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ヘルスケア

家庭でできる体に優しい5つの咳対策

咳は空気の通り道である気管に侵入してきた異物を追い出し、体を健康に保とうとするために体が起こす反応です。

しかし、咳が止まらないと日常生活に支障をきたしてしまいます。咳を止めるには、市販の風邪薬や咳止めもありますが、薬を使わずナチュラルな方法を利用して咳の症状を和らげることもできます。この記事では家庭でできる咳対策についてご紹介します。

1. スチーム効果で加湿・洗浄

風邪をひいた時や喉がイガイガする時は、普通のうがいでなく吸引器を利用した加湿によるケアがおすすめです。スチームが出てくる吸引器を鼻と口に装着し、ゆっくりと吸ったり吐いたりをします。効果を出すには、3時間ごとにスチームによる吸引を繰り返すといいそうです。

吸引器がないという場合は、湯桶とタオルを使って代用ができます。お湯を張った桶に顔を向け、タオルを被るようにして、息をゆっくりと吸ったり吐いたりをします。

スチームを使った吸引法は痰が絡んでネバついた粘膜をサラサラにしてくれる作用があります。また、お湯にエッセンシャルオイルやハーブをプラスすることもできます。

注意:お湯の温度が高すぎると吸引の際に火傷をしてしまう恐れがあります。お湯はある程度冷ましてから使うようにしてください。また吸引をしている際は、子供が近づかないよう注意をしてください。

2. 自家製咳止めシロップ

咳止めシロップは市販のものもありますが、自分で作ることもでき、自家製なら体にも優しく節約にもなります。

玉ねぎとはちみつで作るシロップ

玉ねぎは古くから咳止めに使われていた食材。咳止めを作るには、みじん切りにした玉ねぎを氷砂糖、またははちみつとともに弱火で煮込みます。加熱後、粗熱を取ったらさらしやコーヒーフィルターを使い濾します。出来上がったシロップはスプーン1杯分を口に含むようにして摂取します。玉ねぎには抗炎症作用のあるフラボノイドが豊富に含まれており、気管支の炎症を抑え咳の症状を和らげるのに役立ちます。

Day 73 - "It's Not The Cough That Carries You Off..."

大根とはちみつで作る大根あめ

江戸時代から大根あめは民間療法として使われてきました。大根が持つ辛味成分に含まれるアリルイソチオシアネートという成分は、強い殺菌効果があることで知られています。大根を小さなサイコロ切りにし保存容器に入れ、ひたひたになるくらいまではちみつを入れます。大根の水分が出てきたらできあがりです。シロップを飲む他、大根は食べてもOKです。大根あめの詳しい作り方はこちらをご覧ください。

3. 十分な水分補給

風邪をひいている時、十分な水分補給はとても大切です。というのも、水分を補給することで粘膜の乾燥を防ぎ、気管支に痰が絡むのを抑えてくれます。水分補給をする際は、喉への刺激を和らげてくれる作用があるハーブティーがおすすめです。

咳にいいとされるハーブティーは以下の通り:

乾いた咳が出る場合

  • リンデンティー
  • ハーベインティー
  • マーシュマロウティー
  • コルツフットティー
  • マロウブルーティー

痰が絡む咳が出る場合

  • アニスティー
  • フェンネルティー
  • カウスリップティー
  • タイムティー
  • エルダーフラワーティー
  • リコリスティー

4. 湿布

ハーブティーや咳止めシロップまたスチーム吸引の傍ら、咳を止めるための自家製湿布もおすすめです。自家湿布は冷湿布と温湿布の2つがあります。どちらも冷湿布の場合は冷水を、温湿布の場合は熱湯を洗面器に入れ、その中にタオルを入れて濡らした後、引き上げて絞り、気になる部分に優しく押し当てます。

ハーブや身近な食品を使った湿布は以下の通り:

タイム湿布

ハーブの中でも強力な殺菌力を持っているタイムを使った湿布は特に気管支炎におすすめです。タイムを内布に入れて、胸に20〜30分当てます。

玉ねぎ温湿布

玉ねぎは咳止めシロップに使うだけでなく、胸に当てる湿布にも利用できます。小さく切った玉ねぎをタオルで包み、玉ねぎごとタオルを温水に入れ温めます。作った温湿布を30分ほど胸に当てます。

生姜湿布

生姜をすりおろして作る生姜湿布は、咳やその他体の炎症を和らげる作用を持っています。小さじ2杯の生姜パウダーを水に溶かし、そこに500mlのお湯を入れます。タオルや手ぬぐいを入れて染み込ませ、硬く絞って胸に30分ほど当てます。生の生姜をすりおろして作る方法はこちらをご覧ください。

5. エッセンシャルオイル

咳対策には植物が持つ力がたっぷり詰まったエッセンシャルオイルもおすすめです。

エッセンシャルオイルを使った吸入法

最初に紹介したように、スチームを吸入をすることで咳対策ができますが、エッセンシャルオイルをプラスすることで効果をさらに高めることができます。ティーツリー、タイム、ペパーミントやユーカリといった殺菌効果の高いオイルがおすすめです。吸入に使うお湯、250〜500mlにつき、1〜2滴ほどオイルを垂らします。

©Media Partisans

エッセンシャルオイルを使ったアロマバス

エッセンシャルオイルが持つ作用を利用したアロマバスも咳対策におすすめです。ここでも先に紹介したように、ユーカリやタイムといった殺菌効果のあるものを利用します。しかし、お風呂に入れる場合は、そのままオイルを垂らしてしまうとオイルは油溶性のため、お湯に混ざらず表面に浮いた状態、また肌に直接ついてしまう可能性があります。そのため、あらかじめホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどといったキャリアオイルや乳化剤で薄めてお湯に入れるようにしてください。乳化剤は専用のものもありますが、はちみつや牛乳を使うこともできます。

肌に塗り込む

エッセンシャルオイルを肌に塗る場合、ホホバオイルなどのキャリアオイルで薄めてから肌に塗ります。オイルを塗る時は、背中や胸に塗り込み30分ほど浸透させます。寝る前に塗ると、就寝時の咳を抑え睡眠不足の予防にもなります。

注意:エッセンシャルオイルを使う場合、小さな子供や高齢者、妊娠中や授乳中の人、また喘息やてんかんなどといった持病を持つ人は、必ず使用前に担当の医師に相談をするようにしてください。

Chase Coughing

咳止めに効果が期待できる家庭療法を紹介しましたが、発熱や悪寒、また咳が1週間以上続くという場合は、医療機関を速やかに受診するようにしてください。

この他にもおすすめの家庭療法は以下の記事でも紹介しています。

出典: apotheken-umschau, netdoktor
プレビュー画像: ©flickr/Simon James ©pinterest/shoppantryproducts