で、犬を飼うなら心得ておきたい10項目を紹介しましたが、獣医たちの言葉には日常生活で気をつけるべき具体的なものが数多く紹介されていました。ペットを飼っている人、またこれからペットを迎えたい方はこれらの項目を参考にしてみて下さい。

また、ペットに関する記事は以下でも紹介しています。合わせてご覧ください。

プレビュー画像:©︎Pinterest/JD Q, ©︎flickr/Extra Zebra

「ペットについて知ってほしいと思うこと」獣医から動物の飼い主に伝えたい15のこと